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読んだ本の感想あれこれ。
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4a7bda69.jpg発行年月:2010年11月


デビュー以来の鮮烈な衝撃作
好意、愛情、執着、嫉妬、秘密……、人を好きになる気持ちのすべて。あるひとりの女の、恋愛大河叙事小説。
美緒とサスケは愛し合っている。
憎いほどに。
殺したいほどに。

                     (講談社HPより)


主人公の岡見美緒23歳は、前の会社の同期入社であった猫田健太郎と誰もが認める相思相愛のカップル。
しかし、美緒は、同じく前の会社の同期生であったサスケとも恋愛関係を築いていく。

健太郎とサスケの両方を愛し、それぞれに「愛している」と言えてしまう。
う~ん。こういう女性、結構、居そうな気がする。
と読みながら・・・・他の人も思い出す顔があるんじゃないかな?

美緒は女性からは嫌われるタイプの人かも。
容姿も良くて、明るくて、面と向かって「すき」と言われたら大概の男性は有頂天になるような女性?


美緒の恋人・健太郎が二股をかけられていることに気付き、あっさり別れを告げたのは気持ち良かった!
おぉ~健太郎やるじゃん!と拍手した(笑)。
お世話になったからと美緒の両親には丁寧にお礼を言ったり、律儀な性格も◎。
美緒の母親の気持ちはよ~くわかった。
自分の娘がこんな恋愛の顛末だったら、悲しい。

その後の美緒とサスケの恋愛もあれこれあって・・・
この二人は似たもの同士だから、こうなる事は予測出来たけれどね・・・。

美緒とサスケの周りの人たち、それぞれの同僚だったり友達だったりの恋愛の行方も、いろいろで
物語の全部にいろんなカップルの恋愛話がありました。
まさにこの物語は、「恋愛小説」!


美緒みたいな女性と付き合う男性は大変だ。
そして、サスケみたいな女性と付き合う女性も大変だ。


今までの作風とがらりと違う話でしたが、面白かった!!

★★★★

 
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a7566a67.jpg発行年月:2010年8月


8時09分、瑞希は決まらない髪型に悩み、
10時24分、貴大は里中さんを好きになる。

野間児童文芸賞・坪田譲治文学賞受賞作家が描く、中2思春期、やっかいだけど輝いている、それぞれの事情。


                      (講談社HPより)


この表題通り、2年C組の生徒達の10月19日月曜日の1日を追う物語。
最初に座席表があり、次に時間割表。
そして、先ずは生徒・川口麻衣の6時47分の話。
夢の中で起きた幸せな時間が、一変に現実の朝の慌しさでかき消される。

鏡の前で髪型が決まらず悪戦苦闘する女の子の話は
うんうん、わが家にも中学生女子がいるので、この光景は見慣れたかんじと思った。

そんな風に生徒が順番に登場し、1日が流れていく。
一人一人の話は短いけれど、そこにちゃんとその生徒の置かれた環境。考えていることなどが描かれていて、椰月さんの少年少女の描き方って、凄いな~と感心しちゃう。

初恋に悩む者あり、失恋に落ち込む者あり、
またはクラスからイジメを受けてる女子、それを見ながら何も出来ない事に胸を痛めて居る子あり・・・・

教師はあまり登場しないけど、保健室の矢吹先生が良かったな~。
52歳の先生が言った言葉、ここに書き留めておこう!

「年を重ねてるごとにどんどん自由になっていく気がするのよ・・・・大人になって自由を満喫しなさいって言いたいわ。死んだりする子いるけど、ほんとにもったいないわ・・・・・もっともっと世界は広くて、いくらでも手足を伸ばせるのよ・・・・・・これから先が明るいことを知っていれば、なんでもへっちゃらよ。つらいことあったら保健室にいらっしゃいよ。おもしろい話いっぱいあるんだから」


こんな風に明るく言える先生が保健室にいたら、子ども達には心強いだろうなぁ~。


とある1日の学校の様子だけど、そこに居る生徒の数だけ物語があるんだなぁ~。
当たり前のことだけど、なんだか新鮮なかんじがした!
こういう展開の物語を始めて読んだからかな?

★★★★



deddfb69.jpg   発行年月:2010年7月

   「毎日が宝なのだ!」
   うれしい時にはいつも家族がいた。
   四人家族綿貫さんちの愛おしい日々。


自信満々の別の自分を空想する長女・真美。友人たちと揺れる40代
を惑う母・春子。転校生にピッチャーの座を奪わそうな長男・健介。
係長なのに全然やる気の出ない父・明弘。

四人家族の綿貫さんち、
それぞれの悩みや不安の日々から生まれる、ささやかだけれど大切なもの。
どこか懐かしくて元気が出る、あなたと同じ普通の家族が光り輝く物語。

                                        (光文社HPより)

綿貫家の物語。
長女の真実の「ダリアの笑顔」が最初で、順番に家族が語る。
真実は、真面目で良い子。
家族の様子をよ~く観察していて、新しい家を買いたいために、無理をして働いているような母親のことや、そのために両親の喧嘩が頻繁に起こることを憂いている。

次の話は母親・春子の「いいんじゃないの、40代」。
真実の話では、ちょっとどうなの?と良い印象がなかった春子だけど、
この話を読むとそういう気持ちわかる!っていう親近感が沸いてきて、春子が好きになった!
ハ-ゲンダッツのクリスピ-サンドが食べたくなった^^;

それから長男・ 健介の話「転校生」では、健介の学校のこと、所属する野球のリトルリ-グのことなどが語られる。いつも元気いっぱいの明るい健介にも、それなりに大変なことはあって、でもちゃんと自分の力で克服するし、周りの友達との関係も微笑ましかった。

そして最後は、お父さん明弘の話「オタ繊 綿貫係長」。
オタザワ繊維株式会社 総務部経理課係長の役職を持つ明弘。
自分の会社での微妙な地位に誇りを持てぬ毎日。
でも、あるきっかけから、インラインスケ-トを習うことになってから、新たな人間関係も生まれ気持ちの持ち方まで変わってくるという話。


綿貫家の4人が皆、なんだかいいな。
どこにでも居そうな家族なんだけど、どこの家庭もこんな風に、気づかないけれど、それぞれ支え合っているんだろうなぁ~。
家族っていいじゃない!と気づかせてくれた物語でした!


★★★
 


c08f19a4.jpg発行年月:2010年5月

結婚後に恋が芽生えたら------


火遊び、裏切り、そして道ならぬ恋----。
結婚後の恋はいけないことなの?
『しずかな日々』『るり姉』の著者が、現代のさまざまな不倫の情景を描く、新境地の反道徳小説!

                         (角川書店HPより)


リバ-サイドマンションの住人たちのそれぞれのフリン話が短編で語られ最後の話では、その住人たちが年に一度の定例会で集う。

表題どおりのフリンに関する物語が6つ。

「葵さんの恋」は、高校生・真奈美の目線で語られる継父と同じマンションに住む、顔見知りのちょっとお姉さんの葵さんとの関係。
本当に父親でないからか?自身も恋愛中にてその心理が多少わかるからか?激することなく眺めている様子と葵さんの言動がどこか浮世離れしたかんじで、不思議なかんじでした。

確かに不倫というから・・・倫理に反することなんでしょうけど・・・
ここに出てくるフリンを読んでいると、それでも当人たちは純粋に相手を愛しているんだなぁ~なんて思ったりして。
「最後の恋」や「年下の男の子」の主人公たちには、ちょっと応援したい気もしました。
「年下の・・・・」は、フリンとは言い難いけどね^^;


「魔法がとけた夜」のあかりと宗太郎夫婦の結婚って、そもそも間違いだったんじゃないの?
結婚したけど、もしかしたら、こちらの方が「フリン」だったりして・・・・
宗太郎みたいな男性はイヤだなぁ~(-_-;)


最後、マンション住人が集った場所で語られる管理人さん夫婦・新一と絹江の
「二人三脚」もすごい話だったな。
これだけで、長編小説が出来そう!


椰月さんのフリンを題材にしたお話、なかなか面白かった!
いろんな恋の形を楽しみました(^^)


本の装丁もセンスあり!
装画は伊藤直子さん。
デザインは・・・・やはり鈴木成一デザイン室でしたか。

いいなと思うと、大抵、鈴木成一デザイン室だな。

★★★★
d56fb1d8.jpg発行年月:2006年10月


講談社児童文学新人賞受賞作家のやさしく、すこやかな、感動作。

そうか、少年って、こんなふうにおとなになるのか。

夜の神様が、どうかどうかぼくが今話したことをすっかり飲みこんでくれますように。
第45回野間児童文芸賞受賞
第23回坪田譲治文学賞受賞

                                     (講談社HPより)

主人公の少年・光輝の小学5年~の思い出話を綴る物語。
母親と二人で暮らす光輝は、控えめで空気のように存在感のない子どもだった。

が、5年生になりクラスメイトから初めて遊びに誘いを受ける。
お調子者で人気者の押野から「野球しようぜ」と。
その日から、彼とは親しくなり、毎日の学校生活にも変化が起きる。

母親の仕事の関係で引っ越し、転校が決まったときは絶望感から他者を受け付けないようになってしまい、どうなることか?と心配になったけど、担任の先生の助言があって、事態は好転する。

新しい環境で暮らしながら、またその暮らしぶりも楽しそうだったなぁ~。

押野は良い子(^^)
良い友達がいるって子どもにとってすごく大きな事だと思う!

おじいさんとの関わりも良かったな。


ラストは、大人になった少年が昔を振り返ったような形で終わる。

関わった人たちのその後も語られるけど、大人になってまで友達との交流が続いたわけではないんですね。
しかし、振り返ると、彼にとっては深く思い出として刻まれている日々だったのでしょう。
そして、この先もずっとその思い出は薄れることなくいつでも蘇らせることが出来る大切な思い出の日々。

わたし自身にもそんな日々・・・あるな~なんて思いました。
多分、誰にでもあるんでしょうけど。


子どもが読んでも楽しく読めると思いますが、大人でも十分、楽しめるお話でした。
椰月さんの少年・少女を扱ったお話はやはりいいな♪


★★★★
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