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読んだ本の感想あれこれ。
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ebfc9a7d.jpg発行年月:2009年5月


あなたには、この時間を分かち合う相手が、確かに存在する-------。40代の恋愛、家族との穏やかな時間、日々のときめき・・・・。大人の恋のぬくもりを鮮やかに描く、充実の最新エッセイ61篇!


                         (河出書房新社HPより)


谷村さんのエッセイは、初めて読む記憶。
小説は、何作か読んでいて、好きなのですが、実生活はどんなでしょう?と興味津々で読みました。

ご結婚されていたんですね!?独身だと思っていました^^;
結婚されたのは、40直前だったそうで、ご主人は13歳(時に12歳)年下とか。
娘さんは6歳で、家族の微笑ましい様子がわかる話も幾つかありました。

61篇が
<日々>に恋して
<家族>に恋して
<食>に恋して
<北の地>に恋して
<旅>に恋して

の5つに分けて語られていました。
同い年などで、書かれている事にイチイチ納得!
「そうそう!」って思うことなどあったり・・・。
小説では、知りえなかった谷村さん、ご自身のことがいろいろ知れて、ファンには嬉しい本でした。

鮭がお好きなんですね~やはり北海道産まれですね!(^^)
そして、猫ずきで・・・=^_^=

とてもチャ-ミングな方だなぁ~と更に好きになりました♪

最後の方で、映画化もされた「海猫」のロケに監督から招待されてロケ地を訪れた話は楽しかった。
出演者の伊藤美咲さんや仲村トオルさんはすぐ見つけられたのに佐藤浩市さんだけ、すぐに何処に居るのかわからなかった話・・・想像して、笑っちゃった!

そして、映画も見たくなった!見たいなとは思っていたのに、忘れてたわ!

近いうちに見てみよう。

★★★
PR
c0db9553.jpg発行年月:2009年5月


高校を卒業後の将来の目標が何もない勇気だったが、担任が勝手に決めた林業の仕事をすることになり横浜から一人神去村へ移り住む。林業研修生として「中村林業」の先輩たちに鍛えられながら逞しく成長していく日々を描いた物語。





林業なんて、周りに携わってる人がいないので、全く知らない世界。
でも、神去村の林業に携わる人たちの大らかな考え方は素敵でした。

自然が相手の仕事。
人間が太刀打ち出来ないこともあるけど、それは仕方ないこと。
「なあなあ・・・だな」
「なあなあ」とは、神去弁で「ゆっくりいこう」とか「まあ落ち着け」・・・ほかにもいろんな意味を込める言葉。いいなぁ~この言葉。

厳しいことも沢山あるけど、自然を楽しむ行事が幾つかあったり、季節を直に感じながらの日々。
冬は雪を払う仕事、春には杉の花粉に悩まされながらの作業、夏にはヒルやダニに悩まされ、秋には山火事騒動などなど。

林業はチ-ムワ-クでする仕事なんだということも初めて知りました。
花見の準備やら、大祭の準備やらは、なんだかすごく楽しそう。

村のひとたちが、みんな元気。
朗らかで、豪快で。

勇気が居候させてもらっている家のヨキ(飯田与喜)は、破天荒だけど、林業をするために生まれて生きたような男。

元気が良くて、頑張りやで自然をとても愛している。

都会で勉強して、良い大学入って、それから・・・・なんて思ってる若者の中にもひょっとしたら、自然の中で、体を使って働くこういう職種が向いてる人っているんじゃないかな?

こんな小説から、林業を知って、興味を持つのもいいかも。

三浦さん自身も沢山、取材をしたんでしょう。
林業のことが、少し理解出来る作品でもありました。

勇気のコイバナにもちょっと光が見えたラストは、よかったな。

山が舞台の今回の青春小説、とっても面白かった!!


★★★★★
886b1957.jpeg発行年月:2009年8月


働くことを通してつながる、父と娘の物語

親から継いだ会社を倒産させ、その後再就職して働き続けた男と、そんな父の背中を見て働くことに夢を託すようになった娘。会社で、家で、時に床屋で交わされた二人のやり取りを描く長編。


                      (集英社HPより)


この著者の前に読んだのは「ある日、アヒルバス」。
それもなかなか面白かった記憶。

これは、面白いだけじゃなく結構、感動した。

お菓子会社を継いだが倒産させてしまったと負い目を感じる宍倉勲。
そんな父をもつ娘の香。

最初の「桜」から最後の「床屋さんへちょっと」まで8つの区切りで二人の関係が段々と時間を逆行しながら描かれていました。

最初の「桜」では、香は41歳。
息子の勇(6歳)を連れて実家に来ている。
勲は孫と一緒に霊園へ。
二人の会話がなかなか楽しい。
なんで、香は実家に?旦那さんは?勲の会社はナンで潰れた?なんていろいろ疑問がわくけど、あとの話で段々にわかっていく仕組み。

受け継いだ菓子工場の社長として勤めていた時代から、度々利用していた浜名理容店(現在はバ-バ-ハマナ)が、話の舞台で時々、登場。

香も父と一緒にこの床屋さんに来ていて、大人になってからそこに訪れて、懐かしむ場面はよかったな。

会社を倒産させてしまったと負い目を感じていた勲だったけど、社員には最後まで上に立つ者として立派だったし、その後、勤めた繊維会社での働く姿も真面目で誠実そのもの。
先代の父親が亡くなり、まだ20代で社長を継いだ勲には、それなりの苦労もあったみたいだったが。

そんな姿をみて育った香も会社を興し社長として頑張っている。
ちょっと危機的状況ではあるみたいだけど、きっと誠実に真面目に働き続けるんだろうな~。

家族の関係がほのぼのしていてよかった。

勲の妻・睦子がいい。
こんなお母さん、いいな。
結構、天然だけど可愛らしい。

香の息子・勇も良い子だな。
「おじいちゃんは最後まで格好よかったよ」って。ちゃんと人を見る目を持ってる!

香の夫・布田透は、ちょっと変わってる人みたいだけど、性格は悪くなさそうだから親子三人の暮らしに戻れるのかな?


ホ-ムドラマを読んでいるかんじで楽しかった。

★★★
c7ff6dfb.jpg   発行年月:2009年6月


   その向こう側は、決して覗いてはいけない-------。

   ある時を境に消えた友達、鏡の向こうに
   見えたいつかのわたし。
   怖くて、なつかしい。青春ミステルの気鋭、辻村深月、
   初の怪談!

                                    
(角川書店HPより)

ホラ-は苦手ですが、ちょっと興味があり読み始めました。
最初の「踊り場の花子」は、その学校の階段に棲んでいると伝えられている「花子さん」の話を軸に・・・。
夜、寝る前に開いたので、ちょっと後悔(;O;)。
本を途中で閉じて、昼間に続きを読みました。

怪談話好きなら全然、平気なんでしょうが・・・なんだか怖かった。

最初で軽く免疫ついたので、その後のは結構、平気でした。

最初のがホラ-っぽいとすると、他のは・・・ホラ-の要素よりミステリ-の要素が多かったかんじ。
でも、何か異常なんだけど、果たして本当のところは?と思ってる瞬間って、実はすごく怖い。

2作めの「ブランコをこぐ足」続く「おとうさん、したいがあるよ」は、ちょっと不可解な死がありその真相は?と考えて不安になる恐怖心。
よくわからないけど、なんだかとても怖い。

表題作の「ふちなしのかがみ」も書かれている場面を頭に思い浮かべると怖っ!
鏡の前に年齢の数だけろうそくを並べて、午前零時に鏡を覗く・・・・・うわ~想像するだけ鳥肌!

最後の作品「八月の天変地異」は、ちょっと雰囲気が違って、最後はちょっとホッとさせてくれて、良かった。
最後まで怖かったら、また寝られなくなる・・・笑

で・・・気づいたんだけど意外と、この表紙って怖いかも。
一見、綺麗なかんじなんだけど、本を読んだあと、この表紙見たら、いろいろ本の内容がまた蘇ってきて、怖い・・・・怖がり過ぎ?

話として一番、気に入ったのは・・・「おとうさん、したいがあるよ」・・・よくわからない真相で、ある意味一番怖いかも。

初めて読んだ作家さんだったけど、なかなか面白かった♪

他の作品も読んでみよう!

★★★★
8468c202.jpg発行年月:2009年10月


頑張っていない人なんて、誰もいない。でも、どうにもならないことはある------。

子供の頃、勇気はみんなから称えられ、努力は必ず報われた。だけど、大人になった今は?初恋の少女、好きだったマンガの登場人物、いつも笑わせてくれた酔っ払いのおじさん・・・・なつかしい人との再会は、あの頃の自分と出会うこと。こんなはずじゃなかった日々を必死に生きる人たちだけが手にする、ささやかな希望を描く感動作。


                                     
(新潮社HPより)

6つの短篇集。
最後の「ロング・ロング・アゴ-」は最初の「いいものあげる」から20年経った設定。
この二つがやはり印象的でした。

小学生時代のあるクラスの様子。
老舗の百貨店「ちどりや」を経営する父を持つ美智子ちゃん。
そこに東京から転校してきたわたしは、その百貨店のライバルとなる大型ショッピングセンタ-の建設と経営を軌道に乗せることを仕事にした父を持つ。

クラスの何人かは「ちどりや」内に店舗を構える家の子。
仲良くなったスズちゃんも和菓子屋の娘で「ちどりや」に恩義を感じている一人。

「いいものあげる」と何かとプレゼントをくれる美智子ちゃんに複雑な思いで接するわたし。
美智子ちゃんに対して卑屈なほど褒め称えるスズちゃんに対しても複雑な心境のわたし。

子どもの世界っていうのも結構、厳しいな~。

でも美智子ちゃんとの別れの場面は、ホロリ・・・・(/_;)
美智子ちゃん、すごく優しい子でした。

新しい環境で、頑張って!と思って読み終えたら、最後に後日談で知らされたことは少々、ショック。
でも、幸せじゃなかったとは言えないし・・・・

小学生時代、サッカ-好きで美智子ちゃんが好きだった瀬尾くんの20年後の姿もなかなか切ないものがあったけど、現場監督(班長)が言った言葉は良かったな。
「やり甲斐とか生き甲斐なんて、あとになってから初めてわかるっていうか、あとにならなきゃわからないんだよな」

仕事にイマひとつ一生権命になれない瀬尾君だけど、言われた言葉の意味をわかったみたいで良かった!

ラストは切ない場面だったけど、心が少し温かくもなって、重松さんらしいものでした。

他の作品もそれぞれよかった。

しみじみ沁みてくるようなお話たちでした。

★★★★
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