家族であることとはいったい何なのか
父や伯父の持っていた教養、亡き妻との日々、全ては豊かな家族の思い出。
「お兄ちゃんのとこも子供いないでしょ。私も全然そんな気ないけど、このままだったら誰もいなくなっちゃうんだねえ」
「そうだな」
「じゃあ、ほんとに私がこの家の、最後の一人なんだ」
省三の脳裏に「末裔」という言葉がよぎった。-----<本文より>
妻を亡くし、子供たちは家を出た。省三は、自らの系譜に思いを巡らせる
(講談社HPより)
58歳の富井省三は公務員。
ある日、家に帰ると・・・鍵穴がない!
そして、仕方なく家を後にする。
そんなバカな!?という出だしで始まる物語。
一人暮らしなのに家から追い出されたかたちの省三は、行くあてもなく途方に暮れる。
そんな省三の前に現れた不思議な自称占い師の梶木川乙戸治。
泊まる場所を提供してくれて、省三の今後のことについて忠告をしてくれたりする。
そして、ここには長く居座らないほうが良いと、またまた追い出されるかたちになって・・・
次に向かったのは、かつてよく訪ねた今は亡き伯父の家。
誰も住んでいる様子はなく、たやすく侵入出来た、その家で暫く生活をする省三。
夢なのか、現実なのか、不思議なことが度々、起きる。
自分が生まれて、ここに存在しているル-ツのようなものを考えたり、自分が生まれる前の先祖のことを考えたり・・・・
自分から遡り考えると、両親が居て、そのまた両親が居て・・・・・・とすごい数の先祖がいることに気づく省三に、読みながら、なるほど!!と思ってしまった。
そんなことあまり考えたことなかったけど・・・・。
自分がその系統の末裔になってしまうかもと考えたら、なんだか複雑な気持ちだろうな~。
省三には息子が居るから、自身が末裔とはならないだろうけど・・・・。
ラストは、入れなかった家にもなんとか入れそうかな?
省三にもまだまだ明るい未来はありそうだ!と思えるかんじで良かった。
主人公は58歳のおじさんなのに、女性の絲山さん、すごく見事におじさんの憂いを表現してる!
ちなみに絲山さんって何歳?と思ったら、1966年生まれだった!
それにしてもいつも面白い物語を書く作家さんだ!
次回作も楽しみです♪♪
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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