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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2019年7月


森を歩き、鳥を観る。きのこの生命に学び、人の未来を思う……物語を育む日常の思索を綴る。「この文章が、いつか生きることに資する何かになってくれたら。受け手があって読んでくれて、初めて物語は完成する。作り手を離れ、そこから紡がれていく何かがあると思うのです。」――創作の萌芽を伝え、読み手を照らす光が、胸に静かに届きます。

                 (新潮社HPより)



梨木さんの小説は殆ど読んでいる。
どれも好き。
これはエッセイだけど、時々、小説の一部みたいだなとも思う。

自然や人、物、日常で出会うものたちに対する想いがなんだか
どれも素敵。
ただただボ~ッと生きているだけじゃ勿体ないなと反省。

空の青さとか、風の心地よさとか、そういうものをちゃんと感じて
日々を過ごしていかなきゃ!なんて思ってしまった(^^ゞ


エッセイのなかで特に印象的だったお話は
<家の渡り>。
とある地域で家探しをしていて、紹介してくれた家。
___緑の美しいことで有名な公園の木立の続きにあるような形で
その家はあった。___で始まる。


想像を掻き立てられる。
その家の持ち主は既に他界してしまっているけれど、その家の佇まいが
その家に住んでいた人となりも表しているかのよう。という。

無理をすれば手に入れられるとわかるけれど、結局、その家を買うことは
止めた梨木さん。
そして、今、その家のあった土地はほかの人のものとなり家は
すべて取り壊されたらしい。


残念という思いと、それでよかったんじゃないかと思う気持ち。
うんうん、同感!

でも、どんな家だったんだろうか?凄く気になるなぁ~。

素敵な1冊でした!!


                    ★★★★

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発行年月:2019年8月


出会ったのは森の奥深く、きみの夢の底深く

秋はしだいに深まり、冬ごもりの支度におおいそがしのヤービたちは、博物学者であったグラン・グランパ・ヤービが、ややこし森でみつけたという、まぼろしのキノコ、ユメミダケを探す冒険に出発します。同じころ、フリースクールの生徒ギンドロと、ウタドリ先生たちも、ギンドロの見つけた不思議な手紙に導かれ、テーブル森林渓谷、ヤービたちのいうところのややこし森へと向かっていたのでした。ヤービシリーズ待望の第二弾。

                  (福音館書店HPより)


待っていました!
再び、ヤービの世界観を堪能~♪

大きい人(人間)のウタどりさんとヤービがそれぞれの仲間と別々の目的ですが
同じ場所を目指して冒険。

ウタドリさんはフリースクールの教師。
生徒たちは家庭環境に何らかの問題を抱えていて、そんななかの一人・ギンドロが
受け取った見知らぬ誰かからの手紙を機にウタドリさんと庭師のカンヌキさんの
3人でテーブル森林渓谷へ。

一方、ヤービはトリカのママの頭痛を治す薬になると思うユメミダケを探すため
ややこし森へ。
ヤービとトリカのほかには、ヤービのいとこのセジロも一緒に。
キジバトのミリとキャリの背中に乗って・・・・


二組の冒険の様子がそれぞれ楽しい。


ヤービたちが探していたユメミダケは不思議なものを目の前に見せてくれて
結果、二組の冒険は目的達成!


挿絵がまたまた素晴らしく、物語にピッタリ!
最後のつづくのイラストには歓喜しました(^^)

また別の季節のヤービの物語が読めそうかな?
楽しみに待ちます!


                      ★★★★★




発行年月:2019年5月


 深遠でコミカル、重くて軽快。
著者五年ぶりの傑作長編小説。

自然、人間の体、こころの入り組んだ痛みは
家の治水、三十肩、鬱と絡み合い、主人公を彷徨えるツボ・椿宿へと導く。

皮膚科学研究員の佐田山幸彦は三十肩と鬱で、従妹の海子は階段から落ち、ともに痛みで難儀している。なぜ自分たちだけこんな目に遭うのか。
外祖母・早百合の夢枕に立った祖父から、「稲荷に油揚げを・・・・・・」の伝言を託され、山幸彦は、鍼灸師のふたごの片われを伴い、祖先の地である椿宿へと向かう。
屋敷の中庭には稲荷の祠、屋根裏には曽祖父の書きつけ「f植物園の巣穴に入りて」、
明治以来四世代にわたって佐田家が住まいした屋敷には、かつて藩主の兄弟葛藤による惨劇もあった。
『古事記』の海幸山幸物語に3人目の宙幸彦が加わり、事態は神話の深層へと展開していく。
歯痛から始まった『f植物園の巣穴』の姉妹編。

                      (朝日新聞出版HPより)




痛みに苦しむ佐田山幸彦(通称・山彦)。
化粧品会社でメイクアップ部門に所属し、化粧品の研究をしている。
肩の強烈な痛みに苦しみ、それゆえ、鬱状態へ。肩から痛みは首にまで・・・・

従妹の海幸比子(通称・海子)も膝痛から股関節痛と激痛に苦しむ日々。

自分たちのこの痛みには、なにか共通のものがあるのでは?と。
海子が最初に世話になった仮縫鍼灸院を訪ねる山彦。
院長の仮縫氏から「この痛みは、カメシに・・・」と院長の双子の妹・亀子(カメシ)
の診察を受ける
するとこの痛みの除去を助けたいと言う神がいるという。
それは実家にある小さな稲荷。そして亡くなった祖父が油揚げをお供えするようにと。
そんなわけで痛みに堪えながら生まれて初めて郷里の実家のあった地を訪ねる山彦。
亀子も同伴。


亀子と一緒に入った喫茶店。
そこは鮫島家の関わる場所だった。
店主は、今は行くえ知れずの宙幸彦(そらゆきひこ)の妻・泰子(タイコ)。
宙彦の母・竜子も以前、住んでいた家に行きたいということで3人で
実家(椿宿)に向かう。


そこで知る、佐田家と鮫島家のルーツ。


痛みは、その後、消えた山彦。
海子の痛みも、また消える。


<f植物園の巣穴>の続編と知っていただが、これが?とずっと疑問に
感じながら読んだ。
でも終盤になって、ああ、そういう繋がりだったんだ!と。

ああ、<f植物園の巣穴>もまた読み返したくなってきた!



古事記の海幸山幸の話は、今回初めて知ったけれど、現代とこんな風に
繋がっていくのも面白い。

先祖が、子孫に気づいて欲しくてサインを送ることってあるのかな?
それが今回のように痛みということもあるのか?

自身が肩痛でこの主人公の山彦のように苦しんだ経験があるので
ふと考えてしまった。


表紙の絵もステキ。
今回も読み応え十分でした!!



                         ★★★★★




発行年月:2015年8月


 ある晴れた夏の日、わたしが、湖に浮かべたボートの上で出会ったのは、
ふわふわの毛につつまれた、二本足で歩くハリネズミのようなふしぎな生きもの、
「ヤービ」でした。

                   (福音館書店HPより)




梨木さんの新刊は、可愛らしいお話でした♪


人間(おおきい人)とヤービが出会う場面が素敵。
ミルクキャンディーを刺し出したら、ヤービは受け取り、家に持ち帰る。
ママヤービがそれでミルクシロップを作ってくれた。

それは、誰かを殺した食べ物を受け付けなくなったヤービのいとこのセジロを
救う。
ミルクは誰も殺していない食べ物だから・・・。


ヤービたちクーイ族のほかに、人間を小さくしたような姿のトリカたち
ベック族も出てくる。

自然のなかで、まだ人間が知らない生き物たちがこうして生活していると
想像するだけで楽しい。


小沢さんの絵も素敵。

大人も楽しめる可愛い本でした♪
続編もあるかんじなので、期待して待ちたいと思います。


                      ★★★★★



発行年月:2014年9月

胸奥の深い森へと還って行く。見失っていた自分に立ち返るために……。

蘇りの水と水銀を司る神霊に守られて吉野の地に生きる草壁皇子の物語――歴史に材をとった中篇「丹生都比売」と、「月と潮騒」「トウネンの耳」「カコの話」「本棚にならぶ」「旅行鞄のなかから」「コート」「夏の朝」「ハクガン異聞」、1994年から2011年の8篇の作品を収録する、初めての作品集。しずかに澄みわたる、梨木香歩の小説世界

                       (新潮社HPより)


どれも素晴らしいお話。
梨木さんらしいちょっと独特な不思議な空間に連れて行かれるような気持ちに
させられて、それがすごく心地ちいいのです!!
ああ、さすが梨木さんだぁ~と思わせてくれる作品集でした!!


表題作の「丹生都比売」だけやや長めのお話。

時は1300年以上前の壬申の乱のころのお話。
大海人皇子・おおあまのおうじ(天武天皇)と
鸕野讚良皇女・うののさららのひめみこ(持統天皇)の子どもである草壁皇子の物語。
 心優しき皇子が戦乱の世に巻き込まれる様子はなんだか痛々しい思いがしました。

このお話だけでも読み応え十分!
 

他は短いお話。
特に好きだったのが2つ。

「コート」
2つ違いの姉と幼い時からずっと冬になるとお揃いのピンクのコートを母親が用意してあり着せられていた。
母は9着のサイズ違いの同じ型のコートを買ってあったから。
でも16歳の姉は、自分好みのコートを買い、わたしはおさがりでないコートを着る。

妹が姉を想う気持ちが切なく温かかった。



「夏の朝」
6歳の誕生日に特別な球根(親指姫の生まれる球根)が欲しいとねだるが
代わりにユリの球根をお花屋さんからプレゼントとして貰った夏ちゃん。
なかから女の子が生まれたので、春ちゃんと名付ける。

子どもの個性を大事に見守るって大事だな・・・・。
夏ちゃんが可愛い♪
お母さんも一時は悩んだと思うけれど、見守る姿勢は素晴らしい!


梨木さんのあとがきも良かった!
今度は新作の長編を読みたいな。


                            ★★★★★
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