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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2005年6月


北は瀬戸内海に面し、南は山々に囲まれた讃岐国・丸海藩。江戸から金比羅代参に連れ出された九歳のほうは、この地に捨て子同然置き去りにされた。幸いにも、藩医を勤める井上家に引き取られるが、今度はほうの面倒を見てくれた井上家の琴江が毒殺されてしまう。折しも、流罪となった幕府要人・加賀殿が丸海藩へ入領しようとしていた。やがて領内では、不審な毒死や謎めいた凶事が相次いだ

                 (発行/新人物往来社)



宮部さんの本は殆ど読んでいるのだけど、これは知らなかった。
上下巻だけど、読みやすいし先が気になり、どんどん読める。


幼い女の子・ほうの生い立ちがなんとも過酷だけど、丸海藩の元に来てからは
親身になってくれる人たちに出会えてよかった。
しかし、良い奉公先だった藩医を勤める井上家で、可愛がってくれていた
お嬢様の琴江がいきなり不審な死を遂げてしまい、ほうはまた新たな場所で
暮らすことに。
新たな場所でも女ながら引手見習いとして働く宇佐に出会い、一緒に暮らす。
本当の姉妹のようで微笑ましかったのに、その暮らしもまた終わってしまう。

丸海藩に罪人となった加賀守利が来て、度々起きる不審なことも不思議なくらい
なかったことに・・・
独自に真相を突き止めようとする宇佐だけど、宇佐自身も引手の仕事から
遠ざけられてしまう事態に・・・・


ほうは、この先、無事に過ごせるのか?

諸々起きる不審なことの真相も下巻で明かされていくのかな?
続けて下巻を読もう。



                      ★★★
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発行年月:2025年2月


多様な都市国家の思惑が交差する海峡地域。その盟主、一ノ谷には「高い塔の魔法使い」と呼ばれる老人タイキがいた。歳のころ六、七である孫娘マツリカは、早くに両親をなくし祖父のもとに身を寄せている。
ある日、タイキを中心に密談が開かれた。海を隔てた潜在的敵国・ニザマとの海戦に備えてのものだった。一方、マツリカは好物の海老饅頭の味が落ちたことを疑問に思い、その理由を解き明かそうとする。
国家の大計と幼女の我が儘が並行し、交錯していく……。

                    (講談社HPより)



続編が出たんだ~。

と思って読んだけれど、今まで読んだ話を過去に遡っての話だった。
マツリカは7歳くらい?
それでも十分な貫禄だったけど・・・。

マツリカのそばにいるハルカゼという住み込みの司書の女性が
マツリカの手話を理解し心も理解している様子に安心。
マツリカの考えを周りの者に理解して貰うのためには重要な存在。


マツリカの祖父・タイキは政治の中心人物。
海に囲まれた一の国をどう守るか?常に考え周りを動かす。


そんななか、小間使いが買って来た海老饅頭の味が落ちたことに疑問を感じた
マツリカは、そのわけを追求しようと動く。

海老饅頭の味が落ちたことから、そこに起きている事象を考えるなんて
7歳の子には、なかなか出来ない。
マツリカ凄いな。

マツリカの言葉を解せないイソキの存在もよかった。
心は通じているっていい。
「婆あ」と呼んで信頼しているんだな。


そしてマツリカは祖父・タイキのことも大好きなんだな。
往復書簡の自作自演は、可愛らしいし、ちょっと切なかったけど。



マツリカの周りの環境がどんなものなのかがよくわかった。
地名とか言い回しがちょっと難しい言葉で読むのに少し時間はかかったけれど
物語は面白かった。



                     ★★★



発行年月:2020年2月


東京から深澤が転校してきて、何もかもおかしくなった。
壮多は怪我で「鹿踊り部」のメンバーを外され、幼馴染みの七夏は突然姿を消した。
そんな中、壮多は深澤と先輩の三人で宮沢賢治ゆかりの地を巡る自転車旅に出る。
花巻から早池峰山、種山高原と走り抜け、三陸を回り岩手山、八幡平へ。
僕たちの「答え」はその道の先に見つかるだろうか。
「青」のきらめきを一瞬の夏に描く傑作。

                  (新潮文庫HPより)



花巻農芸高校(架空らしい)地学部の部員たちの話。

先ずは部を立ち上げるところからのスタート。

発起人は、3年生・土木造園科の三井寺修平
東京から転校してきた2年生の深澤北斗
美術部と掛け持ちの2年生・佐倉七夏(なのか)
鹿踊り部を怪我で休部中の2年生・江口壮多
宮沢賢治を研究している1年生の川端文香

顧問は新任で国語教師の芳本。


夏休みに宮沢賢治の
イーハトーブはどこか?をテーマにゆかりの地を巡る調査へ。
参加は諸事情あり、三井寺、深澤、壮多の3名。

結構な距離で時間(2週間?)もかけての調査旅。
出会う大人たちに助けられながら、途中、結構、危ないことにもなりながら・・

深澤が転校してきた理由。
深澤が壮多に語る話は、びっくりする内容だった。
最初は深澤に嫌悪感すら感じていた壮多だったけれど、話を聞いて
旅を一緒にするうちに思いは大きく変わっていって
きっと、この二人は大人になっても友達としてお互いを大切に
思い合うんだろうな・・・・と。

そして七夏と深澤の関係も、気になったけれど(東京から来たのに七夏のことを
知っている様子だった)、そういうことだったのかと納得のわけがあった。


宮沢賢治の作品についてのことなども多く出てきた
「へ~」と思うことが多く、毎度ながら伊与原さんの書くものには
勉強になることが多い。


宮沢賢治の作品もまた読んでみたくなった。


この青ノ果テというタイトルもすごくいい。

今回も素敵なお話でした♪




                     ★★★★★




発行年月:2024年12月


「いじめ」問題に正面から切り込む、著者渾身の意欲作!
佐久間美保は小学生の息子・晴翔と夫の三人暮らし。ある日、晴翔が小学校のベランダから転落して骨折してしまう事件が発生する。
転落した理由を尋ねるも、晴翔はかたくなに口を閉ざしたまま。
もしかして、わが子はいじめを受けていたのではないか……? そう思った美保は独自に真相を探ろうとするが、自身も小学生時代にあるいじめを「目撃」しており……?
衝撃のラストに震撼する、「いじめ」問題に切り込む意欲作!


                    (角川書店HPより)




小学校5年生の息子が小学校のベランダから転落なんて連絡を貰ったら動揺する

のはわかる。
手術はしたが踵の骨折で入院後、リハビリをすれば日常生活に支障はないくらいに
回復すると言われホッとする。
が・・・誰のせい?
と最初から自分の息子・晴翔

事の真相が段々わかってくると、子どもたち一人一人は、その親にとっては
普通ないい子。
けれど学校という集団生活のなかで、ちょっとしたことが引き金になり
人を恨んだりすることは誰にでもあり得るだろうな。
クラスのなかでリーダー的に皆を誘導していくような存在の子が
ちょっと極端な正義感みたいなものを持っていたため、晴翔は精神的に
追い詰められていったのかな?

晴翔自身にもよくないことは、あったと思う。
学校であった出来事を逐一、報告する子はいないと思うし
外で我が子がどんなふうに人と接しているのかは、なかなかわからない。


そして、母親の美保自身にも小学校時代、クラスのリーダー的存在の
アケミに翻弄された過去があり、今でも苦い思い出。
美保自身も虐められた過去があり、二度とそうならないために
自分が標的にならないために行動し、結果的に虐めに加担したことに
なってしまった。


大人になって反省して謝りたいと思ったとしても、被害者側の傷は
深く、素直に赦せるものではないんだな。


子育て真っ最中の人が読むには、なかなかハードな内容だけど
そういう人こそ、読むべきなのか?


こういうの読むと学校の先生は、やはり凄く大変な仕事だと感じる。




                   ★★★





発行年月:2025年2月


生きているものは、みんなさみしいのです。
マッドガイド・ウォーターの冬。そこで暮らす小さないきものヤービたちは、春まで長い眠りにつきます。それは、彼らのご先祖と、「氷獣」とが交わした契約のためと言い伝えられています。ところがヤービは、友だちのナミハナアブの幼虫のことが気になり、眠れません。同じころ寄宿学校では、幽霊騒動が持ち上がり……。ヤービたちと人間それぞれに伝わる「ふしぎ」が、彼らを冒険へと誘います。「岸辺のヤービ」シリーズ、第三弾。

                   (福音館書店HPより)




第三弾は冬の季節。

ベック族のトリカ家族は冬の間は暖かい南の場所へ移動して暮らすため
暫くお別れ。モリバトの背中に乗って行ってしまう。
おわかれの合図に空からオオヒカリゴケを地上する
ヒカリゴケの光を地上でみるヤービたち。
そしてヤービの家族も冬眠へ。

でも1日だけ起きて<お日さまばんざいパーティー>をする
お日さまの光が一番小さくなる日、消えてなくならないようにお日さまを
力づけるためのパーティー。


ヤービたちが暮らす森の近くには寄宿学校と寮があり、その寮のなかも
生徒たちは親元などに帰り静か。
そんななか冬の嵐のような吹雪。
寮に残っている教師のウタドリさんは唯一、ヤービたちを知っている人間。
カンヌキさんは庭師。
ニレノキさんはクリーニングレディ。寮のあれこれを世話してくれる。
タンタンさんは料理人、奥さんのミンミさんと内戦の続く国からそこで
仕事をしていたニレノキさんと一緒に寮にやってきた。



ヤービたちの話と寮内の人間たちのお話が交錯しながら
人間の世界には戦争があって、それによって理不尽な環境に置かれた
人がいるということもお話のなかに出て来る。

ヤービとセジロが出会った幽霊のマシューさんに最後はお迎えが来て
よかった。


今度は春の物語かな?
トリカ家族が戻ってきて、また楽しい話が読めるかな?


挿絵の絵もかわいい。


過去のお話もまた読み返したくなる。



                       ★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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