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読んだ本の感想あれこれ。
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516ttObkOOL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年6月


ネコのチマキの目から見た「宝来家」の毎日。
人間って、わからないけどたのしいかも……。

小巻おかあさんの家で飼われることになったチマキ、ノリマキの迷いネコ兄弟。複雑な関係だけど仲良しな大家族「宝来家」で、食事を一手に引きうけているのはおかあさんの息子・カガミさん。家族の健康を第一に、カガミさんは美味しくて身体にいい食事を黙々と作り続ける。もうひとつ、カガミさんが気になるのは、中学・高校の先輩で宝来家に居候している桜川くんの存在なのだが……。

春野菜のドライカレー、玄米甘酒ひんやりスイーツ、かぼちゃの豆乳ポタージュ、きのこたっぷりごはん……おうちの中はいつもいい匂い!


                                     (講談社HPより)

猫目線で描かれる宝来家の人々の日常がとても楽しかった。
猫の名前は、チマキとノリマキ。
飼われることになった家のお母さん(小巻)は、翻訳家で、フランスの家庭料理本や手芸小物の翻訳を手がけ、自分の日常を「コマコマ記」として執筆中。
それを真似てチマキも宝来家の様子を「チマチマ記」として語る。

宝来家の家族は一風変わっている。
小巻の夫は既に亡くなっているが、その夫と前妻の息子・樹(いつき)夫婦の子どもで小学生の曜(ひかり)=(チマキはだんご姫と呼んでいる)が、同居。
曜の母親は美術商でパリ暮らし。父親の樹も単身赴任で京都に居て休みが取れると宝来家に戻ってくる。

で、一家の台所を預かっているのは、小巻の息子の鏡(かがみ)。
日夜、美味しい物を宝来家の家族のためにセッセと作る。

目次を最初に見たときからワクワク
1.Eayly Spring 朝ごはん
2.spring 昼ごはん
3.Early Summer 飲茶パ-ティ
4.Summer ちびっこたちの昼ごはん&おやつ
5.Autumn ピクニック
6.Late Autumn 香ばしいごちそう
7.Earyy Winter お楽しみ会
8.Midwinter 冬ごもりのマキ

チマキとノリマキは幸せだなぁ~。
人間たちの食べ物は勿論、おいしそうだったけど、兄弟のための、ごはんもとっても美味しそうで愛情いっぱいなかんじでした♪

そうそう、これは試してみたいと思ったもの。
納豆に粒マスタ-ドとバルサミコ酢。

ちょっと予測できないけれど、きっと美味しいんでしょう!!

表紙の絵も可愛くていいなぁ~(^^)

いつか、レシピ本も書いて欲しいです♪


                                     ★★★★

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41jwI9D2zsL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年5月


「もしかしたら、きみが二百年まえの風景を見たいんじゃないかと思ったんだ。」

21世紀に生きるぼくが図書室で見つけた金箔押し革装の古書《デカルコマニア》には、亀甲文字で23世紀の不可思議な物語が綴られていた。いったい何故、どうやって!? 書物の電子化が進んだ時代、本はどう読み継がれるのか――。時空を超えて展開される壮大かつ豊饒な物語世界を構築した著者の新境地。

                                            (新潮社HPより)


いや~面白かったけど、頭を使いました(苦笑)。


時間の流れが一定方向でないのです。
デカルコという時間旅行をする装置の研究により、それをある時代では、囚人の刑罰として利用したり、またある時代では、何か目的を果たすために使われたり・・・。

登場人物たちも、それぞれの年代により沢山登場してきて、メモを取っていたので、「あ、この人、前に出てきた〇〇だ!」と気づく楽しさがありました。
そして・・・・この人とこの人が結婚して・・・・つまりこの人は、××××年で・・・・・・だった人ね。
と、まるで本を読みながらある一族の系図を解いていくようなかんじ。

そして、たびたび出てくる、鳥、リング、レモンド-ナツ。

ファンタジ-だけど、SFの要素もあり、そしてお洒落!
長野さんらしい雰囲気はありました。

ちょっと苦労したけど、楽しませてもらいました。

次回は、もうちょい楽して読めるもの、お願いします(笑)


★★★

 

4d39dd79.jpg   発行年月:2010年7月


   「本当に大切な風景は想像の目で見るものなんだ」
   転校先の中学で出会った変わり者の教師の一言で、
   少年は鳥の目で世界を見たいと願う。
  
   伝書鳩を育てる新聞部の少年を描く長野まゆみの最高作。



                            (河出書房新社HPより)


野川とは、ウィキペディアによると東京都を流れる多摩川水系多摩川支流の一級河川だそう。
まだ見たことないけど、これを読んでいたら、その川に沿って歩いてみたくなりました。

最初のペ-ジから、川べりの風景が頭のなかに自然に浮かんでくるような描写で、
「あ~いいなぁ~」と思いました。

主人公の井上音和は、中学2年生。
両親が離婚し、父親とともに都心のマンションから父親の実家のある都心から少し離れた町のボロアパ-トに引っ越して、学校も転校。

転校した学校で、先ず出会ったのが3年生の吉岡。
そして、担任の河井先生。国語の教師。

この二人との出会いが音和には、大きな転機になったよう。

吉岡が部長を勤め顧問が河井の新聞部に入部することになり、すぐに新部長となる音和。

ここの新聞部の活動は、紙面を活字で埋めることではなく、通信手段として昔から使われていた鳩を訓練することが主。
伝書鳩は知ってるけど、実際に訓練するって、面白そう!
野川に沿って歩き、目的地から鳩を放つ。
鳩は決まったル-トで学校の鳩舎に戻る。

どうして鳩は、元に戻れるのか?
顧問の河井先生の話もとても興味深かった。

受験に役立つかどうかは、わからないけど。。。。と前置きしながら話してくれる事が、ホントに面白い!
こういう先生が居たら、きっと人気者になるだろうなぁ~。
もっといろいろ聞かせて欲しい!と思ってしまったほど。

音和の父親のこと、吉岡先輩のお兄さんのこと、ちょっと辛いことを経験した二人も
前に向かって進んで行くんだなとわかってよかった。

都心から越して来た頃の様子と音和自身も、なんだか逞しくなった様子。
良い人間関係があると人は、つらい現実があっても前に進んでいけるんだな~と
再認識できたかんじの物語。

清々しい読後感でした!

★★★★
a7545049.jpeg発行年月:2009年11月


進学のため上京した鳥貝は、大学で出会った学生に、ある男子寮を紹介される。二階建ての洋館に住まう“おとな”な男たちに鳥貝は翻弄されるばかり・・・。生意気で才気溢れる青年たちと素直で愛らしい少年。

長野まゆみワ-ルド全開。

                   
(筑摩書房HPより)


楽しかった♪
こういう話、大好き!

東京の大学に進学が決まった鳥貝。誕生日が3月なので、まだ17歳。
まだ住む所が決まらず、大学の下見を兼ねて斡旋している物件はないものか?と思っていると一人の男子学生が「学友クラブを訪ねたらいい」とアドバイス。
そのアドバイスに従い、訪ねると、男子寮が空いてたはず。家賃は1万で・・・・・と願ってもない好条件!しかし、寮長の面接があると言う。その前に先ずは実際、見てみなくてはと寮を訪ねそこで出会う寮の面々。

実は最初に声を掛けてきた学生も、学友クラブと称して鳥貝に男子寮を説明した学生も、寮のメンバ-だった。

登場する名前がみんな珍しい。

安羅(ヤスラ?)、白熊(ハグマ)、多飛本(とびもと)、時屋。
百合子・・・女性?と思ったら、これは苗字で男性だったし・・・^^;


寮を訪ねる鳥貝と寮のメンバ-とのやり取りが愉快。
純情な少年・鳥貝は皆の餌食か?なんてちょっと心配(多少、期待・・・笑)。

いろいろな「?」の部分が話が終盤に差し掛かると、次々、解けてゆく。

最初の「エピロ-グ」の部分の謎も解決。

なかなか美しいお話でした。
「白いひつじ」 「アプリコットパイ」・・・物語の謎のキ-ワ-ドたち。


この表紙がまた美しい。
最初、ひつじ雲の写真?と思ったけど、本の最後に
装画 ヴィルヘルム・ハンマ-スホイ 「ライアの風景」とありました。
これは絵画なんですね~。

いいな。この表紙。


長野作品は、大抵どれも好きだけど、これはもしかして、わたしの中では一番かも!


★★★★★

0aea7829.jpg発行年月:2009年10月


若くして逝った姉。遺された義兄(あに)と私。
一軒家でのふたり暮らし、会社での秘められた仕事。
不可思議な事件の数々。--------


                     (講談社HPより)


義兄と住んでるのは、男性です。
ま、長野さんのお話には、男の人が男の人を慕い焦がれる話は多いので、なるほど、今度の話はこういう設定ですか・・・なんて思いました。

一軒家に一緒に・・・とは言え、元々、姉と義兄は結婚していて夫婦の新居に二世帯住宅として住まわせてもらっているというかんじ。

義兄は、義弟の感情に気づいているのかな?
気づいていながら、振り回しちゃってる風にも見受けられて、ちょっと義弟のわたしが気の毒だったかな?

わたし(義弟)の勤める会社での立場もなんだか微妙で・・・縁故入社という経緯があり、直属の上司は副社長のY。
同期入社の優秀社員・M。
このYとかMとかのイニシャルの名前は、後に名前が明かされるのだけど、こういうイニシャルだと秘密めいた雰囲気があって、面白いな。
以前、有名な作家の作品(なんだったか?思い出せないけど・・・)でも使われてたっけ?
主人公の「わたし」の名前も最後の最後でわかって、スッキリ(笑)

会社のなかでも、義弟は、不思議な位置。
Yからの言いつけで行なう仕事は、探偵まがいのもの。
その先で起こるちょっとした出来事も妙なもの。


最初から最後まで、現実の話なのに、やはりどこか自分が今いる場所とは異質な世界の雰囲気で、上手く言えないけど、読みながらそういう雰囲気を満喫できて満足!

長野ファン以外には「どこがいいのかわからない」と評されそうな気もするけど・・・^^;

表題の「レモンタルト」は亡くなった姉が好きだったもの。

亡くなった姉の存在が、結構、活きていたかんじも良かったな。

長野さん、またまた新刊出たみたいで、早々に図書館予約入れました!

★★★★





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