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読んだ本の感想あれこれ。
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行年月:2014年9月


 終戦から10年、主人公・左織(さおり)は22歳の時、銀座で女に声をかけられる。風美子(ふみこ)と名乗る女は、左織と疎開先が一緒だったという。風美子は、あの時皆でいじめた女の子?「仕返し」のために現れたのか。

欲しいものは何でも手に入れるという風美子はやがて左織の「家族」となり、その存在が左織の日常をおびやかし始める。うしろめたい記憶に縛られたまま手に入れた「幸福な人生」の結末は――。

激動の戦後を生き抜いた女たちの〈人生の真実〉に迫る角田文学の最新長編。あの時代を生きたすべての日本人に贈る感動大作!

                  (毎日新聞社HPより




左織と風美子の生き様を描いた小説。
ふたりは子どもの頃、疎開先が同じだった。
左織はそのときの記憶を殆どなくしていたが、22歳のとき、突然、風美子から
声を掛けられる。
当時の疎開先であった、虐め。
風美子も虐められておたという。
が、左織が唯一声を掛けて優しく接してくれたのでいつかお礼を言いたいと思っていたと。
しかし、左織にはほかの子の虐めに加担した記憶が蘇ってくる。



戦争を体験している二人の女性が成人して再会し、やがて、それぞれの夫が
兄弟という義理の姉妹の関係になる。
左織には娘・百々子と息子・柊平が生まれるが、風美子には子どもが出来ず
それでも百々子や柊平を叔母として可愛がり特に百々子は成長すると母親の左織より
百々子に心を開くようになる。


淡々と語られる左織と風美子の日常。
でもその中に人の哀しさやら狡さやらいろいろな負の感情が織りなされて
いて巧いなぁ~と思う。

結婚し、子どもが生まれ母親として妻としての毎日が続く左織と
結婚前は水商売だったが、結婚後は違う仕事に就き、やがて料理研究家として
世間にも認められる風美子。

ふたりは親友であり続ける。
お互いの夫が亡くなり、二人で住もうと提案する風美子だったけれど
左織は別の生き方を選ぶ。
うん、それ正解だと思う。
というか、ある意味、理想的だな。


うまく行かなかった娘・百々子との関係も少し修復していきそうなのもホッとした。


タイトルの意味するものが最後まで読むと何となくわかる。

読み応えあって面白かった!


                          ★★★★★
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