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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年1月


 人生50年。少女時代の思い出から踏みしめてきた女の踊り場、抱腹絶倒の人生の極意まで──。ともに読書家として知られる作家とエッセイストが、本と人生を名著とともに語り尽くす、滋味あふれる対話集。  

               (集英社HPより)    





平松洋子さん・・・1958年生まれ。岡山県倉敷市出身。

小川洋子さん・・・1962年生まれ。岡山県岡山市出身。

二人の洋子さんが、幼い頃に読んでいた本、少女から大人になる頃読んだ本などなど
今までの人生を振り返りつつ本の話をする。
楽しい対談形式の本でした。


小川さんと同年でしたので、子どもの頃の話など、共感するものが多かった。

幼い頃読んだ本もお二人と共通のものが多く、ああそうそう!
そんな風にわたしも考えた!と嬉しくなったりして。

点子ちゃんとアントン(ケストナー)、ノンちゃん雲に乗る(石井桃子)
いやいやえん(中川季枝子)、にんじん(ルナアル)。

これらは、表紙の絵や、その本を読んでいた情景まではっきり思いだせる。
懐かしさでいっぱいになりました。


本の話も面白いのですが、二人のそれぞれのお子さんとの話も良かった。
第四章の「人生のあめ玉」
平松さんは、娘さん。小川さんは息子さん。
それぞれのお子さんが小さい時の話を人生のあめ玉と呼び、今も時々思い出して
いるとか。
なるほどね、子どもが小さい頃、言った言葉で印象的なものってあめ玉を舐めるように
じわじわ嬉しい気持ちが沁みてくるもの。
いいなぁ~こういう表現!と感心しちゃった。


お二人が感銘を受けた本で読んでいないものは、いつか読んでみよう!

特に気になったのは、みちのくの人形たち・深沢七郎/著
忘れないようにメモしておこう。



                        ★★★★★
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発行年月:2014年6月

あのひとがほしい、どんなことをしても――。
今最も注目される女性作家・窪美澄、千早茜、彩瀬まる、花房観音、宮木あや子の5人が「略奪愛」をテーマに紡いだ、書き下ろし恋愛官能小説集。

                   (河出書房新社HPより)




<朧月夜のスーヴェニア  窪 美澄>

家族から認知症と思われている老女。
孫娘に乱暴な介護を受けながら、冷静に孫娘の行く末を案じながら
かつて自分が愛した男のことを思い出す。


<夏のうらはら   千早 茜>
バイトに来ている人妻・明菜と関係を持つ恭一。
高校時代、密かに思いを寄せた絹子が地元に帰って来たと明菜から聞く。
傷ついている絹子に近づく恭一。



<かわいごっこ   彩瀬まる>
姉の家で飼っていた文鳥を代わりに飼うことにした弘樹。
同棲中の若菜は、弘樹が文鳥に「かわいいな~」と言いながら戯れる様子を
冷ややかに見ている。



<それからのこと   花房観音>
兄の親友だった平丘と大輔。
兄が大学卒業前に事故で亡くなり、気落ちした自分を兄に代わって慰め勇気づけて
そばにいてくれた平丘と結婚。
大輔もその結婚を薦めてくれた。
が・・・平丘との生活にやや不満のような気持ちを抱き前から自分も好意を
持っていたと言う大輔に気持ちが傾く。



<蛇瓜とルチル   宮木あや子>
芸能界で衣装を提供する仕事をしている真崎。
学園ドラマの生徒役の久永正樹15歳にときめく。



どれも官能的で女の怖さを感じさせる話でした。
狡猾な女のしたたかさみたいなものを感じた。
ああ、男に生まれなくて良かった。
こんな女たちに関わりたくないわ~^^;

面白かったけれど、感動は全くなしでした。

                             ★★★

 



発行年月:2006年3月


 「FRaU」「Style」「ViVi」「VoCE」「with」連載リレー企画から誕生
「日産マーチ」とのコラボレーションで人気集中の雑誌連載から生まれた女性のための、美しく切なく心に響く1冊。読んでうるおう、心の「美容液」

響くエンジン音。行き先を決め、ハンドルを握っているのは“私”
「恋」から「愛」にシフトできない、不器用でチャーミングで我がままなすべての女性へ

                        
※特製刺繡しおり紐、奥 華子スペシャルCDつき


                         (講談社HPより)


なかなかオシャレな本でした♪
6人の作家さんが描く、女性たち。
少し切なかったり、微笑ましかったり。

やはり最初の角田さんの物語<ふたり>と谷村さんの<風になびく青い風船>がいい!

角田さんの<ふたり>は、結婚3年目の夫婦の喧嘩が描かれている。
売り言葉に買い言葉で、家を飛び出した妻。
車に乗って何処までも行ってやろう!と意気込むけれど・・・

ああ、こういう気持ち何となくわかるわ~。
女性なら共感しちゃう部分、多々あると思う。
最後は、丸く収まってホッ♪


一方の谷村さんの<風になびく青い風船>は、切ない。
35歳で一人パリに来て、先行き不安なところで偶然、出会った犬のブラン。
放っておけずに連れて行き、でもそのおかげでいろいろな出会いがあり幸せな日々。
でも別れなければならない事態に・・・。

なんか、パリとか行ったことないけど、情景が目に浮かんできた。
美しい夕日とか・・・。
優しくて切ない物語でした。


他の方たちの話もそれぞれ良かった。

付録のCDも素敵でした!
奥 華子さんの声、良いですね~(^^)
彼女のほかの曲も聞いてみたくなりました。


栞も可愛くて、写真もオシャレで女性好みの1冊ですね~。

   

                              ★★★★





発行年月:2014年1月


 ふたつの才能が挑んだ
シナリオなしの真剣勝負。
全5幕。

「ないものを探してください」。
小川洋子の描く人物たちの依頼に、クラフト・エヴィング商會が応える。
ふたつの才能が真剣勝負で挑む、新しい小説のかたち

                   (筑摩書房HPより)


小川さんとクラフト・エヴィング商會が、コラボするとこんなに素敵な
芸術作品のような1冊ができるんですね~とただただ感動!

5つの探し物をクラフト・エヴィング商會に依頼する・・・注文書
そして、目当ての品を見つけて届けてくれる・・・納品書
それを受け取っての感想など・・・受領書


探し物は、皆、それに関係する小説がある。


<case1 人体欠視症治療薬   『たんぽぽ』川端康成>
<case2    バナナフィッシュの耳石   『バナナフィッシュにうってつけの日』J.Dサリンジャー>
<csse3    貧乏な叔母さん   『貧乏な叔母さんの話』村上春樹>
<case4     肺に咲く睡蓮   『うたかたの日々』ボリス・ヴィアン>
<csase5   冥途の落丁   『冥途』内田百聞>



どれも素敵でした。
小川さんの文章、クラフト・エヴィング商會の文章・・・・相乗効果でちょっと不思議で
ユーモアもある独特の世界観。
9年の年月を要して作られたと知り、納得です!!


一番好きだったのは、三番目の貧乏な叔母さん。
4歳の時から19年間いっしょに暮してきた郵便配達人だった祖父を亡くし、
悲しみにくれる日々のなか、突然、現れたおばさん。
「あなたは誰ですか?」の問いに、おばさんは「村上春樹氏の『貧乏な叔母さんの話』を読めば
わたしのことが書いてある」という。
そして突然、姿を消す。

郵便配達人という仕事だからこそ、過去と未来と現在を繋ぐ不思議なことも
納得できるオチ。
なんだかファンタジックなかんじで良かった!


最後の小川さんとクラフト・エヴイング商會のお二人との座談会のような
章も面白かった。

またいっしょに何か作って欲しいなぁ~。


                          ★★★★★





発行年月:2013年5月

注目の作家たちが、隅田川近くの下町を舞台に、もうひとつの「東京ホタル」を描く。
温かな感動が広がる、極上のアンソロジー。

                 (ポプラ社HPより)


「東京ホタル」・・・2012年から毎年開催される。
隅田川に10万個のホタルに見立てた「いのり星」を流すイベント。

5人の作家さんが、ひとつのテーマ「東京ホタル」を元に書いた物語。


<はぐれホタル・・・・・中村 航>
大学の演劇サークルの同期生7人が仲間の結婚式で再会。
就職して3年。それぞれの近況報告。
章吾はその頃、つきあっていたサトミと三次会のあと、海に向かって歩く。
かつて約束していた事は「ホタルを見に行こう」


<蛍の光り・・・・・小路幸也>
東京で独り暮らしのおじいちゃんと同居が決まり、家族で引越すことになる。
おじいちゃんは昔、和食屋さんをやっていた。
そんなおじいちゃんのお話。
料理人になった経緯には、温かい人との繋がりがあった。


<夏のはじまりの満月・・・・・穂高 明>
電車のなかで偶然、再会したのは高校時代、仙台に住んでいたときの同級生。
彼女の話から懐かしい高校時代のことを、いろいろ思い出す。
震災で自分は東京に引っ越したが、あれから10年のときが過ぎていた。


<宙色三景・・・・・小松エメル>
東京ホタルのイベント見学のため隅田川を訪れた。
教師を定年退職し10年。
今日は、孫の清を連れてきた。
途中、清との会話に違和感を感じ、過去の父親とホタルを見に行った
ときの思い出が鮮やかに蘇る。


<ながれぼし・・・・・原田マハ>
流里は付き合って7年の志朗と妊娠を機に結婚することに。
二人で記念の旅行で鬼怒川温泉に行き、そこの宿の仲居であった母親と12年ぶりに
偶然、会う。
流里の両親は離婚し、流里は高校1年のときから父と暮らしてきた。
後日、改めて母親に会い、離婚のときの話を聞く。


どの話も短いけれど、ジ~ンと沁みるお話でした。
特に今回、初めて読んだ作家さん小松エメルさんの<宙色三景>が良かった!
三代に渡って繰り返される同じようなホタル見物の思い出話。
ちょっと不思議でファンタジックな雰囲気がよかったなぁ~。
ほかの作品も今度、読んでみよう。


実際の「東京ホタル」のイベントも機会があれば見てみたいなぁ~。


                      ★★★★






 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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