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読んだ本の感想あれこれ。
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cce12aad.jpeg発行年月:2003年4月


「あなたがその恨みをテ手放さぬ限り・・・」
助けた蟹が恩返しにやってきた事で前世の因縁を思い出すとうきち。やがてその思いを昇華する様を幻想的に描き出す。


        
                     (理論社HPより)


最初は、ただの蟹の恩返し?かと思った。
でも、そこから広がる壮大な過去の記憶。

とうきちが七衛門として生きていた時代のこと。

因縁の相手と現代で向き合う、そのとき・・・・・。

ラストの描写が美しい。

この絵が素敵。

暗い闇のような絵ですが、そこからいろいろなものを思い起こされるような力がある。
ラストの明るい光がより一層輝いてみえました。

梨木さんの絵本、初めて手にとりましたが、素晴らしい!!

ほかにも絵本、あるようなので、また見てみよう。


★★★★★




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66af500b.jpg発行年月:2004年1月


たとえばたとえば。サルスベリの木に惚れられたり。床の間の掛軸から亡友の訪問を受けたり。飼い犬は河童と懇意になったり。白木蓮がタツノオトシゴを孕んだり。庭のはずれにマリア様がお出ましになったり。散りぎわの桜が暇乞いに来たり。といった次第の本書は、四季おりおりの天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。

                                  
(本の帯文より)

不思議でどこか懐かしいかんじのお話でした。
亡き友・高堂の実家の家守として住み込んで守をしてほしいと亡き友の父親から頼まれる、物書きのわたし。

庭にはいろいろな木々があり、早々にサルスベリから惚れられる。
そして、亡き友が掛け軸の中からボ-トに乗って度々訪ねてくる。

不思議なことなので、最所は驚く物書きの男だが、そのうち何か起こってもいちいち驚かなくなる。

読み手も同じように、不思議だとは思いながら、そういうことが普通に起こる場所なのだと納得してしまう自然な雰囲気。

四季を追って、その季節ごとの植物が登場し、植物の名前がそのまま28つの章の名前になっている。
名前も聞いた事のない植物が幾つか・・・後で調べよう!と思いながら思わずメモ!

人ではない物(河童、鬼、狸、サギなどなど)も登場し、人には違いないのでしょうが、その人すらも何処か浮世離れしたかんじ。

現実の世ではあり得ないようなことが、違和感なく存在し触れ合っている。

兎に角、不思議な世界の中にふわふわ漂っていうような心地いいかんじのお話でした。

こういう雰囲気、好き!
楽しかった!


後でどんな植物か調べようとメモした植物のなかから二つ。

南蛮ギセル303b2a66.jpg

8~10月に開花
葉は無く地面から花茎を出してキセル状の花を咲かせる
主に草原のススキなどの根元に生える
葉緑素のない寄生植物








貝母(バイモ)
6aedc589.jpgユリ科の植物
薬用植物のひとつで、咳止め、腫れ物、鎮痛などの薬効あり






どちらも愛らしい花でした(^^)。

これは植物図鑑を片手に読みたくなる本でもありました。


★★★★

 
c5c957cb.jpg発行年月:2009年5月


『西の魔女が死んだ』の作者が贈る待望の最新長編小説。歯痛に悩む植物園の園丁がある日、巣穴に落ちると、そこは異界だった。前世は犬だった歯科医の家内、ナマズ神主、愛嬌のあるカエル小僧、漢籍を教える儒者、そしてアイルランドの治水神と大気都比売神・・・・。人と動物が楽しく語りあい、植物が繁茂し、過去と現在が入り交じった世界で、私はゆっくり記憶を掘り起こしてゆく。怪しくものびやかな21世紀の異界譚。

                     
(朝日新聞出版HPより)


『西の魔女が死んだ』も、少し不思議なファンタジ-でしたが、こちらも同じような空気感。
穴に落ちる前の出来事は旅先で歯痛のため、歯医者で応急処置を
してもらい、
「帰ったらすぐに歯医者に行くように」と言われる主人公の男・佐田豊彦。
しかし、旅先から帰ると辞令のため任地のf郷に向かう。

そして次の勤務先、f植物園。
植物の話がいろいろ。名前を初めて聞くものやら・・・・図鑑が欲しくなる!

転居後の住処は、大家の家に間借り。
そして、気になっていた歯の治療をしてもらうため訪れた歯科医院。
食事の為、立ち寄った洋食屋・スタ-レストラン。

これらに登場の人たちがちょっと変。
時々、動物(鶏だったり、犬だったり)に見えたり・・・。
そして、やけに「千代」という名前の女性が多く登場。

後半では、水辺で出会ったカエルのような坊や。

不思議なことだらけなのですが、これらの人々は、全部、自分に繋がりがあって、
その真相を知ったときは、感動!

なるほど!だから・・・で、・・・・なんだ!!


椋の木の巣穴の先に広がる異世界のお話・・・・楽しかった。

そういえば、前に読んだ『西の魔女が死んだ』でも、いろいろな植物が出てきたり、
この方のお話は植物が独特の世界を作ってる気がするなぁ~。

過去作品も読んでみよう。

★★★★★
 




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