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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年6月


 
ふいに思い知る、すぐそこにあることに。
時に静かに、時に声高に――
「死」を巡って炙り出される人間の“ほんとう”。

直木賞作家が描く「死」を巡る10の物語。

                (祥伝社HPより)



どの話にも「死」が出てきて、それによって引き起こされる人の感情を
描いている。
平穏から不穏に移行するような、なんだか心がザワザワするような物語たち。

表題作の<赤へ>は
夫が病死した後、娘夫婦と一緒に暮らしたミチ。
が・・・娘は同居から3年目、浴室で自ら手首を切り自死。
ミチと娘婿の関係がギクシャクし、ミチは介護付のマンションに引っ越すことに。

娘婿との何とも気まずい空気感が読んでいて、ひしひし伝わって来た。
こんな老後嫌だなぁ~

他の話も実に暗くて気が滅入る話だった。
でも<死>は避けられないし、こんなこと実際に幾らでもある話なのかもね。

気は滅入るけれど、短編集なので、一応、気持ちを入れ替えて次の話に
夢中にはなれたけど。。。^^;


                       ★★★
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発行年月:2016年1月

ママはいいわよべつに、刑務所に入ったって

小料理屋の女主人百々子七九歳と若い頃から女が切れない奇妙な魅力をもった七つ年下の夫。
半世紀連れ添った男を何故妻は殺したのか

                 (文藝春秋HPより)



いきなりの殺人シーンからの始まり。

殺したのは妻・百々子(79歳)。
殺されたのは妻より7つ年下の夫・拓人。

二人には娘が二人と息子が一人。
長女の時子は独身で母と飲み屋「ひらく」で働いている。

物語は、章ごとにこの家族の色々な出来事を描く。
拓人は、百々子と付き合った時から常に女絡みの問題があり・・・

百々子が女子校の国語教師だったときの教え子とも関係を結び
その子との関係を解消するために、百々子との結婚を決めたとか。

なんでこんな男が良かったのかね~と思うけど、どの女性にも優しい様子。

絵も上手、文章も書くという人で、作家として編集者との付き合いもあり
女性編集者のアリサとの関係は男女のというよりは、人としての
優しさでアリサに接していたような・・
それを百々子たち家族を混乱させた要因か?

最終章で、アリサが拉致されたときは、どうなる?とハラハラしたけど
無事でよかった。


でもこの後、百々子はどうするんだろ??


百々子は、きっと拓人のことが、ずっと好きだったんだろうな。
それじゃなきゃ、79歳もなって嫉妬したりしないでしょ?
そう考えると、なんだか切ない話。


                        ★★★



発行年月:2015年4月

季節とともに移ろいゆく人生と料理。美しく彩られた食材と香りたつ恋愛――。姉弟で切り盛りしている目黒の小さなリストランテ。色艶に満ちた皿の数々と、それぞれの事情を抱えたアモーレども(罪深い味わいに満ちた男と女)を描く幸福な物語。

                   (角川春樹事務所HPより)




シェフの杏二は、女ったらしで好きじゃない。

誰にでも優しく声を掛けて、すぐ体の関係に至るって・・・^^;

そんなシェフを手伝う姉の偲には、浮ついた感じがなく好感が持てました。
だから、最後、沖縄に行くとなったときは、嬉しかった!
そちらのお店のお話も読んでみたいけれど・・・・そういう企画はないか?


誰にでも声を掛けてすぐ寝る杏二だけど、本当に愛している人は居ないのか?
度々、電話する「M」という女性が、謎でしたが・・・
最後に登場。
なるほど・・・・そういう関係でしたか?
と考えると、案外、いい加減なかんじの杏二も寂しい人なのかも。

レストランの常連客のそれぞれの日常を交えたお話で、美味しそうなものも
沢山登場で、女性には楽しめる物語かな?

井上さんってお料理に詳しいなぁ~。
初めて聞く料理名もあったけど、どれも食べたくなる^m^


                          ★★★



発行年月:2014年12月


中学時代の同級生が開発業者として現れ、抗うこともないままに
肉体関係をもってしまった沙知。

自宅裏の森を伐採する宅地造成工事の告知を機に、彼女の家族は一変する。
反対運動にのめり込む義父母。いつしか夫も見知らぬ顔を覗かせるなか、
その男は沙知への要求をエスカレートさせていく。

日常にひそむ正常と異常の空隙。
そこから現れる異様な光景を端正な筆致でとらえたアモラルな傑作長篇小説

                   (朝日新聞出版HPより)




夫の両親と二世帯住宅に住む主婦の牧生沙知。
夫の新太と結婚以来8年続けている習慣は、毎朝、前夜みた夢の話をお互い
報告し合うこと。

夫との間に8歳の息子がいて、取り立てて大きな問題はなさそうな家庭。
でも、そこに裏山の森が開発されて、住宅が15棟建つという。
正直、沙知は、どうでもいいと思っているのだが、義父母や夫は断固反対と
憤る。
開発業者側が近隣住民を集めての説明会に渋々参加した沙知はそこに
見知った顔を見つける。
中学時代その容姿に憧れの目で見ていた男・阿守勲だった。


沙知はその後、すぐに勲と男女の関係を持つ。
夫とも今まで通りの夫婦関係を持ちながら・・・・


ああ、全く理解できない女性だわ~。
嫌いだわ~。
と思いながら沙知のことを軽蔑しながら読みました。

結果的に、何がどうなった?というものはないのだけど
何故か、面白い。

そういうのは、やはり井上さんだからかなぁ~?

余談ですが。。。今、放送中の「だから荒野」すごく面白い!
井上さんが書く、主婦って自分の周りには居ないかんじなので
笑って楽しめます^m^


                           ★★★



発行年月:2013年10月


 あなたはあなたが連れてきた──サスペンスとたくらみに満ちたハードな愛の物語。

嵐の日、あなたは、行方不明だった弟を連れて来た。あなたに瓜二つのあなた。そして言った、「僕は死ぬんだ」──幸福な結婚生活を送っていると感じていた「私」に、ある日訪れた不可解な出来事。女が男を愛するとき、取り替え不可能なもの、確かなものとは何か。翻弄しようとするものたちに挑む、静かで激しい「私」の物語。

                      (新潮社HPより)


16歳のとき、両親を列車事故で亡くしたみさき。
その葬儀会場で別の葬儀に参列するために居た夫・新時と知り合い、結婚した。

夫は余命短い病気に罹る。
そして、ある日、夫と瓜二つの弟・盛時を連れてくる。
ホスピスに入所した新時。
盛時はふらっと家にやってきて、食事をしたりする。
夫は自分の亡き後、妻が寂しくないように盛時を引き合わせたのだ。


盛時の性格は好きになれないな。
容姿がそっくりだから同じように好きになれるわけではないのだが・・・
男の人の考えるとことは、よくわからない。

みさきは戸惑いつつも盛時と居ることを拒まない。

そして、夫の同僚・久保の存在も絡んできて、どうなる?と思ったら・・・

ラストはサスペンス?SF?ホラー?
いろいろな解釈が出来そう。


表題の意味も、ちょっとあれこれ考えちゃう。
ちょっと変わってきてなかなか面白かったけれど
評価が分かれそうな作品かもね。




                          ★★★
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