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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2002年8月


一年に四度の入退院を繰り返す作家松下センセ。
満身創痍の体で反戦の座り込みに参加する。
ひっそりとした暮らしを営むことすら、センセには烈しい生き方なのだ。

                 (筑摩書房HPより)




少し前に読んだ「教科書に載った小説」で

著者の「絵本」という凄く短い物語に凄く惹かれた。

中学3年生の教科書に載ったのは」1981年からだそうで
わたしは、既に短大に行っていた頃だった。
中学生でこの著者に出会っていたら、きっとそのころからファンに
なってであろうに・・・・

自分のことを松下センセと言いながら、書いているのが可愛い^m^


貧乏で口数が少なくて字が巧くなくて・・・・などなど
謙遜するようなことがいっぱい出て来るけれど、奥様や子どもさん
お孫さんたちにも慕われてその暮らしの一コマ一コマがすごくいい。
ほのぼのしていて癒される。

産まれてすぐに重篤な肺炎に罹り、命は助かったものの
右目の視力を失い、左耳は聴こえず、肺の機能も悪く、入退院を繰り返して
いる生活だと書かれていた。

それでも原発反対とかアメリカ軍絡みの座り込みには、参加している
熱い気持ちを持った松下センセ。

奥様はよく出来た人だと思った。
普通なら座り込みなんてダメだと喧嘩になりそうだけど・・・。

奥様とは幼馴染なのかな?
その辺を詳しく知るためにも豆腐屋時代の話を次は読んでみようかな。




                    ★★★★★
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発行年月:2023年7月


原因不明の歯痛に悩む私が訪れた不思議な歯医者(『太陽』)。
女ともだちをサプライズパーティに連れ出す予定が……(『獣の夜』)。
短編の名手である著者が、日常がぐらりと揺らぐ瞬間を、
ときにつややかにときにユーモラスにつづった傑作短編集


               (朝日新聞出版HPより)



7つの短編集。

雨の中で踊る
Dshlia
太陽
獣の夜
スワン(「ラン」番外編)
ポコ
あした天気に

どれも面白かったけれど気に入ったものは・・・
<雨の中に踊る>
入社25年目で初めてもらった10日間のリフレッシュ休暇。
2年前から計画していたイタリア旅行はコロナ禍でなしになった。
妻に勧められてフットマッサージに行くことにして。。。
その途中で出会ったオカと成り行きで海へ。
そこにいたのはトシヤという男。

3人の男たちが海辺で踊る姿を想像して笑えた・・・^m^


<太陽>
奥歯が痛んで徒歩圏内にある風間歯科に受診。
診察後、悪いのは歯ではなく心。心が痛んでいるのだと

歯医者というより心療内科みたいなドクターだな。



<獣の夜>
友達・美弥の35歳のバースィパーティをサプライズ企画した夫・泰介と大学の
サークル仲間。
泰介に用事が出来、時間までに妻を会場まで連れて行けないと紗弓に連絡が
来て、美弥と二人サプライズ会場に向かおうとするが・・・
美弥が焼肉を食べたいと言い出し、ジビエフェスタの看板を見つけ
二人で色々な肉を食べながら、あれこれ話す

泰介、最低な奴だなと思ったけど、まあ美弥も似たようなものか?


<スワン 「ラン」番外編>
ランって読んだっけ?
まあ、楽しめた。
就職祝いにスワンボートをプレゼントされて、それに乗ると過去の自分が
ビデオを見ているように水面に映し出される。
母から追い詰められていたころの自分。
そして後日、母と二人でそのボートに乗ることに。

確執があったような母娘の関係が、これを機に解消されたのかな?



<あした天気に>
てるてる坊主を何気なく作って吊るしていたら夢でテルテル王国に招待
される。
願いを3つ叶えてくれると
明日のゴルフが嫌だったのでゴルフが中止になるような大雨を降らせてほしいと
願い叶えられる。
そして・・・

この男性はお人よしなのか?
自分のための願いは最初だけ。
この男性に何かいいことが起きますように・・・



                      ★★★





発行年月:2024年1月


成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。
「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、
近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。
個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、
幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 
読み応え、ますますパワーアップの全5篇!

                 (新潮社HPより)



成瀬あかり・・・膳所高校3年生。

ゼゼカラの相棒で幼馴染の島崎みゆきは、受験後、東京の大学へ進学。
両親も揃って引っ越し。

あかりは、京都大学に進学。
受験の日の話も面白かった。
お父さんは心配性で2日間の受験に付き添い、
1日目の帰りに高知からヒッチハイクで受験にきたという城山友樹を家に
泊めることになる。
大学敷地ないで野宿するとテントを用意していたところを、あかりが声を掛け・・・
「?」と思ったことには、近づいて確かめる、あかりの性格は、なかなか
出来ないこと。
城山もその言葉かけで助かる。
この二人の今後の絡みも楽しみだな・・・・と思ったけれど、その後は
少し登場したのみだった。
次回作があれば、その辺も読んでみたいところ。


地元を愛し、地元から大学に通う。
休みの日には、率先して観光大使として動く。
人間関係も広がっている。

最後の話<探さないでください>では、登場人物総動員で、どこに行ったか
わからない、あかりを探す様子が楽しかった。
絶対、何かわけがあってのことだと思いながら・・・
そして皆に行き先を知らせず、携帯も持たなかったわけにも・・・
あ~あかりらしい・・・・^m^


あ~楽しかった。
最高でした♪


                      ★★★★★



発行年月:2023年3月


中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない! 話題沸騰、圧巻のデビュー作。
受賞
第39回 坪田譲治文学賞
受賞
第20回 R-18文学賞 大賞・読者賞・友近賞

                  (新潮社HPより)


成瀬あかり、なんて面白い子なんだろう。
ひょうひょうとして我が道をゆく。

幼馴染で同じマンションに住む同級生・島崎みゆきもいい。

地元の西武デパート大津店の閉店が1年足らずで閉店するというニュースを知り
その夏の間、デパートに毎日通い続け、地元テレビの中継に写る自分を
みゆきに確認してほしいという。
島崎は了解し、自分も時々、成瀬と共に中継のテレビに映る。
成瀬は、野球チームのユニフォームを自身の制服だと、着ていく。
それが表紙の絵なんだ~。

思いついたことを実行。
その行動力は凄いがある程度、究めると止めるという潔さ?
M-1に応募したり、百人一首をやったり、どれもまあまあいいところまでいく成瀬。

かるた大会で成瀬に魅せられた広島代表の西浦航一郎とのその後の展開も
読んでみたい。

大学受験目前で終わったけれど、この先、何処でどんな日常を過ごすのか?
とても気になる。
続編が出ているようなので、早く読みたい!!



                     ★★★★★



発行年月:2002年9月


四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女――。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。〈入り口の石〉を見つけだし、世界と世界が結びあわされるはずの場所を探すために。謎のキーワードが二人を導く闇の世界に出口はあるのか? 海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。

                  (新潮社HPより)




ナカタが、西へ向かう手助けをしてくれることになった、星野青年は

本当に、ナカタにとっては良きパートナー。
ナカタ一人では、物語が進まなかっただろうなぁ~。

ナカタは、入り口の石を見つけなければという。
星野は、何のことか理解しなくても、ナカタの思いを汲んで協力する。
そして不思議なカーネル・サンダースを名乗る男に導かれて、その石を見つけ
ナカタの元へ運ぶ。

一方のカフカは、東京に居た父親が何者かに殺害さ、その一人息子が
行方不明ということで警察に追われる身になってしまう。
が、図書館員・大島や管理者の佐伯によって匿われる。

カフカは、寝ている図書館の一室に飾られている絵「海辺のカフカ」を
じっと眺めにくる15歳の佐伯さんに魅せられる。
そして50歳過ぎの現在の佐伯さんにも魅せられる。

15歳のカフカの性の目覚め。
佐伯さんをもしかしたら、自分を置いて出て行った母親なのでは?と思いながらも
否定も肯定もしない佐伯。

カフカとナカタが会うことは、なかった。

同じような何かの力によって、大きな影響を受けてしまった二人だけれど、
それが何だったのか?

佐伯さんは、自分のせいのようなことも話していたけれど、どういうこと
だったんだろう?


謎は謎のまま。物語は終わってしまった。
でもなんでも真実が明かされればいいというものでもないかな?

この終わり方が、いい。

カフカ少年の今後が幸せなものであるといいな。

後、星野青年もこの後、幸せであるといいな。


村上作品は、それほど読んでいないけれど、これは自分のなかではベストかも。
面白かった!!



                    ★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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