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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年2月

お父さん、何歳まで運転するつもり? 「わしは死ぬまで運転する!」

「また高齢ドライバーの事故かよ」。猪狩雅志はテレビニュースに目を向けた。そして気づく。「78歳っていえば......」。雅志の父親も同じ歳になるのだ。「うちの親父に限って」とは思うものの、妻の歩美と話しているうちに不安になってきた。それもあって夏に息子の息吹と帰省したとき、父親に運転をやめるよう説得を試みるが、あえなも不首尾に。通販の利用や都会暮らしのトライアル、様々な提案をするがいずれも失敗。そのうち、雅志自身も自分の将来が気になり出して......。果たして父は運転をやめるのか、雅志の出した答えとは?心温まる家族小説!

               (KADOKAWA HPより)



高齢者が運転する車の悲惨な事故をニュースで目にすることが多い昨今。

東京で共働きしながら高校生の息子・伊吹と3人暮らしの猪狩雅志。

田舎の父親(78歳)も免許返納なんて全く考えられないと言いながら、最近は
車をぶつけることが多くなったらしいことを知り心配になる。


交通機関が発達していない場所での車は、生活必需品であり
なくなったら途端に買い物にも思うように行けず、困ってしまう日常。

そんな田舎の親の暮らしをみて、一大決心する雅志。

スーパーの商品を車で移動販売する仕事を田舎で始める。


猪狩家の人たちはみな、優しくていい人たち。
雅志の妻も最初は、反対しながらも理解してくれて、息子の伊吹も
自分の将来のことを考えて、農業高校に転校を決める。


偏差値のいい学校に行くことを目標にするのって悪いことじゃないけど
ちゃんと将来の目標を決めて、そのための勉強をするっていうのが理想じゃないかな?


表題から、イメージした物語と違って温かい家族の物語でした!


                        ★★★★
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発行年月:2019年2月



姑が亡くなり、住んでいたマンションを処分することになった。
業者に頼むと高くつくからと、嫁である望登子はなんとか自分で
遺品整理をしようとするが、あまりの物の多さに立ちすくむばかり。
「安物買いの銭失い」だった姑を恨めしく思いながら、仕方なく片づけを始める。
夫も手伝うようになったが、さすが親子、彼も捨てられないタイプで、
望登子の負担は増えるばかりである。誰もが経験するであろう、
遺品整理をユーモアーとペーソス溢れる筆致で描く長編小説。

                          (双葉社HPより)




一人っ子の夫。
一人暮らしだった姑・多喜が住んでいた団地の遺品整理に通う、望登子。

姑はスーパーに買い物に出かけたところで救急車搬送され、そのまま亡くなった。
家のなかには、生活感溢れる遺品でいっぱい。


難儀するのは、部屋がエレベーターなし4階だということ。
ゴミ回収場所まで運ぶのも、粗大ごみとして出したいものを運びだすのも一苦労。


業者に見積もりを依頼したら100万近い金額を提示される。
それが相場らしい。


そんなところに救世主現る!
自治会の副会長だという、女性・丹野。
「多喜さんにはお世話になったから・・・」と手際よく片付けを手伝い、
自治会の手を貸してくれるメンバーを集めてくれる。

粗大ごみを出せるのは、1回、3品までいうルールを、名義を借りて
いっぺんに回収してもらう知恵も仕入れ、快く協力してくれる自治会の人たち。


そして、生活保護を受けながら闘病生活という隣家の女性も協力してくれる。


自分の完璧だった母親と比べ、姑のことをどこか見下していた自分の考えを
少しづつ変えていく望登子。

姑は、色々な人を手助けしていた。
その恩を皆が返してくれていることがありがたいと。


読み始めは、なんだか気が重たい話だな~とちょっと読み続けるのを躊躇したけれど
垣谷さんだから、と信じて読み続けて良かった!

良い話だった。

多喜の本当の性格がわかって良かった。
そして望登子は、良い人たちに囲まれていると思った。

弟のお嫁さん、職場の同僚、友人、それから、旦那さんも優しい心の持ち主。


ただ、これ読んで、自分も要らないものを少しずつ整理していかなきゃならない
年齢になっているな~と考えさえられた(^^ゞ



                                    ★★★★



発行年月:2019年5月

「あなたは誰?」
息子を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく息子。
ふたりには忘れることのできない“事件”があったーー。
現代に新たな光を投げかける、愛と記憶の物語。

                (文芸春秋HPより)



切ない話だったけど、良かった。
生まれたときから父親がいなかった主人公の葛西泉。

レコード会社に勤務していて、職場結婚の香織との子どもも
生まれる。


母はピアノ教師として若い頃から働いていたが・・・
アルツハイマー病を発症、徐々に記憶をなくしていく日々。

泉との昔話を時々思い出しては語る。

最後の「半分の花火」、母親に見せてあげられなかったこと
「半分の花火」の意味を母親がいなくなって気づいた泉は
後悔が残るだろうなぁ~。
それを考えると、本当に切なくて・・・・
自然と泣けた・・・(/_;)


泉の母親・百合子の若いころの泉を置いての一時期、出奔の箇所は
衝撃的だったけど
それ以外は、泉にとっては優しく美しい良い母親だったんだろう。


                  ★★★★


発行年月:2017年6月

話すぬいぐるみと出版社校正男子の友情物語
愛しい涙がとめどなく流れた。この本はきっとみんなの宝物。
      --池田エライザさん(モデル・女優)
松本大洋氏がカバー装画が描きおろした、話すコアラのぬいぐるみと出版社校正男子の切なさMAXの友情物語。

小さな出版社で校正の仕事をしている森星太朗は、幼いころ他界した作家で母の文子が残してくれたコアラのぬいぐるみを大事にしていた。
そのぬいぐるみは、母が亡くなったその日、しゃべりだし、以来、無二の親友になっていたのだ(もちろん、世間には内緒にして)。
そんなある日、しゃっくりがとまらなくなった星太朗に大きな転機が訪れる。

                      (小学館HPより)


以前、読んだ「あなたの右手は蜂蜜の香り」が良かったので
こちらのデビュー作も気になり読んでみた。

ちょっと切ない話。
こういうのが得意なのかなぁ~。

でも、温かい気持ちにもなれる、良い物語だった。

コアラのぬいぐるみは、病死した母親が幼い自分のために遺してくれた大事な友。
主人公の星太郎にいつも寄り添う。
はて、これは星太郎だけに語り掛けたりする星太郎が心で感じる言葉なのかと
最初は思ったら、どうやら本当に喋ったり、動いたりするらしい。

星太郎が次にムッシュを託す夢子ちゃんが登場してホッとした。
星太郎もずいぶん、それで救われただろうな~。

死が怖いのは、大事な人を守れなくなるから・・・

大人になるとその意味がよくわかる。

これからの作品も要チェックの作家さんになりそう。


                         ★★★★



発行年月:2019年5月

あたしのせいで動物園に入れられたクマの「あなた」を、必ず救い出す。どんなことをしても。雨子はそう誓った日から、親友の那智くんとも離れ、飼育員になるため邁進する。だが、それは本当に「あなた」の望むことなのか。大人になった雨子が出した結論は――。真っ直ぐに誰かを想う気持ちが交差する、切なく温かな物語。

                   (新潮社HPより)




雨子は、9歳のとき、ヒグマの子どもに遭遇し、近づこうとしたところを近くに
いた親グマが射殺されるというショッキングな経験をする。

そのヒグマはどうなっのか?
仙台の動物園で飼育されることになったと知り、一人で会いに行く。
そして<あなたを檻から出してあげる>と約束する。

度々、<あなた>に会いにいく。
そのたびに「助けにきてくれたの?」と聞く<あなた>。

<あなた>の居る、動物園で飼育員になる!と目標を決めついに念願が叶う。
そして・・・・


9歳のとき、一緒に居た、那智くんは東京に転校してしまった。
しかし、獣医師を目指し、雨子のいる動物園で働くことを目標にして
宮城の国立大学に入り、動物園の獣医師の元で研修生として学ぶ。

雨子とも再び親しい関係になる。

那智くんは、雨子のことがずっと好き。
雨子も那智くんのことは好きだけど、もっと大事な存在が<あなた>。


ラストは、ハッピーエンドなんだろうか?
一応、目的は果たした雨子だけど、帰れる場所がないというのは辛い。

この後、雨子はどう生きるんだろうか?
那智くんは目的を失ってしまったわけで、こちらの今後も心配。


読み終えた後も、不安感みたいなものが残る。
不思議な物語だったけど、忘れられない物語かも。



                          ★★★★

 
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