発行年月:2013年12月
構想10年! “ハイパー・ゴシック・エンターテインメント”堂々完成!

大和文化を信奉する「ミヤコ民」と物質文明に傾倒する「帝国主義者」に二分された近未来の日本。そのミヤコで美青年剣士の紫風が臨む生徒会長選挙で妨害工作が続発。それは第三の勢力「伝道者」の宣戦布告だった!
(角川書店HPより)
冒頭読んだとき、時代物?と思いましたが・・・
これは近未来だったんですね~。
日本は2つに分かれている。
主人公たちは、「ミヤコ民」。
そこで行われる生徒会選挙が大きな意味をもつ。
なぜならそこの生徒会長は、自治大臣と教育省の高官も兼ねるミヤコの権力者の
ひとりだから。
現生徒会長は、春日紫風。
春日家は、ミヤコの中では由緒ある家系。
春日蘇芳と春日萌黄は、紫風の従妹に当たる
いずれも剣の達人。
選挙の候補者は、紫風のほかに2人。
及川道博と長渕省吾。
及川道博は、派手目なスター。
蘇芳と婚約関係?
登場人物たちのキャラクターがしっかりしていて、すぐにイメージが
頭に残るかんじ。
なので、登場人物が多くても混乱せずに読み進められた。
美男美女ばかり。
そんななかでの権力争いの話?
と思ったら・・・・あらら・・・最後はビックリ!
なるほど・・・そういうことでしたかぁ~。
結末の〆はやや脱力でしたが、そこまでの話が面白かったので、こういう話も
いいか?と思った。
しかし、及川光博とか長渕省吾とか、完全に遊んでるぅ~。
こういう遊び心は嫌いじゃないのでOKです^m^
これ、漫画とかアニメ化したら面白そうだな。
★★★★
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発行年月:2013年12月
少年のまっすぐな憤怒が眩しい<プリン三部作>と
繊細にして骨のある30代女子のゆれる日々を描いた中編二篇所収
(文藝春秋HPより)
少年三部作は
<少年とプリン>
6年3組の給食は何故か時々不足する。
今日はプリンが1個足りず、担任の女教師がブチ切れ犯人扱いされた
少年は怒り言い返す
<老人とアイロン>
進路調査のアンケートに「アイロン師になりたい」と書いた中学2年の少年。
それを同居の男からダメだしされて口論。
<ア・ラ・モード>
プリン・ア・ラ・モードが食べたくて注文したのに「ア・ラ・モードならあります」と
言われ心のなかに怒りを感じながらも、承諾する少年。
この3部作の少年は同一人物だろうか?
プリン好きなことで考えると、同一人物かなぁ~?
なんともユーモラスな話で、クスッと笑えた。
ほか2編は、東日本大震災を経験した者たちの話。
<あの日以来>
親戚夫婦が海外移住をしたので、その一軒家に旧友とその知り合いと女3人で
共同生活を始める私。
そして震災が起き・・・
旧友の知り合いは離婚前の夫の元に戻るが、再び帰って来て、私は東北にボランティアに
行った恋人(勤め先のカフェのオーナー兼店長)から「こちらで落ち着こうと思う。いっしょに
やらないか?」と言われ迷う。
<漁師の愛人>
震災後、サラリーマンから漁師になると故郷に戻った恋人と一緒についてきた私。
恋人にはまだ離婚していない妻子がいるが、別居していて夫婦の関係は壊れている。
わたしは「二号丸」と陰で呼ばれている。
2つの話の主人公は女性。
今の生活をこのまま続けていくべきか?多少悩みつつも、周りの人たちとの
関わりを通じて自分の進む道を決心したような話で、読後感が良かった。
どの話も面白く読めた。
★★★
発行年月:2014年1月
ふたつの才能が挑んだ
シナリオなしの真剣勝負。
全5幕。
「ないものを探してください」。
小川洋子の描く人物たちの依頼に、クラフト・エヴィング商會が応える。
ふたつの才能が真剣勝負で挑む、新しい小説のかたち
(筑摩書房HPより)
小川さんとクラフト・エヴィング商會が、コラボするとこんなに素敵な
芸術作品のような1冊ができるんですね~とただただ感動!
5つの探し物をクラフト・エヴィング商會に依頼する・・・注文書
そして、目当ての品を見つけて届けてくれる・・・納品書
それを受け取っての感想など・・・受領書
探し物は、皆、それに関係する小説がある。
<case1 人体欠視症治療薬 『たんぽぽ』川端康成>
<case2 バナナフィッシュの耳石 『バナナフィッシュにうってつけの日』J.Dサリンジャー>
<csse3 貧乏な叔母さん 『貧乏な叔母さんの話』村上春樹>
<case4 肺に咲く睡蓮 『うたかたの日々』ボリス・ヴィアン>
<csase5 冥途の落丁 『冥途』内田百聞>
どれも素敵でした。
小川さんの文章、クラフト・エヴィング商會の文章・・・・相乗効果でちょっと不思議で
ユーモアもある独特の世界観。
9年の年月を要して作られたと知り、納得です!!
一番好きだったのは、三番目の貧乏な叔母さん。
4歳の時から19年間いっしょに暮してきた郵便配達人だった祖父を亡くし、
悲しみにくれる日々のなか、突然、現れたおばさん。
「あなたは誰ですか?」の問いに、おばさんは「村上春樹氏の『貧乏な叔母さんの話』を読めば
わたしのことが書いてある」という。
そして突然、姿を消す。
郵便配達人という仕事だからこそ、過去と未来と現在を繋ぐ不思議なことも
納得できるオチ。
なんだかファンタジックなかんじで良かった!
最後の小川さんとクラフト・エヴイング商會のお二人との座談会のような
章も面白かった。
またいっしょに何か作って欲しいなぁ~。
★★★★★
発行年月:2003年12月
パリッと月がくだけた夜、空から記憶が降りてくる――響きあう七つの短篇。

いくつもの物語の向こうにいくつもの記憶が蘇る。月面に眠る猫、クロークルームに残った「運命」のコート、八十日で世界を一周した雑貨屋、常夜灯に恋をした天使、6月の観覧車、B面の小さなかすりキズ、真っ白なレコード・ジャケット……クラフト・エヴィング商會の物語作家が紡ぐ、月と旅と追憶の物語。
(新潮社HPより)
7つの短編から成るけれど、読み進めていくと・・・ああ、前の話の・・・のことだ。
と気づくのが楽しい。
表題作は一
番最初<針がとぶ>は、レコードの針がとぶ様。
詩人だった伯母が亡くなり、その遺品を片づけるために伯母の家に通う
ユイ。
結局、捨てるのは惜しいものが多くて、ダンボール12箱を自分の家に
送って両親からは呆れられる。
そんな遺品のひとつがレコード。
ビートルズのホワイトアルバムかぁ~。
あまり熱心に聴いてなかったから、その辺のことは理解できずに残念でした。
次の話<金曜日の本>は、ホテルのクローク係の男の話。
金曜の愉しみは仕事の前に本屋に立ち寄ること。
ホテルのクロークに残された1枚のコート。
それが後に別の話で登場。
最初の話で出てきた亡くなった伯母が語る<少しだけ海の見えるところ>が
良かった。
日記の部分がなんともいい。
こんな風に日記、書き続けれられたらいいな~。
真似してみようか?
ユイのその後のことも読みながら、あれこれ想像しながら
ショートスリーブ島の景色までも頭に浮かんで来たりして・・・・
読み手の想像力を掻き立てる美しい物語でした♪
★★★★★
発行年月:2013年12月
「いくつになっても心配だけど、遠くから見守るしかないよね」
母親業に終わりはない。だけど、“子供のために生きる私”のままでいいの? 注目作家が、親離れ・子離れを等身大で描く書下ろし長編小説 教育費を捻出するため夫の両親と同居するお受験ママの「淳子(Junko)」 娘には一生続けられる仕事に就(つ)いてと願う専業主婦の「明美(Akemi)」 親の猛反対を押し切り結婚したことを後悔するお嬢様育ちの「紫(Yukari)」 就職、結婚、出産、子育て、嫁姑、実家との確執、職場復帰…… 故郷を離れた18歳から40年、3人は悩みを語り合ってきた。 時には口に出せない痛みを抱えながら─── |
(祥伝社HPより)
大学で同級生だった3人の女性が結婚し、子育てをして、子どもたちがそれぞれ
独立するまでを描いた物語。
彼女たちと、ほぼ同年代と思われるので、学生時代の話。
就職時の話には、「ああ、そういう時代だったなぁ~」と懐かしい思いでした。
こういう時代のことを詳しく書けるんだから・・・と著者プロフィールを見ると
1958年生まれで、わたしよりちょっとお姉さんでした(^^)
子育ては、その子その子で違うし、良い人生を歩んでほしいと考えるから
進路選択の場では、つい親の考えも押し付けがち。
でも、最後は、自分で歩む人生だから、自分で納得した選択をしてくれたら
親はそれを応援するだけの方が、楽かもなぁ~。
なんて、この中の3人の物語を読んで思いました。
子育て卒業まで、まだちょっと、わたしは頑張らないといけないな。
★★★
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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