生き延びた者は、膨大な数の死者を前に立ち止まることすら許されなかった。

2011年3月11日。4万人が住む三陸の港町釜石を襲った津波は、死者・行方不明者1100人もの犠牲を出した。各施設を瞬く間に埋め尽くす圧倒的な数の遺体――。次々と直面する顔見知りの「体」に立ちすくみつつも、人々はどう弔いを為したのか? 遺体安置所をめぐる極限状態を追った、壮絶なるルポルタージュ。
(新潮社HPより)
図書館で借りましたが・・・本を開くのに勇気が要りました。
そして、いきなり死体安置所の描写。
わたし自身、医療現場で働いている身なので、亡くなった方には沢山、向き合っているのですが、
ここにある遺体は、壮絶な恐怖を体験した後に亡くなった方であり、思いも寄らぬ災害で亡くなった方なので、どれだけ無念であったでしょう。
それを考えるだけで堪らない・・・泣けて仕方ない。
しかし、そんな場所で、泣いて感傷に浸っている間もなくしなくてはならないこと。
遺体の死亡診断書を書くため医師が一人ずつ検視。
歯科医師も歯の治療跡を検視するため口のなかを調べる。
遺体は死後硬直により亡くなったままの形で固まっているため、関節を出来る限り伸ばさなければならない。
これに当たったのは市役所の職員。
遺体の扱いに困惑している状況を見かねて元葬儀社勤務だった民生委員の千葉さんが、その扱いを指導することを申し出て、遺体を一体ずつ丁寧に扱っていく。
これは大変な仕事だと思います。
肉体的には勿論ですが、精神的にかなり参る仕事。
そんな状況でもそれぞれの名前がわかれば名前で遺体に呼びかけ、遺族が対面できれば、そっと見守り、時には声を掛ける。
命を落とした責任は自分にあると思って悲しむ生き残った人たちに、自分を責めることはないと。
千葉さんの言葉で救われた人は沢山いたでしょう。
ニュ-スの報道では知りえないことを沢山、知ることが出来ました。
もう震災後1年半が過ぎてしまいましたが、未だ多くの問題が山積みの被災地。
自分に出来ることはナンだろう?
募金箱を見つけたら少額でも募金するとか、主婦としては、被災地産のものを見つけたら購入するとかをずっと続けていきたい。
ちなみに今夜食べたカキフライのカキは偶然にも三陸沖産で宮城県石巻市からのものでした。
ここに書かれているほかの場所でも同じように報道はされないけれど、懸命に震災当時、頑張っていた方達が大勢いらっしゃるんでしょうね。
読むにはかなり辛い文章ですが、やはり読んで良かった!
多くの人に読んで欲しいと思える本です!!
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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