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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年4月


 武道館を目指すアイドルたちの現実と未来 武道館ライブの実現を目指し活動する アイドルグループ「NEXT YOU」。成長する彼女たちをシビアかつ熱を持った視線で描く。

                   (文藝春秋HPより)




武道館でコンサートをする!

それが目標のアイドルグループの少女たちの物語。

主人公は、日高愛子17歳。
幼なじみで同じマンションに暮らす大地とは、アイドルになっても変わらぬ
付き合い。
高校で剣道部に所属し、県大会優勝、インターハイ出場も果たす大地の試合が
武道館であると知り、グループのなかで気の合う碧を誘い応援に駆け付ける。

アイドルグループは6人から5人に。
脱退した子は別の道へ。

人気が出ると注目度も上がり、雑誌で私生活が取り上げられたり
それがネット上で批判のタネになったり・・・
アイドルって大変だ。

犯罪を犯しているわけでもない。同年代の子たちが普通にしていることなのに
アイドルがするのは許されないという風潮は、異常だな。。。

愛子と大地のことも、雑誌で尾ひれがついた形で記事になって・・・
その後、愛子はどうした?と思ったら・・・


終盤、そんなことから12年後、武道館コンサートを警備するバイトの
若者たちの会話から、愛子はその後、引退して今は結婚しているとか。
まあ、幸せになったのなら良かったけど、
その辺の愛子の決断の過程がちょっと知りたかったなぁ~。


でも、アイドルとか芸能界のことよく調べたな~。

若い人が読んだら、もっと楽しめたかもしれないけれど
ちょっと退屈だったな^^;

                        ★★
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発行年月:2005年1月


 
薬も、癒しも効かない、あなたに贈る処方箋。
みのり31歳、独身。元カレが結婚すると知ったその日から、原因不明の体調不良になった。行き着いた先は漢方診療所。悪戦苦闘する女性をそこはかとないユーモアで描く、あなたのための処方箋。第28回すばる文学賞受賞作。      

                    (集英社HPより)




表題の通り、漢方のお話満載。

主人公・みのりが医療機関を転々としながら、自分の症状をどれも「異常なし」と
片づけられてしまうことに絶望感を抱き、最後に随分、前に受診した漢方医の
ことを思い出し、その漢方診療所を訪ねることで症状が少しずつ
好転していくお話。

昔、受診したときの老医師は居なかったけれど、若い医師の診察を一度受け
信頼しようと思えたのは幸運だったなぁ~。

医者を信頼出来ないと、治療効果もうまく出ないってことはありそう。

みのりは、物書きの仕事をしているから、これって著者の実体験?
と思ってしまったけれど、実際どうなんだろ?
凄く詳しく漢方の話、東洋医学の物の考え方とか書かれていて
勉強にもなりました。


話のテンポも語り口調もよくて、読みやすい。
他の作品もまた読んでみたい。


                       ★★★★★



発行年月:2015年5月


 NHK総合でドラマ化!
涙と笑い満載の自伝的青春小説

高度経済成長期の東京。ヴァイオリニストになるという大志を抱き、長崎から上京した中学生の佐田少年。愛すべき悪友や恩師、ヘンテコな隣人との毎日のなか、直面する人生の挫折。夢を諦めた少年が選ぶ道とは――? “佐田雅志”が「グレープ」の“さだまさし”になるまでの、七転八倒のきらめく日々を描いた意欲作!

                  (NHK出版HPより)



先にドラマの方を見たので、同じ話ばかりかなぁ~とあまり小説は
期待していなかったのですが・・・・・・
予想以上にドラマより面白かった!!
(ドラマも凄く良かったけれど・・・)


おもしろエピソードも初めて知る話が多々あり、ホントかなぁ~?と
思ってしまうほど。

それでも幼い頃からずっとプロのヴァイオリニストになるのを目標に
やってきたのに、高校卒業近くで自分の進路について悩み、ヴァイオリニスト
になるという夢を諦める過程の苦悩は、やはり辛かったんだな~と
改めて感じた。


学生運動がさかんな時代で、東京に住んでいたら、やはり身近なところで
危ない目に遭うようなこともあったんだなぁ~。
あさま山荘事件とか、三島由紀夫の自決とか、時代背景も感じさせる
出来事も出てきて興味深かった。


そして、『まぼろしの邪馬台国』の著者、宮崎康平を親戚のおじさんのように
思える人脈を持っているというのも凄いなぁ~。
ドラマでも出て来たけれど、作家の宮崎康平さんだったとは・・・
本を読んで初めて気づき驚いた!


でも、さだまさしさんって、凄い人だな。

学生時代の友人関係から教師たち、バイト先の大人たちなどなど
出会う人たち、みんな凄く良い人たちで、きっと彼がそういう人たちを
惹きつける魅力を持っているってことだろうな。


                          ★★★★★



発行年月:2015年8月


 どうしたら、もっとふつうに彼を愛せるの? 誰かわたしを止めて、お願い――。

美容師として念願の自分の店をもち、専業主夫の夫に支えられ、しあわせな結婚生活を送っていたはずなのに。気づくと愛する夫を傷つけている舞。ある晩、夫を殴打し部屋を飛び出した舞は、帰らぬ彼をひとり待ち続けている希子と出会う。白いマンションのなかで渦巻く孤独、次第にもつれる男女の愛と渇き。息をもつかせぬ渾身長篇。

                   (新潮社HPより)




舞と希子二人の女性の物語。

舞は、元美容師の三隅孝(ミスミ)と暮らしている。
ミスミは体調を崩し家で家事をこなし、舞は自身が経営する美容室で忙しく働く。
舞は、時々、ミスミに対して激しい暴力をふるってしまう。
ミスミは全く抵抗せず、耐えている。


希子は、旅行会社勤務の独身。
恋人の遠藤道郎が来るのを待つ日々。
道郎は、テレビの番組制作会社勤務で、出張が多く数週間帰らない日もある。



実は、ミスミと希子は5年前からの知り合いで、希子が住むマンションが快適だと
教えたことで、同じマンションに引っ越してきた。
そして、希子は舞の美容室の客となり、二人は自然と親しくなる。

舞も希子もそれぞれのパートナーとの関係に悩んでいる。
お互いのそんな気持ちを付き合いのなかで知り、良き理解者となる。
同じような悩みを共有したことで、自分たちの置かれた環境を
変えてみる必要性に気づいたのかな?

繭というタイトルの意味が、読み終えたら理解出来た。

二人とも新たな幸せを掴めるといいなと思う。

なかなか衝撃的な描写もあり、こういう男女もいるものか?と
理解し難い部分もあったけど、結構、面白く読んだ。


                        ★★★★



発行年月:2002年1月


第126回芥川賞受賞作!


家族の求心力が失われている時代に、勇気を与えてくれる

重要な作品である---村上龍


拾い上げるとそれは写真だった。母と一緒に知らない男が写っている。
母は前を向いたまま左手を伸ばし、慎の手から写真を取り上げた。
そしてアクセルを深く踏み込んだ。追い越し車線に移り前方の軽自動車を
抜き去ると「私、結婚するかもしれないから」といった。
驚いた慎はなぜか母の顔ではなく、背後の追い抜かれた車をみてしまった。
やや遅れて慎のした返事は「すごいね」だったが、いってみて
変な感じがした。(本文より )


              ( 本の帯文より/文藝春秋発行)




表題先の前に同時収録の「サイドカーに犬」があり、こちらは映画化されたのを

既にみているので、映像が頭に浮かんできました。

両親が喧嘩して、母親が出て行ってしまった。
小学4年の薫と弟は、やがて、父の知り合いの女性・ヨーコと出会い
夏のひと時を一緒に過ごす。
薫も弟も、成り行き任せなかんじがいい。
ヨーコと薫の関わり方もいい。

最後はあっ気なく別れが来るけど、それも仕方ないことと淡々と受け入れる薫。
寂しさはあるんだろうけど、ヨーコという女性に出会った思い出は
この先、何か影響するだろうな~。


表題作の方は、母子家庭の小学5年生の慎が主人公。
子ども目線なので読みやすく、芥川賞受賞作っぽさがない。

こちらの少年の方が結構、シンドイ状況かなぁ~。
兄弟いないし、いつも家で一人留守番。
祖母も事故で亡くしちゃうし・・・
イジメにまであうようになって・・・・

でも、なんだか優しいし物事も考えすぎないのも強く生きて行くには
必要なことかもなぁ~なんて思った。


表紙の絵、何処かでみたな~と思ったら、佐野洋子さんの絵でした!
内容とちょっと雰囲気違うけど、インパクトあって面白い絵だな。


                       ★★★
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