発行年月:2018年4月
ブナの樹の上に暮らす忘れっぽくて気のいいリス。知っていることが多すぎて、頭の重みに耐えかねているアリ。始終リスを訪ねてきてはあちこち壊す夢みがちなゾウ。思いとどまってばかりのイカ。チューチュー鳴くことにしたライオン。……不器用で大まじめ、悩めるどうぶつたちが語りだす、テレヘン・ワールドへようこそ!
(新潮社HPより)
「ハリネズミの願い」と同じ動物たちの物語。
今回はリスが主役?
優しいリスは、動物たちの相談相手になってあげている。
リスの家に訪ねて来て、自分が悩んでいたり疑問に思っていることを話す。
リスの良いところは、否定しないこと。
一緒に悩んであげたり、考えてあげたり。
特にアリとは親交が深そうで、旅に出ると言っては出かけていくアリの姿を
じ~っと見守り、段々姿が見えなくなっていく様子に「帰って来て」と
思わず言ってしまって、それで戻って来たアリからそのことをダメだと
注意されて、反省。
次は何も言わずに見送るけれど、心のなかで「戻って」と思い、それをまた
引き返したアリに思う事もダメだと言われちゃう。
なんだか可愛い。
アリもリスの元を離れたくないんでしょ!?^m^
色々な動物が色々と真剣に悩んでいることがあるって、想像するだけで
楽しい。
本人たちは大真面目なんだけど、思わずクスッと笑えるお話の連続で
癒された。
イラストの可愛さもいいですね♪
★★★★
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発行年月:2017年8月
サンクトペテルブルクに生まれ育ち、ロシア革命にともなってオランダに帰国した祖父が「ぼく」だけに語ってくれたこと。ゴーゴリの『外套』より悲惨、どこにも救いはないのに、なぜか可笑しく滑稽な人生の悲喜劇。『ハリネズミの願い』の作家テレヘン自身がもっとも愛する宝箱のような掌篇集。
(新潮クレスト・ブックスHPより)
ロシア革命の翌年、オランダに亡命した一家。
おじいさんは孫に多くの物語を語る。
子どもが喜ぶような楽しい話ではなく、哀愁に満ちた話が多く
残酷なものも。
多くの話のなかで<クマの話>が印象的だった。
どんなに食べても空腹がおさまらないクマ。
いろんなものを食べ尽くす。
仲間のクマをも食べる。
申し訳ないと思いながら、そんな自分に辟易しながら・・・
これは、著者が祖父から聞いた話を思い出しながら書いたのだと想像していたけれど
違ったよう。
訳者の解説で書かれていたことにビックリ!
そうだったのかぁ~。
淡々とひとつひとつを読んでいたけど、どれも独特の雰囲気があって
面白かった。
★★★
発行年月:2008年9月
父親の仕事のため,大都会ベルリンから突然見知らぬ土地へ引っ越してきたブルーノは,巨大なフェンスのむこう側にたたずむ少年と出会う.ふたりの間には友情が芽生えるが,やがて別れの日がやってきて…….ホロコーストを背景にした異色のフィクション.アイルランドでベストセラーになり,30カ国以上で出版された話題作.
(岩波書店HPより)
先に読んだ、『ヒトラーと暮らした少年』が良かったので、同じ著者の
過去の作品にも興味があり、読んだ。
こちらの方が、辛かった(/_;)
表題から予測出来るけれど、縞模様のパジャマの少年は、シュムエル。
ポーランドから来たユダヤ人で、収容所にいる。
フェンス越しに彼と友達になったブルーノは、父親が収容所の管理する側の人。
ベルリンから家族で、引っ越してきた。
引っ越しの前、総統が家に来て、父親に任務を命じたから。
引っ越した家の周りに他の家はなく、窓から大勢の人が、同じ縞模様のパジャマを来て
不思議な場所が見える。
ブルーノには、それが何なのか、理解出来ていない。
そして一人で探検に出かけ、フェンス越しに男の子が居るのを見つけ声を掛ける。
2人は、会話する。ブルーノはそちら側には子どもも沢山、いていいなと。
ラストは、どうなる?
気になって、二人の友情は永遠には続かないとわかっていたけど、
こういう結末だったのか!?
ただただ辛い。
純真無垢な少年たちの哀しいラスト・・・(;O;)
映画化されているそうだけど、見てみようかな?
辛いから迷うけど・・・
★★★★★
発行年月:2018年2月
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発行年月:2017年6月
旅先の美術館で突然再会した一枚の絵。一糸まとわぬ姿で軽やかに階段を下りてくるのは、忽然と姿をくらませた謎の女。40年の時を経て、ほろ苦い記憶が甦る。あの日、もし一緒に逃げることができたならば――。その想いを、物語にして伝える時がやってきた。人生の終局の煌めきを美しく描く、ベストセラー作家の新境地。
(新潮クレストBOOK HPより)
これは簡単に言うと四角関係の話かなぁ~?
主人公の「ぼく」はドイツ在住の弁護士で、仕事で訪れたシドニーで1枚の絵を見る。
そこに描かれているのは、階段を下りる裸の女性。
その絵と女性についての40年前の記憶が蘇る。
40年前の出来事と現在がごちゃごちゃして、ちょっと慣れるまでは読みにくかった。
でも、これシュリンクにはよくある手法なので我慢。
絵のモデルの女性は、イレーネ。
40年前、グラトラッハ氏という裕福な男の妻で、画家のシュヴェントに妻の肖像画を
描かせた。
シュヴェント氏とイレーネが恋仲になり、描かれた肖像画の所有権についての争いに
巻き込まれたのが「ぼく」。
そして「ぼく」もイレーネに好意を抱くようになって・・・・・
イレーネっていう女性の魅力がイマイチわからなかったけど、男3人が夢中に
なるのだから魅力的なんでしょうね~。
で、40年後の現在。
イレーネを探す「ぼく」・・・・・名前出てこなかったような。
しかも歳はもう70歳くらい?
丁度、著者・シュリンクと同年代かな?
イレーネは寂しく独りで生活。
しかも余命短い病気。
「ぼく」は、イレーネのそばに最期のときまでいることに。
こんな献身的介護、出来るって凄いな。
それだけ強烈なイレーネに対する想いがずっと持続していたなんて。
3人の男のなかで一番の愛情を注いだってことね~。
ラストはこれまた衝撃的。
訳者あとがきで、実際に影響を受けた絵画の存在が紹介されていた
「エマ。階段を下りる裸婦」・・・・検索してみたら
ああ、なるほど、これは想像力を掻き立てられそうな絵だなと思った。
イレーネの最期も、それを想像させる絵が頭に浮かんだけれど
なんという絵だったかな?
後で検索してみよう。
シュリンクが書く物語は、切ないな(/_;)
これも映像化されたらいいな。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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