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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2002年9月


四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女――。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。〈入り口の石〉を見つけだし、世界と世界が結びあわされるはずの場所を探すために。謎のキーワードが二人を導く闇の世界に出口はあるのか? 海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。

                  (新潮社HPより)




ナカタが、西へ向かう手助けをしてくれることになった、星野青年は

本当に、ナカタにとっては良きパートナー。
ナカタ一人では、物語が進まなかっただろうなぁ~。

ナカタは、入り口の石を見つけなければという。
星野は、何のことか理解しなくても、ナカタの思いを汲んで協力する。
そして不思議なカーネル・サンダースを名乗る男に導かれて、その石を見つけ
ナカタの元へ運ぶ。

一方のカフカは、東京に居た父親が何者かに殺害さ、その一人息子が
行方不明ということで警察に追われる身になってしまう。
が、図書館員・大島や管理者の佐伯によって匿われる。

カフカは、寝ている図書館の一室に飾られている絵「海辺のカフカ」を
じっと眺めにくる15歳の佐伯さんに魅せられる。
そして50歳過ぎの現在の佐伯さんにも魅せられる。

15歳のカフカの性の目覚め。
佐伯さんをもしかしたら、自分を置いて出て行った母親なのでは?と思いながらも
否定も肯定もしない佐伯。

カフカとナカタが会うことは、なかった。

同じような何かの力によって、大きな影響を受けてしまった二人だけれど、
それが何だったのか?

佐伯さんは、自分のせいのようなことも話していたけれど、どういうこと
だったんだろう?


謎は謎のまま。物語は終わってしまった。
でもなんでも真実が明かされればいいというものでもないかな?

この終わり方が、いい。

カフカ少年の今後が幸せなものであるといいな。

後、星野青年もこの後、幸せであるといいな。


村上作品は、それほど読んでいないけれど、これは自分のなかではベストかも。
面白かった!!



                    ★★★★★
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発行年月:2003年9月


誕生日の夜、少年はひとり夜行バスに乗り、家を出た。生き延びること、それが彼のただひとつの目的だった。一方、ネコ探しの名人であるナカタ老人も、何かに引き寄せられるように西に向かう。暴力と喪失の影の谷を抜け、世界と世界が結びあわされるはずの場所を求めて――。村上春樹待望の書き下ろし長編小説。

                   (新潮社HPより)




もう20年も前の作品だったのかぁ~。

知っていたけれど、読んでいなかった。
上下巻なので、読み難かったら、苦痛だな・・・・と思って読み始めて
すぐに「これは面白い!!」と感じた。


物語は二人の主人公が交互に語られるかたち。

ひとりは、15歳の誕生日を迎えた日に家出する少年・カフカ。
4歳の時に、母親は6歳上の姉を連れて家を出て行き、以来、一度も二人には
会っていないし、音信不通。

もう一人は、ナカタトオル・・・年齢は80代?
戦時中、疎開先での事故(?)によって、頭が悪くなったと。
二人の弟の助けと公的機関からの援助で生活をなんとか成り立たせている。


そんな二人の物語がそれぞれとても興味深い。
15歳のカフカには、手助けしてくれる人たちが現れる。
夜行バスで親しくなった、さくら。
寝泊りするところを工面してくれる図書館員の大島。
その上司で図書館の管理責任者の佐伯。

ナカタも言葉遣いが丁寧で見た目もキチンとしているので、助けを求めれば
大抵の者が協力してくれる。
ネコの言葉がわかるという能力で猫探しをしているときは、色々な猫が
情報提供。
そして、突如、西に向かわねば!と思い立ち、どうやったら西へ行けるかを
見知らぬギャルに尋ねるのも可笑しかった。
ちゃんとした助言を貰えて、ヒッチハイクしながら西へ。
四国に行きたいというナカタに「いったことないところだし、付き合う」と
言ったトラック運転手の星野(20代半ばの男性)がナカタを今後、助けて
くれそう。

あと、気になったのは、
ナカタが昏睡状態に陥ったときのことを告白した当時の女性教師。
ちょっとショッキングな出来事だった。
しかし、他の生徒全員(16名)が同じような昏睡状態に一時、陥ったのが不思議。
この教師の話では、ナカタ少年は、とても頭の良い性格も穏やかな子だったと。


兎に角、気になることがいっぱい。

ナカタが段々とカフカに近づいてきている。
二人の物語が一緒になるのかな?

早く下巻を読まなきゃ!!



                     ★★★★



発行年月:2011年11月


いいかげんな天使が、一度死んだはずのぼくに言った。「
おめでとうございます、抽選にあたりました!」
ありがたくも、他人の体にホームステイすることになるという。
前世の記憶もないまま、借りものの体でぼくは
さしてめでたくもない下界生活にまいもどり…
気がつくと、ぼくは小林真だっ
た。ぐ
っとくる!ハートウォーミング・コメディ。


                    (発行/講談社)



図書館棚で見つけて、冒頭を読んで・・・「あれ?読んでない!」と
借りて来た次第・・・(^^ゞ


児童書のコーナーにあった。
主人公は中学3年生の小林 真。
自殺して、命が尽きるというときに、天使が現れて、神さまの抽選に
当たったので、もう一度、他人の体を借りて下界で生活することが出来ると。
その間に、自分が生きていた時に犯した罪を思い出すことと。



途中で、結末が予測できたけれど、いい物語だった。

真が自ら死を選んだこと。
その理由は幾つかのことが絡んでいるけれど、真が思っていたこととは
ちょっと違う。

それに気づくチャンスを貰えてよかった!



大人からしたら「そんなことで死を選んだの?」と思うことだけど
きっと真には、絶望的状況だったんだろう。


中学生の子達に特に読んで欲しい内容。



                       ★★★★





発行年月:2023年3月


初めて、もっと勉強したいって思った。
女子ゆえに進学に苦労した曾祖母つる子は、ひ孫のわかばと樹に奨学金をだすという。
ただし、そのためにはひとつ条件があって……。
高校受験とバレー部の両立、応援し心配する親からのプレッシャーに悩みながらも、わかばは挑戦するおもしろさを感じていく。
::::::::::::::::::::::::
つる子はこほんと一つ咳払いをして言った。
「奨学金をだすことにしたよ。」
奨学金?
わかばはきいたばかりの単語を心の中でくりかえした。(略)
座敷の空気は一気になごんだ。というか、軽々しいばかりにはずんだ。
だが、次の一言でまたピンと張りつめた。
「ただし、それにはひとつ条件があるよ。」
つる子がぴしゃりと告げたからだ。
(本文より)


                    (偕成社HPより)


99歳のつる子さんから呼ばれた中学2年生のわかばと、樹家族。

「高校の学費を出すけれど、今の学力よりもひとつ上の学校を目指すこと」


わかばと樹は、それぞれの目標に向かって努力する。

樹は、成績優秀でレベルの高い高校にも進学できる実力。
わかばは、バレー部の練習と勉強の二つを頑張る。

主にわかばの頑張りが物語の軸になっている。
勉強をするうちに成績が上がり、志望校のレベルも上がる。

樹は将来、やりたい仕事のために高校を選ぶ。

学力に見合った学校を選ぶというより、将来のための勉強ができる学校を
選ぶ樹のような子もいいと思う。

わかばの最後の選択も、長いこの先の人生を考えたら、ありだと思う。

何より、自分で選んだ道なら、一層の努力をしていけると思う。


つる子さんは、二人にとって、素敵な大おばあちゃんだなぁ~。



                       ★★★



発行年月:2020年2月


単調でストレスフルな日々をキュートな妄想で脚色して何が悪い!
さまざまな世界との対峙の仕方を描く、衝撃の短編集!
村田沙耶香ワールドの神髄を堪能できる4篇を収録。
■「丸の内魔法少女ミラクリーナ」
OLの茅ヶ崎リナは、日々降りかかってくる無理難題も、魔法のコンパクトでミラクリーナに“変身”し、妄想力を駆使して乗り切っている。そんなある日、元魔法少女仲間のレイコが、恋人の正志と喧嘩。よりを戻すためには「レイコの代わりに魔法少女になること」を条件に出すと、意外にも彼は魔法少女活動にのめり込んでいくが……。
■「秘密の花園」
「見ているだけでいいから」と同じ大学の早川君を1週間監禁することにした千佳。3食昼寝付きという千佳の提案に、彼は上から目線で渋々合意した。だが、千佳の真意は、小学3年生からの早川君への初恋に終止符を打つため、「生身の早川君がいかにくだらない男か」を目の当たりにし、自分の中の「幻想」を打ち砕くことにあった――。
■「無性教室」
髪はショートカット、化粧は禁止、一人称は「僕」でなければならない――。「性別」禁止の高校へ通うユートは、性別不明の同級生・セナに惹かれている。しかし女子であろう(と推測される)ユキから、近い将来、性別は「廃止」されると聞かされ、混乱する。どうしてもセナの性別が知りたくなるが、セナは詮索されるのを嫌がり……。
■「変容」
母親の介護が一段落し、40歳になって再び、近所のファミレスで働きはじめた真琴は、世の中から「怒り」という感情がなくなってきていること、また周囲の人々が当たり前のように使う「なもむ」という言葉も、その感情も知らないことに衝撃を受ける。その矢先、大学時代の親友から「精神のステージをあげていく交流会」に誘われるが……。


                     (角川書店HPより)


表題作が一番、好き。
こういうごっこ遊びは、子どもの頃(小学校低学年くらいまで)

よくやっていたから懐かしい感じ。
でも、大人(36歳)になるまで、ずっと一人で密かに続けているのは
ある意味、尊敬。
それが、良いように生活のなかに活かされているうちは良かったけけれど・・・。


あとのも面白いけれど、ちょっと気持ち悪いかなぁ~?
それでも、独特の雰囲気は楽しめた。

村田さんって、こういうシュールな話、ほんと、巧いなぁ~。



                       ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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