謎めいた女の手引きで降霊の儀式に導かれた初老の男。
死者と生者が語り合う禁忌に魅入られた男が
魂の遍歴の末に見たものは……。
至高の恋愛小説であり、一級の戦争文学であり、
極めつきの現代怪異譚-----。まさに浅田文学の真骨頂!
(朝日新聞出版HPより)
表題の通り、ある男が謎の女性に連れられて、行った先で、過去の知り合いで会いたいと思う人に会わせてくれると外国人女性・ミセス・ジョ-ンズに言われ戸惑う男。
過去の知り合いは、ジョ-ンズ夫人の姪・メアリ-が霊言として語りかけてくる。
そして、男の過去の話へ・・・
話は2つ。
最初の話は男が9歳の頃の話。
転校生の山野井清との出来事。
清は、父親が銀行員でその勤めの関係で転校してきたと先生は説明したが・・・・・
清の父親も男の父親も共に戦地で辛い思いを体験していた。
戦争が終わったが、清の父親は、ソ連兵の下で武装解除したので、そのままシベリアに抑留され3年の歳月を強制労働に費やした。
一方、男の父親は、アメリカに対して降伏したため、日本に帰国し家業の商売を継ぎ、現在も手広く繁盛させている。
同じように国の為に働いたのに、清の父は帰国後も共産主義に洗脳されているとして元の銀行員としての職はおろかまともな仕事には就けなかった。
男と清は友達として付き合っていたが、段々と清に対して嫌悪感を抱きはじめ
起きてしまう哀しい事故。
清が不憫で仕方ない。すごく優しくて良い子。
けれど、男が清に対してしたことは、さほど罪深いことだろうか?
9歳というまだ幼い子どもには、それを罪とするのは酷だろう。
清のことを気にかけていたおまわりさんも罪の意識を感じていたけれど、清には気にかけて貰っていた事が分かっていたようでちょっと救われた。
最初の話の方が印象が深かったので、その後再び、ミセス・ジョ-ンズを訪ねて今度は19歳のときの知り合いたちとの降霊会の話はイマイチだったな。
男のことがずっと好きだったのに、男はそれに気づかず(気づかないふりをしていたのか?)で、自ら離れていたった真澄と恋人だった百合子。
それから真澄のことが好きだった梶。
真澄の行動はよくわからず、哀しい最期を迎えた理由もちょっと???
9歳のときの話だけでよかったかも。
本の帯に 罪がない、とおっしゃるのですか----------
というインパクトある言葉がありましたが、これで罪があると言われたら、世の中の人、大抵が罪人だと思うんだけどな~。
自分では気づかないうちに誰かを傷つけている可能性は確かにあるとは思うけど。
★★★
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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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