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読んだ本の感想あれこれ。
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827eab55.jpeg 発行年月:2012年11月


100年先を見据えて作業をしている、神去村の林業の現場。そこへ放り込まれた平野勇気も、村で暮らして1年が過ぎ、20歳になった。山仕事にも慣れ、憧れの直紀さんとドライブに出かけたりもするようになったけれど……。お仕事小説の名手が描く林業エンタメ第二弾! 秘密がいっぱいの神去村へ、ようこそ!


                    (徳間書店HPより)



「神去なあなあ日常」の続編。
横浜の都会から三重県の林業を営む村に移り住んだ平野勇気。
今回の物語では、林業の仕事にも結構、慣れた様子。

居候させて貰っている家族のヨキとみき夫婦。
繁ばあとも本当の家族みたいな会話で微笑ましい。

仕事のリ-ダ-的存在の清一と妻の裕子。
その息子の三太くん。

裕子の妹で小学校の先生・直紀は勇気の憧れの的。
今回は、それが急接近!

楽しい話の合間に、語られる神去村のル-ツや、過去にあった悲しい事故。

村の人たちが信心深く、太い絆で結ばれている理由が、なんとなく理解できた気がする。

みんなで三太のためにクリスマスパ-ティを企画した様子は楽しかった!
三太はきっと優しい強い大人になるんだろうなぁ~。

まだまだ神去村の今後が気になります。
続きはまた書いてくれるのかなぁ~。


★★★★
PR
9784334927769.jpg   発行年月:2011年9月


   言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを
   謳いあげる三浦しをん最新長編小説。

【辞書】言葉という大海原を航海するための船。
【辞書編集部】言葉の海を照らす灯台の明かり。
【辞書編集者】普通の人間。食べて、泣いて、笑って、恋をして。
ただ少し人より言葉の海で遊ぶのがすきなだけ。

玄武書房に勤める馬締光也。
営業部では変人として持て余されていたが、
人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、
辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。

定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、
徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。

個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。
言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく――。

しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか――。



                                      (光文社HPより)


最高ですね!!
玄武書房の辞書編集部が13年の年月をかけ編み出した「大渡海」の出来上がるまでの物語。

辞書づくりの過程が少しわかるお話でもあり、日本語って奥が深いなぁ~と今更ながら思いました。

物語の初めはまだ新人だった主人公・馬締光也が辞書が出来上がるときには、編集部の主任としてリ-ダ-シップを発揮している。
馬締という名の通り、真面目な仕事ぶりは、気持ち良い!
ルックスは??の馬締だけど、ちゃんと中身をわかる香具矢と夫婦になっている後半は嬉しかった♪

ラブレタ-もなかなか素敵でした(^^)
語彙の多い人、それを上手く日常でも使いこなせる人って知的で、いいなぁ~。

辞書づくりには外部の協力者も必要なのですね。
監修の松本教授や、辞書にあった紙を開発する製紙会社の開発部の人たちとの関係も信頼関係が出来ていている感じが読んでいて気持ちよかった!

松本先生に出来上がった「大渡海」を見せてあげたかったなぁ~(/_;)


最初から最後までイッキに読み進むことが出来る傑作でした!!
文句なしの五つ星でしょう!


★★★★★
51cbsrMvAVL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年6月


なんだかまた、面白い人に会ったぞ! 技と熱(パッション)を持って働く16人の女性たち。著者初の人物探訪記。

「物語」を宿さぬ人はいない。聞いてみたい、それも仕事のことを。靴職人、ビール職人、漫画アシスタント、フィギュア企画開発、現場監督、活版技師、染織家……小説とエッセイ、そして妄想とツッコミの名手が、時におたく心を揺さぶられ、時にやみがたい物欲と戦い、「ふむふむ」と相槌を打ち、共感に震えた四年にわたるインタビュー集。

                                         (新潮社HPより)


しをんさんが4年に渡ってインタビュ-した16人の女性たちのお仕事のこと。

初対面の方が殆どらしいけど、女性同士だからか?すぐに友達のように打ち解けた会話が弾み読んでいて楽しかった!


本とか活字とか好きなので、気になったのは
活版技師と編集者。

面白かったのは、フィギュア企画開発。


仕事っていろいろあるんだなぁ~。
自分がもう一度、人生の選択をやり直すとしたら、このなかに出来そうな仕事はあるだろうか?
なんてふと考えたりしたけれど・・・・・・この中にはないなぁ~(笑)。



このインタビュ-をヒントに、何かまた新しい小説が生まれるのかな?
と考えると、楽しい。


★★★
 
f0bc0eda.jpg発行年月:2010年11月

小田急線・世田谷代田駅から徒歩5分、築ウン10年。
空き室あります!
安普請ですが、人肌のぬくもりと、
心地よいつながりがあるアパートです。

              
     (祥伝社HPより)              


              
 
短編連作集のようなかんじですが、小暮荘に住む人々の様子が描かれ、住人同士が接点を持っていく様子が面白かった。

特に印象的だったのは、最初の話
「シンプリ-ヘブン」3年前突然、別れの言葉もなく消えた恋人が現れた話。繭には既に付き合っている恋人・晃生がいるがお構いななしに二人の暮らしにちゃっかり混ざる並木。
繭と晃生の帰りを待ち、料理を作る。しかし再び繭の元を去る。

並木の心理はいかに?と気になっていたら・・・
最後の話「嘘の味」で再び登場。ここでは別の女性・虹子と暮らしている。
虹子は「黒い飲み物」で登場の他人が作った物を食べると、その人が嘘をついているかどうかが分かるという女性。最初のほうで繭のフラワ-ショップでバラの花を5本買いに来る女性。

並木の繭に対する気持ちがここで分かってちょっと感動。
繭のことがまだ好きだったんだな~。
でも繭には新しい恋人も出来て幸せそうで・・・・どんな気持ちでそばで暫く生活したのかな?
晃生になら繭を任せてもいいと判断するためかな?

そんな並木がややストイックな虹子に心を寄せていく変化が最後にあって少し複雑な気持ちになったけど、新しい恋に発展すると想像するのもいいかも。


ほかに大屋の小暮が癌で余命短い友人の元を訪ね、その後「誰かとセックスしなければ」と思う話は面白かった。本人にしたら真面目な悩みなんでしょうけど、男の人って、年を取ってもこんな風に思ったりするのかなぁ~?
少々、呆れるけどイヤなかんじはしなかった。
でも女性と男性の心理は大きく異なるってことですね・・・^^;
わたしも幾ら余命短くても「イヤだ」と言うでしょう(笑)


面白くて、短い時間で読了しました(^^)

★★★
 





27282178.jpg発行年月:2010年3月

君が望んでも、まだ「終わり」にはさせない。生と死を見つめ直す、「心中」をめぐる七つの短篇。

もう一度、立ち止まり、君と問いたい。そこは楽園なのかと----富士の樹海に現れた男の導き、命を賭けて結ばれた妻への遺言、前世の縁を信じ込む女の黒い夢、死後の彼女と暮らす若者の迷い、一家心中で生き残った男の決意……この世とあの世の境目で浮かび上がる、愛と生の実像。光と望みが射し込む、文句なしの傑作短篇集。

                       (新潮社HPより)

心中がテ-マであるらしいけど、暗いばかりの話ではない。
人の優しい心も描かれていて、温かい気持ちになるものも幾つかありました。

「心中」を辞書で調べると・・・男女がいっしょに自殺すること。
ふたり以上の者が一緒に自殺すること。
他人への義理をあくまでもつくすこと。 
とあり、最後の意味の事を指すのかな?と思われる話もありました。


最初の話『森の奥』では、自殺しそこなった男を助ける青年。
青年の心中を察すると切ないけど、何となく心は温かくなった。

次の『遺言』も、切ないけど、老いた男が語る妻への想いに胸が熱くなった。

話としては、一番、面白く読めたのが『君は夜』。
子どもの頃から不思議な夢を見る理沙の話。前世で夫婦だった男・小平との夢は、
夜になるとまるで現実の世界での出来事のようにリアル。
ふたつの世界で生きているかのようだと語る理沙。

現実の世界で小平の生まれ変わりだと思われる男性・根岸に抱く感情は、
ちょっと不気味だったけど、何か印象に残る話ではありました。

どれも良かったなぁ~。
あっ!『炎』は、ちょっと怖くて、後味悪しでしたが・・・・^^;
そこまで、自分の命を懸ける必要ある!?と思ってしまって・・・・。


でも、ひとつひとつが完成された面白さでした!
三浦さんは短編も良いですね!

★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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