翻訳本の仕事に憧れて入社した世里が配属されたのは、ファッション誌の編集部。そこで見たファッション誌の華やかな表舞台と、嫉妬渦巻く裏舞台。そして・・・・
完全無欠の鬼編集長 VS. ファッションに興味のない新人編集者
一流ファッション誌を舞台に、女たちの華やかな戦いが始まる-----
(ポプラ社HPより)
主人公の小島世里は、元々文芸志望で入社したのに、なぜか全く興味のない女性ファッション誌「ダリア」に配属されて、数ヶ月前から、読者モデルが登場するペ-ジの編集を担当している。
華やかなファッション誌で働く女性たち。
ファッションに疎いとホント、大変だろうなぁ~なんて思いながら楽しく世里の奮闘ぶりを読んでいました。
そして、途中からある謎が登場。
以前「ダリア」の特集記事のカメラマンとしても仕事をしたという二之宮伸一の死。
川に転落しての事故死とされているが、そこには、何か隠された真実がある?
父親の不審な死を突き止めたい、中学生の息子の太一と世里が知り合い、二人でそれを追求していく。
二人の関係がなかなか微笑ましいかんじでよかった。
姉と弟みたい。
メ-ルしたり、時にはお互いを頼ったりしてしていて。
死の真相は、途中で大概、予想出来る物でしたが、最後まで、結構楽しめた。
真相を知った太一くんの心境を考えると、とても気の毒ですが、気になっていたことが解決したのは良かったのかな?
表題になっている「マノロブラニク」・・・どこかで聞いたなぁ~と調べたら、映画にもなった海外ドラマ「SEX&CITY」のなかでキャリ-が集めていた靴のブランドだったのね!?
ヒ-ルが高く靴華奢なかんじは女性らしくて見ているだけでため息が出そうに素敵!
あ~一足くらい、わたしも欲しいな。
なんて思うけど、履いていくところがないか?(笑)
スラスラ読めて(頭を使わず^^;)、なかなか楽しめた1冊でした。
★★★
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水しずくのぴしゃんちゃんとぼくの物語。
町はずれの借家に越していた「ぼく」は、薬草を売りながら、その日暮らしを送っていた。ある日、庭の葉っぱにいる水しずくに話しかけられる。
(小学館HPより)
可愛らしい絵は、著者本人によるものだそうです。
カラ-のイラストが中に幾つかあるのですが、とても可愛いのです!
そして、水しずくのぴしゃんちゃんとぼくの関係が、なんだか良い感じ♪
「ぼく」というと子どもみたいですが、立派な(?)社会人で、働いています。
「ぼく」のこれまでの経緯はちょっと変わっていて、何かちょっと責任あることを任されるたびに逃げ出す事を繰り返してきた男。
ゆえにジョ-ハツと呼ばれる。
最初、ぴしゃんちゃんに会ったときの会話もおもしろかった。
しずくなんだから蒸発するんだろ?と聞くとぴしゃんちゃんは「わたしは蒸発しない」と言い切る。
しぐさは可愛らしい女の子(?)なんだけど、ちょっと生意気な口調でジョ-ハツはまるで、ぴしゃんちゃんの家来の様子。
何度か職も変えたジョ-ハツが最終的に選んだ仕事は、くすり草採取。
それを薬草屋さんとハ-ブ屋さんに持って行き、売る仕事。
ぴしゃんちゃんは、ジョーハツの肩に乗ったりして一緒にお出かけ。
蒸発しないと言った、ぴしゃんちゃんだけど、最後は蒸発していく。
その前に二人が交わした約束のような会話もよかったぁ~
かわいらしくて、夢があって、ちょっとせつない、素敵なお話でした。
初めて読んだ、作家さんでしたが、好きだな。こういうかんじ。
他の作品も読んでみよう!
★★★★
『ゆれる』で世界的な評価を獲得し、今、最も注目を集める映画監督が、日常に潜む人間の本性を渾身の筆致で炙りだした短編集。
『ディア・ドクタ-』に寄り添うアナザ-スト-リ-ズ。
(ポプラ社HPより)
『ゆれる』は映画も本も読みました。
人間の内面にある心理の揺れを描いて、映画も本もそれぞれに感動しました。
この作品も人間の内面にあるものが、よく描かれていました。
短編集ということで、5つのお話。
「ありの行列」「ディア・ドクタ-」「満月の代弁者」は、都会の最先端医療の現場でない場所(僻地)での医療に臨む医師たちが描かれていました。
映画化された「ディア・ドクタ-」は、まだ見ていませんが、ここでは、主人公の目線でみた家族の姿が描かれていて、医師を目指しながら、違う道に進ん兄に対する憂いなどが伝わり、切なかった。
最初の話「1983年のほたる」は、病院は出てこなかったかな?・・・・^^;
もしかしたら、映画「ディア・ドクタ-」に関わる人物の子ども時代?
主人公の女の子は小学生で、都会じゃない村のなかでいろいろ彼女なりに、考えがあって努力し、自分の道を進んでいく。
高校生になった彼女が生き生きして、かつて自分より高いところに居たような同級生と対等に付き合っている様子は、読んでいて気持ちよかった!
一番個人的に好きなのは「ノミの愛情」、かなり自尊心も高い外科医の夫とナ-スの妻の話。
日常のやり取りもなかなか面白いけど、夫の具合が悪くなり、救急車を呼ぶ呼ばないの問答。
自分が元看護師なので、もしも・・・夫が医師で同じ状況になったら・・・
なんて、つい想像しちゃって可笑しかった。
短編集なのに、ひとつひとつの話の中の人物たちの心境やらその置かれた状況が、
すごくよくわかって、映画監督だからなのか?
その状況が視覚的に浮かぶような表現で、どの作品も良かった。
映画『ディア・ドクタ-』も見てみなきゃ!!
★★★★
神の手を持つ医者はいなくても
この病院では奇跡が起きる。
夏目漱石を敬愛し、ハルさんを愛する青年は、
信州にある「24時間、365日対応」の病院で、今日も勤務中!
(本の帯文より)
著者もこの物語の主人公・栗原一止と同じく、信州の一地方都市の病院で働く現役の医師。
物語は、著者の経験した事を基に、地域医療に携わることの必要性など、自身の置かれた立場からの考えなどを記しているのかな?
堅苦しくなく、病院の患者さんと接する場面を見てもとても温かいものを感じました。
最先端技術を駆使した医療機械を使い、高度医療を日々行う医師も勿論、必要ですが、ここではちょっと違う。
病気を治すのは勿論ですが、病気そのもの以上に患者さんを一人の人間として診ている医師の姿がありました。
末期癌の安曇清子さん(78歳)との関係は、ホント、医師と患者の理想の姿でした!
泣けます!
ここまで医師を信頼する患者さんと、ここまでその人の一番望むものは何か?と考えての治療をする医師の姿。
読む人に、「あ~こんなお医者さんに自分も最期を診て欲しい!」と思わせます。
主人公の医師の病院を離れた場所での人間関係も素敵で、可愛い奥さんと、同じアパ-ト内の住人たちとの関わりがユ-モラスで温かいのです。
ちょっと変なんだけど・・・それも含めていいかんじ♪
夏目漱石を敬愛する主人公の為、物語の文はクラッシック。
きっと著者本人がそうなのでしょう。
著者の名前からしてね・・・・(^^)
初投稿の本作品で 第10回小学館文庫小説賞を受賞だそうです。
続編もありそうということで、今後が楽しみな、お医者さまの作家さんがもう一人誕生しました!
★★★★
追い詰められた者たちが見つけ出した答え。
善意に満ちた悪
驚愕の心理サスペンス長編
(講談社HPより)
文庫化されたものが2009年4月に発行されているそうで、主人が「本屋の店員のPOPに10年に一度の傑作ってあったから読んだけど、なかなか面白かったよ」というので、わたしも読んでみました。
なるほど!これは面白い!
物語は3つの章に分かれています。
Ⅰ 教唆
Ⅱ 隠匿
Ⅲ 転落
Ⅰでは、あるホ-ムレスの語りで、食べる物を探すことが生きる為には必須の毎日の中で、偶然、出会った小学5年生の少女から食べものを貰い、そのお返しに彼女の下僕となった「ボク」
Ⅱでは、ボクを周囲には内緒で匿う女性との関係
Ⅲでは、ボクと匿った女性とが、関わった共通のある事件についての真相
こんなかんじかな?
これは、あまり説明するとこれから読む人の楽しみ(恐怖)を奪うことになるので、あまり書かないけど、兎に角、予想を覆す事がどんどん出てきて、読み進めるのが楽しみだった。
職場や、親戚や、近所、周りの人間たちの言葉や態度で追いつけられていく果てに起こすことって、恐ろしい。
誰の身近にもありそうな事だけに、背筋がゾクゾクした。
読みながら感じた「?」の幾つかは、段々に明かされるが、全ての「?」が明かされずに終わるため、読後もモヤモヤした違和感が残るのだけど、それも含めて面白かった!
この著者のほかの作品も読んでみようかな?
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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