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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2024年8月


その生きにくさ、ひとりで抱えなくていいのかもしれません-ー。
2つの3人家族が始めた共同生活。でもあっちの家族にいたのは、となりのクラスの変わり者で…!? 
野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞、小学館児童出版文化賞受賞の椰月美智子が贈る、人生の賛歌。さあ、“あたりまえ”の先へ!
●あらすじ
主人公・美琴は、シングルマザーのお母さんとおばあちゃんと暮らしている中学1年生。
ある夏、お母さんがかつて同級生だった朱美さんと再会し、古い家を買って一緒に住むという計画を突然発表します。
お母さんはこんな勝手な人ではなかったはずなのに……。
どんな人たちなかよく知らないまま、共同生活がスタートするのですが、紹介されたのは、すこし変わった人として名を馳せるとなりのクラスの子。
でも、6人で一緒に暮らす中、いろんな“あたりまえ”が色あざやかに変わっていくのです……。


                    (講談社HPより)



二つの家族が一つ屋根の下で暮らし、段々と絆を深めていく物語。


大沢美琴(中学1年生)
美琴の母・・・・響子(52歳)
美琴の祖母・・・節子(80歳)

堤下野々花(中学1年生)
野々花の母・・・優菜(32歳)
野々花の祖母・・・朱美(52歳)


美琴と野々花は同じ中学の同級生。
けれど、一緒に暮らすまでは、何ら関わりなく、同じ中学なので
変わり者という同級生たちの噂だけで知っていたくらい。
美琴の母(響子)と野々花の母(朱美)が親友で、
二人で話し合って決めた共同生活。
古民家を二人で購入後、その話を聞いた美琴は戸惑いつつも従い
変わり者の同級生・野々花やその母親・優菜のことを最初は
どう接していいかわからないというかんじ。

美琴の祖母の庭仕事をよく手伝う野々花。
生物部に所属している野々花は、口数は少ないながらも素直。
そんな野々花のことを少しずつ理解し、親しくなっていく。

美琴の親友・ひなたが遊びにきて、野々花を誘って一緒におやつを食べたり
三人で出かけ、成り行きで、カラオケに行ってからその距離はぐんと
縮まる。
いいかんじ(^^)

途中、美琴の母、響子に重大な病気な見つかり、どうなる?と心配したけれど
快方に向かい、ホッとしたあと、祖母が倒れるというショック。

二つの家族が一緒に暮らすことになった理由。
表題の意味もわかった。

正直、みかん=未完だろうな・・・は容易に想像できたけれど。。。

楽しいお話だった。



                       ★★★★
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発行年月:2023年10月


塞がれた窓、防音壁、追加錠…監禁目的の改装が施された民家で男性死体が発見された。警視庁捜査一課殺人班十一係主任、姫川玲子が特捜に入るも、現場は証拠が隠滅されていて糸口はない。犯人は何の目的で死体を放置したのか?玲子の天性の勘と閃き、そして久江の心に寄り添う聞き込みで捜査が進展すると、思いもよらない人物が浮かび上がってきて――

                     (光文社HPより)




久しぶりの姫川シリーズ。

やはり、面白い。
事件そのものは、酷いものなんだけど・・・

今回、一緒に捜査する魚住久江が登場。
姫川と魚住・・・・なかなかいいかんじ。
性格は違うけれど、相性が良さそう。
魚住の観察眼とそれに伴う気遣いは、ひとりの女性としても魅力的。
年は魚住の方が上。魚住45歳で姫川36歳?
階級は姫川が上なので魚住は職場では敬語。
でも二人で居るときは、それが、やや砕けた感じになり親友のよう。


事件の背景にあったのは、慰安婦問題。
なかなか凄いものを持ってきたなぁ~。

もうずっと日本政府と韓国政府の見解が平行線みたくなっていて
よくわからない。

誉田さんは、このなかで、慰安婦問題そのものがでっちあげと。
物語だから、なんでもありなのかな?
ちょっとドキッとしてしまった。


ドラマをみていたので、やはり姫川は竹内結子さんの顔が浮かぶ。
魚住は松下由樹さん。
実写でふたりがこの物語のように、会話するのを見てみたかった。
それが叶わないんだと思うとただただ残念で仕方ない・・・(/_;)

姫川が出てくるたびに今後も竹内さんの顔が浮かびそう。



                       ★★★



発行年月:2022年7月


真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。あの人のこと、笑えますか。
“普通”の可笑しみから、私たちの真の姿と世界の深淵が顔を出す。
大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは――(「とんこつQ&A」)
姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが……(「嘘の道」)
人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録、待望の最新作品集!


                   (講談社HPより)




どの話も面白かった。

主人公たちは、だれも一生懸命なんだけれど、ちょっと不器用というか
融通が利かないというか・・・・


<とんこつQ&A>
中華料理店「とんこつ」で働き始めて7年の今川の話。
最初は接客がまったくできず、勤務時間中、直立不動でいるのだけど
メモに書いた言葉を読むという方法で、どんどん接客が出来るようになっていく。
普通、そこまで行く前にクビになりそうだけど、店主と息子さんも
少し変わっている・・・・^m^
でも、似たような人が新しく加わり・・・

今川がそれでも、ずっと働き続けられてよかった。


次の<嘘の道>は、ちょっと怖い。
町内の嘘つき少年のことが度々、家族間の会話に出てきて
「そういう奴はいつの間にか消えちゃうんだよ」と父親が言う。
それは姉と弟の身に降りかかることになるという話。

<良夫婦>
妻の友加里が、ある日、偶然、知り合った小学生・タム。
以後、友加里はタムのためにお菓子を用意して少年の下校を待つように。
いつもお腹が空いているし、がりがりに痩せているのは虐待じゃないか?と
夫にも相談。
痣がないか?も観察するように。

思い込みは、危険だけど、気持ちはちょっとわかるかな?


<冷たい大根の煮物>
工場勤務を始めた19歳のわたし。
ほかの人から「芝山さんにはお金を貸したらダメだよ」と忠告される。
芝山さんに近所の安いスーパーを案内することになり、その帰り
アパートに。帰るまえに味噌汁を作ってくれて、以後、度々、アパートで
夕食のおかずを作って置いていってくれる。
自分の家の夕食も作って持ち帰る芝山さん。
ある日、お財布を忘れちゃったというので、1万円を貸す。
その日は、大根の煮物を作ってくれたが、翌日、芝山さんは会社を辞めたと
聞く。

1万円は返ってこなくても、それ以上のものを貰ったとおもうな~。
ちゃんと自炊するようになったのは芝山さんのおかげだものね。


前回読んだ「父と私の桜尾通り商店街」も短編集だったけど
こちらも面白かった。




                     ★★★★



発行年月:2020年4月


「辻堂ミステリの最高傑作であり真骨頂。本書で秘密を解くのは探偵ではない。読者である」先生、聞いて。私は人殺しになります。お願いだから、じゃましないでね?(「教師と児童」)わたしだって本当の気持ちを書くからね。ずっと前から、ムカついてた。(「姉と妹」)嘘、殺人予告、そしてとある告白……。大切な人のために綴られた七冊の交換日記。そこに秘められた、驚きの真実と感動とは?――この緻密な仕掛けを、是非読み解いてください。

                  (中央公論新社HPより)



先に読んだ作品より、こちらは明るいかんじでよかった。

最初の話<入院患者と見舞客>は
10歳(小学4年生)で白血病の治療のため入院中の愛美とそこに訪れて愛美と
交換日記を交わす先生の話。
愛美は快方に向かい退院し、小学6年生で学校に通い始める。

以後、色々な交換日記の話が続くのだけど、
それらがどれも感動的。
読んでいくと、最初の登場人物2人と関わりの在った人たちの話なんだと気づく。


愛美は大人になり小学校の先生になって、担任になったクラスの子どもたちと
交換日記をしていく。
2番目の話<教師と児童>は、大杉寧々香を殺したいと思いますという児童の
衝撃的な告白。
交換日記に対しても否定的。
そんな児童があることを機に変わっていく話。
以下
第三話 姉と妹
第四話 母と息子
第五話 加害者と被害者
第六話 上司と部下
第七話 夫と妻


ネタバレ・・・自分の覚えかき

第一話の愛美と交換日記をしていた先生は、入院中の子どもの勉強をサポートする
先生・坂田小百合。
51歳の時、孫のさくらとすみれとの散歩中に孫をかばって交通事故死。
事故の加害者は飲酒運転だった。そしてその助手席に乗っていたのが
第五話の加害者・礼二。
礼二は坂田の直接の加害者ではないが、見舞いに訪れ、坂田と交換日記を
していたが坂田が脳内出血により亡くなったと知り、命日には事故現場に花を持って
訪れていた。
そんなある日、出会ったのが愛美。
二人は言葉を交わしやがて結婚。
礼二は坂田と会う時は、「伊吹」として会っていたが、加害者の名前を使っていた。
本名は「葉山礼二」。


色々なしかけがあり伏線がのちに判明する。
途中、事故死したのは愛美?と勘違いした・・・(^^ゞ

この著者の本は、過去の作品もこれからの作品も全部、読みたい!!



                     ★★★★★



発行年月:2020年12月


2021年へ!時代を貫く親子三代の物語
 スミダスポーツで働く泰介は、認知症を患う80歳の母・万津子を自宅で介護しながら、妻と、バレーボール部でエースとして活躍する高校2年生の娘とともに暮らしている。あるとき、万津子がテレビのオリンピック特集を見て「私は・・・・・・東洋の魔女」「泰介には、秘密」と呟いた。泰介は、九州から東京へ出てきた母の過去を何も知らないことに気づく。
 51年前――。紡績工場で女工として働いていた万津子は、19歳で三井鉱山の職員と結婚。夫の暴力と子育ての難しさに悩んでいたが、幼い息子が起こしたある事件をきっかけに、家や近隣での居場所を失う。そんな彼女が、故郷を捨て、上京したのはなぜだったのか。
 泰介は万津子の部屋で見つけた新聞記事を頼りに、母の「秘密」を探り始める。それは同時に、泰介が日頃感じている「生きづらさ」にもつながっていて――。
 1964年と2020年、東京五輪の時代を生きる親子の姿を三代にわたって描いた感動作!前作『あの日の交換日記』が大好評!!いま最も注目を集める若手作家・辻堂ゆめの新境地となる圧巻の大河小説!!

                  (小学館HPより)



初めて読む作家さん。
何かでお薦めされていた「あの日の交換日記」も読みたいと思い、こちらも
図書館で借りてみた。



東京オリンピックが開催された1964年と二度目の開催となった2020年。
両方の年代を交互に物語が進む。


1958年、15歳の万津子は中学を卒業し、熊本から愛知県の紡績会社に集団就職。
そこでバレーボールをはじめ、仕事の後はバレー部の練習。
仲良しの友達も出来て充実した毎日。
18歳・・・見合い話が実家から。
相手は熊本大学の工学部を出たとか。
自分のような農家の貧しい学歴もない者には、勿体ないくらいの人だと
万津子自身も思ったが、話はとんとん拍子に進み、夫となった佐藤満の会社の
社宅で暮らし始める。

けれど、悲劇がここから・・・
満は、すぐに癇癪を起し、暴力も。
実家に帰りたいが母は「辛抱がたりない」と。
そして妊娠。生まれた泰介は夜泣きが酷く、成長すると益々、手が付けられないほど
の癇癪を起す。
次男の轍平より手がかかる。

2020年では、泰介が50過ぎ。
部署が変わり慣れない事務仕事でミスを繰り返したり、遅刻も多く
部署内では、なんとなく浮いたかんじ。
自分より年下の者が上司で、周りもみな若く仕事が自分よりも出来る。
そんな状況でいることに辟易している。

イライラを家に帰り、母の万津子に当たる。


泰介が、若い頃の満にそっくりだなと思った。
高校生の娘の一言で、ADHDのことを知った泰介が、少しずつ変わっていくのは
嬉しかった。
こんな風に自分から受診して治療を受けようとする人は珍しいかも。
でも、最後、母親に感謝の気持ちが持てるほどになって、良かった。


重たい話だったけれど、良い話だったな。




                   ★★★★

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

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