謎の少年と花の少女、奇跡と秘密の物語
〈奇跡の蜂蜜〉を作るポロウ村に転校してきたレオ。
蜂蜜の秘密に関わる旧家の娘サリーは、
以来次々と不思議な出来事に出会う……。
(文藝春秋HPより)
ポロウ村の蜂蜜は有名。
村ではハチを驚かすような大きな音の出るものがない。
ロウゼ家は蜂蜜の蜜になる花や果物を育てる家。
サリ-はそこの跡継ぎ。
ゼンダ家は代々続く養蜂家。
ジャックはそこの跡継ぎ。
そんな村にレオという少年がやってきた。
サリ-とジャックと同年で、3人は仲良しになる。
しかし、レオがポロウ村に来たのには、ある使命のためだった。
とってもファンタジックで、自然豊かな風景が浮かぶような読んでいて気持ちいい物語でした。
日本とは別のどこか外国の昔話というかんじ。
妖精も登場!
外国の児童文学に近いかんじした。
小路さん、こういうお話も書けるんだぁ~。凄いな。
蜂蜜色の表紙も素敵♪
★★★★★
弱小だった神別高校野球部が、北海道の旭川支部予選を勝ち抜いていく――。彼らの不思議な強さの「秘密」に興味を持った全国紙スポーツ記者の前橋絵里は、やがて、ナインが甲子園を目指す特別な「理由」を知ることになる。その「秘密」と「理由」の中心には、見た目はそっくりながら性格は対照的な、エースピッチャーの青山康一とセンターの健一という双子の存在が。二人は、ある事件がきっかけとなって解体させられてしまった児童養護施設〈そよ風学園〉の出身だった……。
(角川春樹事務所HPより)
高校野球の弱小チ-ムのサクセススト-リ-か?
と思ったら・・・・彼らには、抱えている過去があって・・・
でも明るくて野球が大好きで。
彼らに興味を持った女性記者が、彼らにかかわりのある周りの大人たちを調べ、知る事実。
驚きの事実。
北海道の大会を順調に勝ち進み、いよいよ甲子園出場!?
彼らのこれからのことが凄く気になります。
そして、周りの大人たちと彼らの関係も。
これは必ず続編があるはず!
早く彼らのこれからの物語が読みたい!!
野球はあまり興味ないけれど、こういう風に物語になると面白いなぁ~。
高校野球というのがいいんだな。
★★★
うちらは、電車通学のことを、キシャツー、って言う。
部活に通う夏休み、車窓から、海辺の真っ赤なテントに住む男子を見つけて……
微炭酸のようにじんわり広がる、それぞれの成長物語。
(河出書房新社HPより)
北海道の片田舎。
電車通学をする高校生たちの夏休みのひとこま。
登場する高校生たちがみんな良い子たち。
明るくて友達思い。
はるか、このみ、あゆみは仲良し同級生トリオで高校2年生。
はるかの幼馴染で一つ上の酒井良夫(通称、よっしー)とは、タメ口OKの仲。
通学途中、電車のなかから見つけた赤いテントが物語の発端になる。
気になり、そのテントのある駅で降りて偵察するのは、人目を惹く美人な先輩・野島沙絵。
そして、同じ頃、偶然、よっしーと赤いテントの住人は出会っていた。
赤いテントの住人は、東京の高校3年生・宮谷光太郎。
なぜ東京からひとり北海道の海岸沿いでテント生活?
はるか達、高校2年生トリオと、3年生のよっしー、その友達・西遼太郎。
そして野島沙絵が、遼太郎のため、奮闘する物語。
高校生たちの会話が愉快。
楽しそう。
けれど、明るい彼らのなかにも生い立ちに、ちょっとした事情を抱えている子達がいる。
はるかは4歳のときに養子に来た子で、よっしーの生みの母は東京にいる。
そして東京から来た光太郎にも・・・・。
物語には、暗いものが一切ない。
みんな高校生活を満喫している様子が清清しい。
友情っていいな~(^^)
物語の最後には、6年後のことが書かれている。
みんなそれぞれの道を進んだんだな。
でも、高校時代、一緒に過ごしたこの夏のことは、それぞれの大切な思い出なんだろうなぁ~。
いつかみなで再会する日もあるといいな(^^)
とある町の図書館に出没する話虫(はなしむし)。
漱石「こころ」のなかに入り込み名作はメチャクチャに。
架空の物語世界を舞台に図書館員たちの活躍が始まる
(筑摩書房HPより)
本のなかに入り込み、物語の内容を変えてしまう話虫。
そして、話虫は夏目漱石の「こころ」のなかに入り込んだらしい。
その退治のため、図書館勤務のわたしは、話のなかに入り込み、登場人物たちの観察をしつつ、物語が元の内容に戻るようにしなければならない。
話虫を見つけたら、干さなくてはならない。
物語のなかに入り込んだのは、図書館員、糸井馨。
「こころ」のなかに入って、妹尾家に下宿する。
下宿屋の奥さんは、節子さん・・・・「こころ」でも「わたし」が下宿する家の奥さんは節子さん。
節子さんのお嬢さんは、静さん・・・・「こころ」では「お嬢さん」に当たる人。
そして、友達の圖中和生と桑島芳蔵・・・・桑島が「こころ」のなかで「K」とされる人。
それから・・・・夏目漱石やら、石川啄木、小泉八雲まで登場する。
原作の「こころ」では、下宿屋のお嬢さんを巡っての恋のかけひきがあり、それに破れた「K」は自殺するという内容。
その原因を作ってしまった若いころの「先生」はその後、罪を感じて行き、最後は自分も命を絶つというかんじだったと記憶している。
話虫が変えたらしい「こころ」では、そんな暗い雰囲気はなく・・・・話のなかに入り込んだ糸井も「K」は自殺することになっている、桑島を自殺に追い込まないといけないのか?と悩む。
さていったいこの物語はどうなる??
最終的には、誰も死なずによかった。
時空を超えた友情物語として落ち着いたかんじ。
素晴らしいアイデアから出来た物語でした♪
「こころ」をもう一度、読み返したくなります。
逆に読んでない人には、面白さ半減かも?
みんなで暮らせば、なんでもできる。そう思える瞬間が、確かにあった――。

やりたいことも夢も特になし。自慢は家事の腕前だけ。そんな佳人が背中を押されて始めたのは、見ず知らずの男女6人+管理人のタカ先生との共同生活だった。場所は小さい頃に通った医院を改築した、シェアハウス。くらしのルールをみんなで作って、案外、居心地がいいかも。でも――。一歩踏み出す勇気が見つかる長編エンタメ!
(新潮社HPより)
物語の設定は、どこかで似たようなの読んだようなかんじのものですが、
最初から最後まで楽しく読めました。
元内科医院をしていた場所を改装してシェアハウスに。
家主の小助川鷹彦(タカ先生・58歳)は母屋の方で暮らす。
シェアハウス入居者は6名。
・沢方佳人(19歳)・・・昼間は酒屋でアルバイト。タカ先生には子どもの頃、患者としてお世話になった。
・大場大吉(37歳)・・・イタリアンレストランでウエイタ-をしている。
・三浦亜由(22歳)・・・幼稚園の先生
・細川今日子(18歳)・・・駅の本屋さんで働く
・柳田茉莉子(40歳)・・・歯科医院で歯科衛生士として働く
・橋本恵美里(18歳)・・・4月から大学生。
それから、シェアハウスの管理を行っている会社の社員・相良奈津子。
入居者たちは、最初から意気投合して、仲良くなり、ひとつ屋根の下で、いろいろな約束ごとを作りながら良い人間関係を築いていく。
理想的な暮らしぶりで、ちょっと憧れるなぁ~。
話が進むなかで、個人個人が抱えているちょっとした問題が発覚したりで、それらを解決するためにお互いが意見交換したり。
ちょっと出来過ぎなかんじもしたけど、まあ物語としては、読んでいて気持ち良かった。
もしかして、続きがある?
あったら、また読みたい。
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;