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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年8月


 どうしていつも、うまくいかないのか? 胸を締めつける9つの愛の物語。

ニュージャージーの貧困地区で。ドミニカの海岸で。ボストンの大学町で。叶わぬ愛をめぐる物語が、傷ついた家族や壊れかけた社会の姿をも浮き彫りにする――。浮気男ユニオールと女たちが繰り広げる、おかしくも切ない9つのラブ・ストーリー。大ヒット作『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の著者による最新作。

                    (新潮社HPより)


前作『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』でオスカーのルームメイトとして
登場していたユニオールが今回の主役。
オスカーはイケてない容姿でもてなくてダメダメな男だったけど、
今回のユニオールは、モテるダメ男。
女の子とすぐ仲良くなって、付き合うけれど、他の女の子のこともまたすぐ気になり
浮気して、彼女が怒って・・・・の繰り返し人生。
ああ、こちらのダメ男の方が重症です~^^;

でも憎めないのは、反省するところ。
自分の振られるたびに傷ついてるし・・・。
他人として眺めているには面白い男だけれど、関わりたくわないかんじ。


読みながら気になるのが・・・
男女の関係が赤裸々過ぎなこと。
ちょっと途中でもう読みたくないかんじに正直なって
そういう表現を省いても何ら支障はないように思うのだけど。

ま、話は面白いので我慢して読み切りましたが・・・。
新潮クレストBOOKSはハズレがないんだけどあまり好みの作家さんじゃないな。


                            ★★

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発行年月:2013年9月


検事は何を信じ、何を間違えたのか。

東京地検のベテラン検事・最上毅と同じ刑事部に教官時代の
教え子、沖野啓一郎が配属されてきた。
ある日、大田区で老夫婦刺殺事件が起きる。
捜査に立ち会った最上は、一人の容疑者の名前に気づいた。
すでに時効となった殺人事件の重要参考人と当時目されていた
人物だった。
男が今回の事件の犯人であるならば、最上は今度こそ法の裁きを
受けさせると決意するが、沖野が捜査に疑問を持ちはじめる。

正義とはこんなにいびつで、こんなに訳のわからないものなのか。

                  (文藝春秋HPより)



う~ん。と考え込んでしまうような内容でした。
時効になった殺人事件。
かつて自分がお世話になった一家の中学生だった長女が絞殺された事件。
一家に対して、特別な思いがあるだけに犯人には強い憤りが今も消えない最上。

当時、重要参考人として捕らえながらも、確固たる証拠がなく逮捕保留になった男。
その男が、再び、殺人事件の容疑者の一人としてあがってきた。


気持ち的には、十分、理解出来るけれど、最上のやったことは、犯罪。
法のなかで正当に裁かなければならない立場なのに、この行動は異常。
正義感が強いとも思えるけれど、行き過ぎた行動には、嫌悪感のみ。

そして、後輩の沖野を苦しめてしまったことも許せない。
沖野は当初から疑問を感じながらも、優秀な先輩の考え方に最初は同調。
しかし、間違いなのでは?と気づき、辞表まで提出したのには驚いた。
沖野の行動には本当の正義感を見た気がした。
自らの考え方に誤りがあったと気づき、容疑者の松倉にも謝罪し、
弁護側に力を貸す。

しかし、事の真相に近づくと、また沖野は苦悩する。
ああ、切ない。
沖野が今後、立ち直って、優秀な弁護士として活躍する話を読みたい!!


                         ★★★★ 



発行年月:2013年8月


 異郷で言葉が伝わること――
それは生きる術を獲得すること。
尊厳を取り戻すこと。

自分が生きる道をつかみたい…。故国を遠く離れ、子供を抱えて暮らす女性たちは、たがいに支え合いながら、各々の人生を切り開いていく。第29回太宰治賞受賞作。

                    (筑摩書房HPより)


主人公は内戦から逃れ、夫と息子2人と共に、オーストラリアに移住した女性・サリマ。
アフリカから渡るときオーストラリアの場所を地図で指し示されても、そこが
隣国なのか、海の向こう側なのかもよくわからなかったサリマ。
平和な地であるオーストラリアに渡ったが、生活するには困難なことばかり。
先ずは言語の問題。
生活費を稼ぐため夫は働き始めるがそこから逃げてしまう。
仕方なくサリマが夫の仕事を受け継ぐ。
その仕事は、精肉加工工場。
慣れない匂い重労働。言語がうまく話せない。精神的にも肉体的にも辛い状況でも
子どもたちを育てていくには働かなくてはならない。
逃げ出した夫に腹が立って仕方なかった!!(怒)。
息子たちは環境に順応し、英語も覚えだし、サリマをバカにする。
そして、都会で暮らす夫が息子たちに会いたいと言い出し、都会に連れ出す。
帰って来た息子たちは父親の元で暮らすことを望む。
でも・・・・したの子はサリマの頑張りを認めて残ってくれた。
ああ、このときはホッとした~。

そして、サリマには心強い友が出来る。
日本人女性の「ハリネズミ」。夫は大学院研究室勤務。
ハリネズミ自身も大学で学んでいたが出産後は休学しサリマの通う英語教室に通う。
サリマはハリネズミを最初は、自分とは違う学歴もあり教養も身につけたこの女性から
見下されているような印象を受けるが、二人は母親という共通の立場から
親しみを感じていく。
ハリネズミには、その後、哀しい出来事が起きるけれど、再び明るい希望を取り戻す。

オーストラリアに移住したばかりには、無知だったサリマも言葉を実践で学び
息子を介して子どもの母親同士との交流も出来、生活が充実していく様が
読んでいて、うれしかった。


著者は、オーストラリア在住だそうです。
自身の経験にも基づいた物語なのかなぁ~。

読むと勇気が貰えるような素敵な物語でした!


                           ★★★★





発行年月:2013年9月


 生まれてすぐに両親に捨てられ、祖父母に育てられたミーコの特技は、毎日、「小さな宝物」を見つけること――。
孤独と不安のなかにも、一縷の希望を探し続けるミーコの半生を、祖父、同級生、教師、ボーイフレンド、そして愛する娘・幸子(チーコ)の視点で切り取った感涙のハートフル・ストーリー。

                      (光文社HPより)


何の前知識もなく、読んだので、最初の第一章
<ミーコとナベちゃん>にはビックリ!
風俗嬢・ミーコの仕事上での付き合いのナベちゃんとのこと。
ミーコには幼い娘・幸子(チーコ)が居て、アルコール依存症だった夫は
借金を残したまま蒸発。
生活費を稼ぐために風俗業で働いているミーコ。
生い立ちも複雑な様子。
両親に捨てられ、祖父母に育てられた。
祖父は優しかったけれど、祖母は躾に厳しく、時には虐待めいたお仕置きも
受けていたという。

ひぇ~~どれだけ悲惨な主人公なのぉ~!?
とちょっと読むのが辛くなっちゃった第一章でした^^;


けれど・・・実際は違ってた。
人の生活の上っ面だけみて「アノ人は可哀想・・・」なんていうのは
その人にとってとっても失礼なことなんだと、強く思った物語でした。


ミーコの子ども時代、中学生時代、その後の話と章を追って関わる人物が変わって
いくなかで、ミーコはいつも出会う人たちに安らぎとか幸福感みたいなものを
与えている。

厳しかった祖母の本当の気持ちも分かったし、いろいろな人に愛されている
素敵な女性なのですね~。

最終章では、ミーコは51歳。娘のチーコが26歳で、結婚式を控えて
母娘最後のクリスマスを過ごすという場面は、本当に温かいものでいっぱい。

指物師だった祖父の手作りの宝箱の蓋を開けると祖母の大事にしていた鏡が
ついている理由にも感動でした!!

心は絶対に傷つかない、磨かれるだけ・・・・良い言葉です!


あとがきで、表紙写真の女性との会話から本書の内容を決めたという話も
興味深かった。

素敵な素敵な物語でした!


                       ★★★★★




発行年月:2013年9月


それは人生のエアポケットのような、不思議な5日間だった----。
40歳を目前にして離婚した「私」は幼なじみで従妹のちどりと
偶然、同時期にヨーロッパに滞在し、一緒にイギリスの西端の田舎町
ペンザンス に小旅行に出かけることになった。
ちどりもまた、心に空洞を抱えていた。
幼い頃に両親が離婚した後、親代わりに育ててくれた祖父母を相次いで
亡くし、ひとりぼっちになってしまったのだ。
さびれた海辺の町で、二人は昔話にふけり、互いの人生を振り返る。
とりわけ思い出されるのは、ちどりの祖父母が経営していた
「スナックみどり」の光景だった。
常連tちがまるで家族のように寛いだ時間を過ごし、
またそれぞれの仕事に帰っていく。
そこにはささやかだけれど、しっかりろした幸福感が満ちていた。
そんな思い出を確かめ合いながら、二人は少しづつ寂しさを埋めていく。
そして3日目の夜、二人の間にある「事件」が起きる・・・・。
限りなく繊細な表現で、人が人に寄り添うとはどのような事かを
問いかける傑作小説。

                    (文藝春秋HPより)


スナックちどりが舞台じゃないのだけれど・・・
スナックちどりが元にある。
幼なじみで今も仲がいい従妹のちどりとイギリスの田舎に旅行に行き
そこで過ごす5日間のことが書かれている。
ペンザンスに興味が出て来ました。
モンサンミッシェルみたいな景色が見られるという
セントマイケルズマウントにも行ってみたくなった。

離婚した「私」と育ての親を相次いで亡くした「ちどり」の
それぞれの喪失感がたまらなく切ない。
二人でそんな気持ちを共有しながら、毎日美味しいものを食べて
観光して楽しく過ごす。

女同士の旅って、やっぱりいいな。
ま、終盤にあった、ちょっとした「事件」にはビックリだったけど・・・^^;
ばななさんの文章は、やはり好き。


                           ★★★
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