「つや」、夫がふと口にした、謎の言葉。それはだれ? どんな女?
絡み合う七つの恋と性の物語。

私は愛されているのだろうか----夫、恋人、父と関係のあったらしい、艶という女の危篤の知らせをきっかけに、自分の男をいつも以上に観察する女たち。立ち現れる男たちの他人のような姿。性的に奔放な一人の女をめぐる大きな渦のような人間模様の中に、女と男の恋の本音を描き出す刺激的な長編。著者の真骨頂。
(新潮社HPより)
表題がひらがななのが良い!
読む前は、「通夜?」と勝手に理解しましたが、それだけではなかったのです!
物語の中心にいる「艶」という一人の女性。
彼女は、物語のいつも真ん中に居ながらも多くは登場しない。
物語は連作形式で進み
最初の話では、艶の従兄弟にあたる行彦が、艶がO島で死にかけているという連絡を受ける。
その電話を受けた夫を横で見ている妻の環希(51歳)が語る、いろいろ。
そして、艶の最初の夫の愛人・湊(29歳)
・艶の愛人だったかもしれない男の妻、サキ子(60歳)
・艶がスト-カ-していた男の恋人、百々子(33歳)
・艶のために父親から捨てられた娘、麻千子(20歳)
・艶を看取った看護師、杏子(31歳)
・艶の最後の夫、松生春二(49歳)
と艶に直接、接点があった者やその者の近い立場の人が登場して、自分の今の状況を語る。
そこから、あまり登場しない艶という一人の女性がどんな人なのかが段々と見えてくる
面白い展開の物語でした。
艶の存在が多くの人の人生を引っかき回しているかんじ。
今までその存在を忘れていた者たちも、艶が死にそうという事を知り、日常に変化が起きる。
人って生きているとどんどん繋がっていくんだな。
知らないうちにいろんな人の生き方にも影響を与えてしまうものなんだな。
なんて思いながら読んでいました。
ラストは、唐突過ぎるほど自然で、続きがあるかと思わずペ-ジをめくり・・・・
「あ、終わったのね・・・^^;」なんて具合でした。
でも、よかった。
どういう風によかったのか?伝えるのが難しいけど、
こういう物語、好きです。
★★★★
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おばあちゃんはあなどれない-----何かが過剰で、何かが足りないこの世の中。今日も出くわす(ばかげた)事象を、宇陀川静子・75歳は見過ごさない。
チャ-ミングで痛快な家族小説。
(中央公論新社HPより)
愉快。愉快。
静子さんの考え方、いいなぁ~(^^)
近くにいたら、お友達になりたい!
ご主人を亡くして、1年ほど前から、息子・愛一郎とその妻・薫子とその娘で高校1年の、るかと同居している静子さん。
週2日はバスでフィットネスクラブに水泳をしに行き、幅広い年齢の方たちと交流している。
フットネスクラブのあちらこちらに貼られる「・・・しましょう」「・・・・しないようにしましょう」の類のものをナンとも馬鹿げたものだと常々思いながらも面と向かって抗議するような事はしない。
ささやかなに抗議しましたが・・・笑
息子夫婦や孫の様子を見ていて、何か普段と違うな~と敏感に察するけど、やはり口出しはしない。
でも、見過ごすのでなく、ちゃんと対策を練って行動する。
誰にも気づかれず、水面下であれこれ画策する様子は、実にチャ-ミング(^^)
こういうおばあちゃんにわたしもなりたい!
静子さん、最高です!
夫の十三が下戸だったから、自分も妻でいるうちは酒は飲まないと決めて十三の通夜の席で、50年ぶりにお酒を口にした静子さん。
思い出を回想するような場面では、ご主人との関係は円満だったとは言えないようなこともあり、悩んだ時期もあったよう。
生きていればいろいろあるけど、年を取ったときに、静子さんみたいな心持ちで居らるのは、その人の考え方ひとつなんだろうなぁ~。
自分が子供の頃の75歳って、もうすごい年寄りって感じだったけど、考えてみれば、自分の母親もそんな年なわけで、未だに運動してるし、海外旅行にも行ったり、すごく楽しそうだものなぁ~。
わたしも75歳頃になったとき、毎日がたのしいって思えるような生き方をしていたいな。
なんだか、未来に勇気をもらえた感じのお話でした♪
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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