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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年7月

あの子がいない――。山口妙子の娘、琴美が行方不明になった。パートが長引いて幼稚園のお迎えが遅れ、友達のお母さんが一緒に連れ帰ってくれたのだが……。公園で遊んでいて琴美だけが忽然といなくなってしまった。目撃情報はなく、警察の捜査も行き詰まり――山口家は琴美を捜し続け、行方につながる糸を一本ずつたぐりよせる。そしてついにたどりついた真相とは。家族の形を問う衝撃のサスペンス。

                    (双葉社HPより)




決まった時間にお迎えに行けなかった母親。

子どもが一緒に遊びたがったからと一緒に連れ帰って公園で遊ばせて
いるうちに子ども達を見失った母親。

あの時こうしていたら。。。。と後悔ばかりの日々。
辛いでしょうね。
それぞれ。

捜索しても全く手がかりなしで随分年数が経って・・・
場面がいきなり違うところに飛んだので、この人たちがどう行方不明の
女の子と関わってくるんだろう?と思いながら読んだ。

そして・・・
ああ、この父親も辛かっただろうな。
でも幾ら亡くなった娘に似ていたからと連れ帰ったら犯罪。


でもラスト、行方不明だった女の子が実の親たちの前に現れて
ここから新たな家族の物語が始まるんだな~と思えてホッととした。


                         ★★★
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発行年月:2011年7月


 自分を中学一年生だと思い込む祖母。父と別居中の母。
入学早々失敗した私。
三人の人生のつまずきに、祖母のある言葉が絡み合い、
切なく悲しい過去がよみがえる??。
感動長編ミステリー。

                  (幻冬舎HPより)


ほしおさん、前回読んだ「活版印刷三日月堂」が凄く好きなかんじだったので
こちらの過去作品も読んでみました。
やはり、いいですね。
文章がすらすら読めます。

主人公は中学受験を経て、祖母の母校でもあるミッション系の
望桜学園に進学した都築夏草。
入学後、なんとなく周りの雰囲気に馴染めず、あることを機に陰湿な
いじめに遭ってしまう。

入学前には、3.11があったり、両親が別居中とか、問題があれこれ絡んできます。
けれど・・・どれも自然の流れのなかのことで、唯一、自分を理解してくれる
友だち戸倉千波の存在もあって絶望感からは脱出する。

そして、大きな出来事・・・・祖母が倒れて入院。意識不明からは脱するけれど
記憶が混乱して自分を中学1年生と思いこむ。
そんな祖母を温かく見守る夏草と母の木の実。
3人の関係が素敵でした。

祖母がどうして中学1年生の記憶を強く残しているのか?
その疑問から夏草は祖母の過去を調べていき、初めて知った祖母の過去。

この辺りの謎解きには、切ないものがありました。
祖母・夕子さんの手紙は長かったけど、じ~んとしました。

そして、夕子さんは息を引き取りますが、その前に一時意識が戻り
学圓時代の相馬先生と面会出来て、本当に良かった。

別居中の夏草の両親もお互いの良きところを再び見つめ直す機会ができ、
明るい未来が見えそうな結末が物語を気持ちよく読み終えることに繋がった。


いいですね、ほしおさん!
他の未読作品もどんどん読みたいと思います。


                        ★★★★★




発行年月:2016年6月


川越の街の片隅に佇む印刷所・三日月堂。店主が亡くなり、長らく空き家になっていた三日月堂だが、店主の孫娘・弓子が川越に帰ってきたことで営業を再開する。
三日月堂が営むのは昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心が解きほぐされていくのだが、弓子もどうやら事情を抱えているようで――。 

                      (ポプラ文庫HPより)



短編連作でしたが、ひとつのお話と言ってもいいかも。
とても素敵な心温まる物語でした!!

<世界は森>
大学進学が決まり、北海道に行ってしまう息子・森太郎に贈る物に悩むハル。
自分が子どもの頃、両親に貰って宝物にしていた三日月堂のレターセットを
息子にも贈ろうと決める。

<八月のコースター>
伯父の経営していた珈琲店<桐一葉>を受け継いでいる岡野。
何か自分の店らしさを出すものを、お客さんに提供できないか?と考え
ショップカードを作ったら?とハルの提案に乗る。
自分が以前、好きだだった俳句の句入りコースターも一緒に作ろうと決める。

<星たちの栞>
高校の国語教師の真帆。
文芸部の顧問でもあり、学校祭で何をするのがいいか考えている。
珈琲店<桐一葉>に久しぶりに入店し、俳句入りコースターに感動。
印刷所・三日月堂を案内してもらい、店主の弓子の提案もあり
活版ワークショップを開くことに。

<ひとつだけの活字>
結婚を控えている雪乃。
曾祖父が活字屋を営んでいたと祖母から聞き、活字セットを祖母から受け継いで持っている。
結婚式の招待状を活字セットで作りたいと考えている。
大学時代のゼミの先輩から印刷所・三日月堂を教えて貰い訪ねる。


人と人が繋がっていく様子も楽しかったし、活版印刷についても色々知ることが
出来た。
弓子の過去のことも分かった。
弓子にも幸せな未来があるといいな。


                       ★★★★★ 



発行年月:2016年2月

故郷仙台を激震と大津波が襲った。
東京の「私」はその時、テレビを見ながら携帯電話を握りしめていた――。
宮城県出身の気鋭作家・穂高明が、5年間迷い苦しみながら書き上げた魂の物語。

                  (中央公論新社HPより)



3.11の物語。
第1章から第7章まで、語り手が代わりながらですが、登場人物たちは
ひとつの家族。
それぞれの視点で語られる3.11。

第1章、第4章、第7章は、小説家として東京で暮らしている宮川悠子の語り。
その日、東京もかなりの揺れで、ニュースで故郷の映像を見て愕然とする。
すぐに両親、祖母、妹家族の安否を確認しようと携帯から連絡を試みるが
返信なく、不安なまま過ごす時間が、こちらにも伝わってきた。



第2章、第5章は、悠子の母親・都の語り。
家族は無事で、娘の夏子家族の家に居候させて貰う。
妹の由美子が津波の犠牲になったと知り、由美子の生前のことをあれこれ思い出す。


第3章、第6章は悠子の妹・夏子の語り。
親戚の葬儀を合同で行うという日に仕事で来られない姉に違和感を抱く。
姉から以前教えて貰った青と白の横断幕のことを思い出す。
それは浅葱幕と言い、土地によっては、100歳を越して亡くなった人の葬儀に
おめでたいという意味でそれを使う風習があると。



色々な人の視点で語られる3.11。
命が助かった人たちも、親戚や知り合いを誰かしら亡くし哀しんでいる。
これからの生活のことなど不安がいっぱい。
ニュースで復興の兆しなどと言われても、自分たちは何もあの日から変わっていない
という言葉が胸に刺さった。


今も尚、色々な苦労があるんだな。

宮城出身の著者だから書けた物語ですね。
辛い話ですが、読み応えありました。
他の作品も今後、読んでみたい。



                          ★★★★ 



発行年月:2011年3月

記念の品を残そう。最後の小学校生活、わたしがここにいた証として。

1年間限定で山奥の学校に引っ越してきた少女と木の触れ合いを叙情豊かに綴る、坪田譲治文学賞作家の新作!

鮮やかな手つきに目を見張った。木片は、あっという間に女の子の形に変わり、それをわたしに差し出す。ありふれた形だけどすぐにわかった。ボブヘアにスカート。太めの脚に大きな足。「これ、あたしだ……」――<本文より>

                     (講談社HPより)




12歳の小学生立石美楽が主人公。
父親が山奥にある高校の英語教師として赴任したので東京から引っ越して来た美楽たち。
生徒たちは、日本全国から集まっていて、地元の生徒以外は寮に住む。
美楽たちは特別に学校内の敷地に暮らし、美楽はそこから地元の小学校へ。

最初は、東京と大違いの暮らしに不満だらけで、すぐにでも東京に帰りたいと
思う美楽。

でも、明野工房を知り、そこで木工工芸家の伝さんに出会い、木工にはまる美楽。

父親の教え子たちや、小学校の子たちとも徐々に人間関係を築いていくなかで
山の暮らしに馴染んでいく様子が楽しい。

特にクラスのお嬢様・優美や父親の教え子・山田との関係が今後も続きそうな予感。

東京で再開編なんて続編、出ないかな?


                        ★★★★
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