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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2003年12月


 パリッと月がくだけた夜、空から記憶が降りてくる――響きあう七つの短篇。

いくつもの物語の向こうにいくつもの記憶が蘇る。月面に眠る猫、クロークルームに残った「運命」のコート、八十日で世界を一周した雑貨屋、常夜灯に恋をした天使、6月の観覧車、B面の小さなかすりキズ、真っ白なレコード・ジャケット……クラフト・エヴィング商會の物語作家が紡ぐ、月と旅と追憶の物語。

                       (新潮社HPより)


7つの短編から成るけれど、読み進めていくと・・・ああ、前の話の・・・のことだ。
と気づくのが楽しい。

表題作は一
番最初<針がとぶ>は、レコードの針がとぶ様。
詩人だった伯母が亡くなり、その遺品を片づけるために伯母の家に通う
ユイ。
結局、捨てるのは惜しいものが多くて、ダンボール12箱を自分の家に
送って両親からは呆れられる。
そんな遺品のひとつがレコード。
ビートルズのホワイトアルバムかぁ~。
あまり熱心に聴いてなかったから、その辺のことは理解できずに残念でした。


次の話<金曜日の本>は、ホテルのクローク係の男の話。
金曜の愉しみは仕事の前に本屋に立ち寄ること。
ホテルのクロークに残された1枚のコート。

それが後に別の話で登場。
最初の話で出てきた亡くなった伯母が語る<少しだけ海の見えるところ>が
良かった。
日記の部分がなんともいい。
こんな風に日記、書き続けれられたらいいな~。
真似してみようか?


ユイのその後のことも読みながら、あれこれ想像しながら
ショートスリーブ島の景色までも頭に浮かんで来たりして・・・・

読み手の想像力を掻き立てる美しい物語でした♪


                         ★★★★★
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