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読んだ本の感想あれこれ。
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4582829929.jpg   発行年月:2002年2月


   月光を売る怪人、小さな音楽をつくる才人、
   沈黙する先生、時間の管理人、コルクレスキュ-隊、
   そして、チョッキのメニュ-を差し出す料理人。
   笑いあり、涙なし、ときどきほんの少しだけしんみり。
   いま、語り明かされる、
   知られざる「わたくし」たちの物語。


                                          (本の帯文より)


あ~楽しい♪
なんてセンスの良い本なんだ!
毎回、驚かされるクラフト・エヴィング商會の本。

18の世間であまり知られていないお仕事が登場。
その仕事人の顔写真も一緒に。仕事に使われる道具や関連のものたちの写真も綺麗。

最初は架空の仕事でしょ?と思っても
もしかして、実際にあるのかな?なんて思ってしまう巧妙な細工。

出てくる仕事人の顔を知らないので途中まで半信半疑のままでしたが・・・
後半に差し掛かったあたりで、作家の小川洋子さんのお顔が出てきて、この本の趣旨がちょっとわかって一人にんまり。

小川さんは「冷水塔守」に、成りきっていた!
手に持ったコップの水が冷たそう。

でも、一番素敵なのは、最後の「シチュ-当番」かな?
本好きの人なら、一度は訪ねてみたい「冬眠図書館」。
夜の8時開館で朝の8時まで。

そこで出されるコ-ヒ-とパンとシチュ-。
森に囲まれた図書館の外のテラスで貸し出されたブランケットに包まれての読書。
あ~想像するだけでワクワクする!


最後のじつは、わたくし本当はこういうものです
も興味深く読みました。
本当の職業が写真とともに載っていて・・・

みんなで楽しみながら作った本なんだなぁ~。
こういう素敵な人間関係もいいな。



まだ未読の作品も探して読んでみよう♪

★★★★
 
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41e0zSE7ivL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年6月


目指すのはゴールじゃない。そのもっと先にある、何かを掴みたいんだ----。

他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをこぎ続ける、俺たち(ロードレーサー)以外には----『サクリファイス』『エデン』に秘められた過去と未来が今明かされる。スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか。日本・フランス・ポルトガルを走り抜ける、待望のシリーズ最新刊!


                                           (新潮社HPより)

先に読んだ「サクリファイス」、「エデン」に続くシリ-ズ3作目の本書。

サクリファイスより以前の話もあれば、エデン以降のことを描いたものもあり、前2作品の番外編的なかんじでした。
主人公も章ごとに変えて、6つの話で構成されていました。

自転車のロ-ドレ-スには無知なわたしですが、読んでいると、団体競技であり、チ-ムのなかにエ-ス(ゴ-ルを目指すもの)とアシスト(エ-スをゴ-ルさせるために自己を犠牲にしてチ-ムの勝利に尽くすもの)があり、それぞれの役には、それぞれの計算があり、なかなか奥が深い競技なんだと思いました。

チ-ム内ではエ-ス争いあり、他者とわかりあうことが苦手な選手には、誤解が生じチ-ム内がギクシャクしたり・・・・
いろいろな人間ドラマもあって面白かった。

「サクリファイス」「エデン」で登場の白石がらみの話も良かったけど、3話~5話の日本国内のチ-ム・オッジで活躍が期待される新人・石尾の話が面白かった。
他者と関わり事が嫌いな石尾の面倒を見る先輩・赤城とのやりとり、最後には良い人間関係が結ばれた時には嬉しかった!



第一線で活躍するアスリ-トゆえの苦悩などもあり、輝かしい結果を残せる選手は一握りなのに、そこに向かって日々、練習している人たちって凄いな。
なんて思った。


このシリ-ズはどこまでも続けられそうだけど、これで最後かなぁ~?


★★★★

 
 
51jGO152XrL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年6月


岬の先端に建つ喫茶店を一人で切り盛りしながら、
何かを待ち続けるおばあさん。
その喫茶店を訪れる、心に傷を抱えた人々。
彼らの人生は、喫茶店での一期一会によって、変化し始める。



                      (幻冬舎HPより)



温かい物語でした!

岬の喫茶店を営む初老の女性・悦子さんがとってもチャ-ミング。
そこを訪れる人たちは、心に傷を負って来るのだけど、悦子さんと接することで、また前を向いて頑張ろう!と気持ちが変化する。

お話は6つに分かれていて、

一番目は、奥さんを最近亡くした陶芸家の男性が小学4年の娘とドライブの途中に立ち寄る。
2番目のお話は、就職活動が上手くいかず、一人気分転換のためバイクでツ-リング中、ガス欠、そしてトイレに行きたくなり、喫茶店に助けを求めて寄った青年の話。
3番目の話は、研ぎ屋だったが謝金苦で家族も仕事も失い、夜中、喫茶店に泥棒に入った男の話。

4番目の話は、会社の重役だったが、突然の左遷宣告を受け、常連だった喫茶店を訪ねた男の話。

ここまでは、悦子さんにとっては他人とのお話。

そして・・・
5番目は、悦子さんの甥で隣に住む浩司の話。
元はミュ-ジシャンを目指し、仲間とバンド活動をしていた浩司には、再び仲間とライブをしたいという夢があり、自分でライブハウスを建てていた。

6番目は悦子さん本人の話。
明るくて、他人に希望を与えている悦子さんにも心のなかには寂しさやらいろいろな想いを抱えていたと知り切なくなった。

でも・・・・喫茶店を訪れた4話までの人たちとの交流は続いているらしく、その人たちはその後、自分の道を歩んでいるんだと知り嬉しくなった!

そして、悦子さんは一人じゃないんだなぁ~と思えたら、なんとも言えない温かい気持ちで読み終えることが出来た。

森沢さんの物語は、人の優しさが沁みるなぁ~。


★★★★★
14961a47.jpg発行年月:2011年7月


どうするかなー、今後の人生

珠子とかおりは大学の、夏美とかおりは高校の同級生。かつての仲良し、アラサー3人が各々の人生を選択していく様を、移りゆく季節を背景に色鮮やかに描く感動作。

                      (筑摩書房HPより)


30代女性3人の日常を描いている。

かおりは、4つ年下の役者志望のフリ-タ-と同棲中。
自身は大学の学生課に勤める。

珠子はイラストレ-タ-。
独身で母親と二人暮らし。すぐそばには祖母が住んでいる。

夏美は最近、雑貨屋を開いた。
夫と二人の子どもと暮らしている。

3人のそれぞれの出来事が交互に語られ、時には3人が集まる。
全く違う生活環境で、ばらばらの性格で、でも昔からの馴染みの友って大人になっても、ずっと年を取っても変わらない雰囲気なんだろうなぁ~なんて自分に置き換えて考えてみたりして・・・

大した事件も起きず、普通に過ぎる日常を描いているけど、なんとなくいいな。

どんな日常のなかにも、怒れたり、悲しかったり、ちょっと嬉しいことはあるわけで・・・
そんななかで、あれこれ悩んで決断したり


こういう小説の感想を書くのは難しいな・・・笑

でも最初から最後まで楽しく読めました♪
★★★
 
 
77584139.jpg発行年月:2011年8月


恋情、妄想、孤独、諧謔…中島京子ワールドへようこそ
女の部屋の水漏れが、下に住む男の部屋の天井を濡らした。女が詫びに訪れたのをきっかけに二人は付き合い出し、やがて男は不思議な提案をするが…。(「天井の刺青」)。直木賞作家が紡ぐ珠玉の7篇。



                       (集英社HPより)


7つの短編集。

植物園の鰐
シンガポ-ルでタクシ-を拾うのは難しい
ゴセイト
天井の刺青
ポジョとユウちゃんとなぎさドライブウエィ
コワリョ-フの鼻
東京観光


過去5~6年の間にいろいろな媒体に発表済みの作品を集めたものだそう。
わたしにはコワリョ-フの鼻以外は初めての作品でした。

ちょっと不思議なかんじで始まった「植物園の鰐」。
次の「シンガポ-ルで・・・」は結婚5周年の記念旅行にシンガポ-ルを訪れた夫婦の可笑しなお話。
「ゴセイト」は、放課後にだけ現れる男子生徒との思い出を語る話。
とSFチックだったり青春小説風だったりといろいろ。


いろいろなテイストだけど、どれにもクスッと笑えるユ-モアがあり読んでいると楽しい♪


既読だけど、「コワリョ-フの鼻」は、やはり面白い!
夫婦の会話が、漫才みたい。

表題作の「東京観光」もよかったなぁ~。
会社の研修で東京に3日間滞在した主人公が、滞在先に選んだ格安ホテルで知り合った外人のマリアナとのこと。
ちょっと変わった東京観光だけど、気持ちが通じ合う人と出会えたのが最高の思い出でしょう。


表紙の絵(挿絵)も素敵。
これがデビュ-作の木版画作家の千原博美さんだと、あとがきに紹介ありました。


次は長編がまた読みたいな。


★★★
 
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