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読んだ本の感想あれこれ。
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4b5bb04b.jpeg発行年月:2009年11月


いつか、大切な人と見つけたい光景がある。
『しずかな日々』 『るり姉』で人気急上昇の著者、初の青春群像スト-リ-!

朝子と正人、卓也と梓は恋人同士。けれど少し前までは、朝子は卓也と正人が梓と付き合っていて・・・・・。城下町・小田原を舞台に描かれる、傷つき、もつれた四角関係の“その後”。
(講談社HPより)

 
最初、四角関係というから、もっとドロドロしてるかと思いきや、意外と淡々としてる4人。
元は同じ介護施設で働いていた仲間。
お互いの良いところを認めあっている仲だった。

4人が交代で語る形式で物語が進む。
本音の部分で、実は憎んでいたり、未練があったりしそうだけど、ハッキリとそういう気持ちは出てこない。
むしろ、今現在の恋人に対する本音の気持ちが描かれていた。

略奪愛のような形なので、周りの4人を知る人間には、いろいろな憶測からの噂が流れたらしいけど、4人にとっては、今の恋人がそれぞれベストなんでしょうね。


介護の仕事の場面も度々、出てくるけど、利用者に接する彼らの様子は清々しく好感が持てました。
いろいろな問題を抱えている介護の現状も描いていたり、そこで思う彼らの気持ちを読むと
人の気持ちを敏感に酌める優しい人たちなんだなぁ~とも思いました。

だから?結構、涙流す場面があったし印象にも残りました。

梓が象のウメ子を見ながら涙した場面。
卓也が祥子に対する気持ちを上手く表現できず涙する場面。

よくわからないけど、読みながら切ない気持ちに・・・(/_;)


ラスト、朝子と梓が偶然、出会う場面もジ~ンと来るものがありました。

しかし、こういう四角関係って、実際には少ないでしょうね~。


★★★



                       
     
PR
b479e444.jpeg発行年月:2009年4月


三姉妹が慕う、母親の妹のるり姉は天真爛漫で感激屋。周りの人々を楽しい気分にさせてくれる天才だ。だが、そんなるり姉が入院した。季節を巡り、三姉妹や母親、るり姉の夫の視点から、元気だったるり姉との愛おしい日々が語られる。
連作家族小説。

                                                                    
 (双葉社HPより)

母親の妹を「るり姉」と呼んで慕う、三姉妹の様子が微笑ましい。
こんな叔母さんいたら、楽しいだろうなぁ~。
三姉妹には、一番上のお姉さんという存在。

三姉妹がそれぞれ語るるり姉からも素敵な女性だとわかるけど、夫になった開人が語るるり姉が一番、好き。
開人もなかなか魅力的。
るり姉の3つ年下だけど、結婚するまでは、押しまくっていたんですね~。
三姉妹が開人のことを「カイカイ」って呼ぶのもかわいい。

家族の繋がりがとても温かくていいなぁ~。

看護師の母親も、なかなか面白い。
ちょっと天然キャラで、可愛いかんじ。

ほのぼのム-ドをやや壊すように、るり姉入院の時には・・・もしかして・・・
皆が語ってるこの事は、故人を偲んだ思い出話?なんて心配になりました。

が・・・・最後の最後にホッ!

楽しい気持ちで読み終えられてよかった(^^)

★★★
91a5a2b2.jpeg発行年月:2002年4月


十二歳。
大人の途中の子ども。
悲しくせつなく やりきれないような
痛みだって知っている。

第42回講談社 児童文学新人賞受賞作品



                                          (本の帯文より)

椰月さんの作品はいくつか読んでいますが、これが一番好きかも!

12歳の女の子・鈴木さえが主人公。
学校代表のポ-トボ-ルの選手の一員として放課後、練習に励む。
男女2名ずついる学級委員の一人として、クラスをまとめなきゃいけないとも思う責任感の強い面もある。ちょっと疎まれてる子を何気なく庇う優しさもある。
以前の担任でポ-トボ-ルの練習も見てくれる直人先生に密かに憧れ、先生がそばに居るとちょっとドキドキ。

あ~12歳ってそんな風だったなぁ~と懐かしく思う場面が沢山。

昼休みの「馬乗り」、わたしも楽しみだった!

さえは明るい女の子だけど、心の中にはちょっと今までの子どもとは違う感情も芽生え、戸惑ったり。

「人間離れ」と自分で呼ぶ感情は、感受性の高い子には似た感じあるのかも。
自分が自分でないような変な感覚・・・・・遥か昔のことなので、自分にあったかどうか?
娘に後で聞いてみようかな?
いや、聞いてもわからないかな?
大人になって振り返って思い当たる事なのかも。


小学校卒業前に見つけた教科書の落書き。
自分に宛てて4月に書いた質問事項。
それに答える今の自分。
同じ自分なのに、少し前の自分は違う人みたいな感覚。
これはすごくわかる!!
前の自分の言葉に励まされたり・・・・・


椰月さんの書く児童文学は何かすごく心を打つものがあるなぁ~。
娘たちにも読ませたいけど、こういうのは、大人になってから読む方が理解出来るかも?


★★★★★
9d67e8a1.jpg発行年月2009年9月


抱腹絶倒!妻と夫 究極のバトルスト-リ-

おちゃらけ者でシモネタ好きの夫。妻のイライラはつのるばかり。日常的に激しいバトルを繰り返すのだが、なぜか赤ん坊も生まれて・・・・・。


                   
(筑摩書房HPより)


最初から最後まで笑いっぱなしの夫婦のバトル話。

これが、フィックションでなくノンフックションだとは・・・・・。

椰月さんの作品は、「体育座りで、空を見上げて」を最初に読んで、いいな。と思い、その後、読んだ短編集「枝付き干し葡萄とワイングラス」もとても良かった。

でも、そんな作品を書いてる方の実生活が、こんなに激しいバトルを送っている方だったとは!
驚きです!!

シモネタ全開の夫・・・・いやだ~!耐えられない。でも、ちょっと可愛い。他所の旦那さまだから笑って読めるけど・・・・^^;

シモネタと言っても、これが小学生レベルの言葉を連呼するとかで・・・。
ここまで言われると、卑猥なかんじが全くないから可笑しい。
ただただ呆れるばかりだけど。

こんな事、暴露しちゃって、ご主人は怒らないのかな?と不思議に思ったけど、その辺の事もちゃんと書いてあって、それもまあビックリの反応なんですが・・・・。


でも最後の方に、ちゃんとご主人の良い所も(ほんのチョット)書いていました。
好きで結婚したんでしうから、そりゃ、良い所も書いてあげないとご主人が気の毒(?)


第二子誕生の話も可笑しかったけど、こんな両親の日々、激しいバトルの中で成長していく子って
どんな子になっていくんでしょ?
少々、心配だったりして・・・・大きなお世話ですが(笑)


椰月さんに対して勝手に抱いていたイメ-ジ(文芸誌のお写真が可愛らしいかんじだったと記憶)がガラガラと崩れる書でもありました^^;


★★★





7dac9950.jpg発行年月:2008年10月


そもそも二人は、なんでもなかったのだ。
あとから考えても線引きはできない。

人生に突如起こる取り返しのつかないこと、日常に潜む不穏との境目を鋭敏に描き出す、注目の作家・椰月美智子の最新作

                 
 (本の帯文より)


以前、『体育館座りで、空を見上げて』を読み、なんとなくこの人の書く文章は好きだな。と思っていて短編ならどうなる?と思い、こちらを読みました。

表題作を含む10編の短編集。

帯文に書かれていた最初の文は、表題作の中にある言葉。
不倫していた夫の相手が妊娠していることを告げられた妻が「どっちが好きなのよ」と問うと夫は
「わからないんだ」と答える。君と過ごした11年と同じ年月を彼女と過ごした後じゃないと比べられないんだ・・・・って。
ここで、逆上して修羅場にならないのが何となく面白い。
万が一自分の夫がおなじ状況を告白したら?なんて想像すると・・・・わたしは案外、この女性と同じ行動パタ-ンかもな。なんて思ったりして(苦笑)。

著者があとがきで書いていたけど、この10編は自身が結婚後に書いた短編を集めたもので、結婚以前に書いたものに『みきわめ検定』という短編集もあるそう。
それも読みたい!と思ったら、図書館に蔵書がなく残念でした(/_;)
リクエストしようか思案中。

10篇の短編はなるほど、そうしてみると、夫婦の日常の事を書いていたりするものが多い。

ちょっと他のとは違う雰囲気だったのは
「プ-ルサイド小景(仮)」と「七夕の夜」かな?
ちょっと異質なものを描いている?

「七夕の夜」は、七夕祭の夜店など賑やかな場に両親と出かけた4歳の女の子・かなえの話。
そこで体験した事は、同じように幼い頃、高校生か大学生の従兄弟に連れられて行った先で、私自身が経験した事に、かなり似ていて、当時の様子が鮮明に蘇ってきて怖かった。
この著者もきっと自身が同じ体験してるんじゃないかな?なんて妙な親近感が沸きました。


10篇とも、かなり面白かった。(↑1つは怖かったんだけど・・・^^;)

やっぱり、この作家さんは好みだと再認識しました!

★★★★
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