わたしはひどいことをしました。神さまはわたしたちをおゆるしになるでしょうか----。

コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは----なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす……。
(新潮文庫HPより)
今日は、梨木さんずくし・・・笑
薄い本なので、アッと言う間に読み終えました。
寝たきりの殆ど喋らないおばあちゃん・さわこと孫のコウコの物語。
コウコは何歳だろ?進学校に通うとあるから高校生かな?
熱帯魚が欲しくて、やっと飼う事を許され、水槽に浄水のためのモ-タ-を取り付け、ネオンテトラとエンゼルフィッシュを飼い始める。
熱帯魚を飼う事に伴って、夜中のトイレ介助を申し出たコウコが、おばあちゃんの異変に気づく。
モ-タ-音がおばあちゃんを覚醒した?
おばあちゃんは昔、さわちゃんと呼ばれていた。
ミッション系の学校に通い・・・・ちょっと憧れていた同級生・コウちゃんと友達になりたいと思っていた。
でも、ある事がキッカケで相反する態度で接するようになってしまう。
それは苦い思い出。
そんな思い出話が現在の話と交互に語られる。
小さな水槽のなかで起こる事件。
それを通して、かつての自分の行いを思い出し、興奮するさわちゃん。
水槽のなかのことを世界に置き換え、それを見ているコウコを神に置き換えて語るさわちゃんの説は、なかなか面白かった。ミッション系の学校に通っていたからなのかもしれないけど、妙に説得力があって、ちょっと怖いかんじもしましたが惹かれるものもありました。
人って、自分が第三者的に見ている「悪」には憎悪感を抱くのに、自身の心のなかにある「悪」って物には案外、気づいていないのかもしれないな・・・。
なんて思いました。
短いお話なのに、とっても、ふか~い内容でした。
暫くこの梨木作品の余韻に浸っていたい。
★★★★★
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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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