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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2024年11月


働くってことは、生きるってことだ。「東京バンドワゴン」シリーズの著者が贈る、高校生たちが大人の階段を上る青春群像。〈カラオケdondon〉の奥まった一室。そこはお客に貸さない部屋。通称〈バイト・クラブ〉のための部室だ。ここの部員になるための資格は、【高校生の身の上で「暮らし」のためにバイトをしていること】。ファミレスにガソリンスタンド、バッティングセンターなどなど。稼いだお金の使い途は学費だったり生活費だったり、将来のためだったり。お金はなくても、ここには私たちなりの「青春」がある。でもある日、そんな日常を一変させるような事件が起こる――。

                    (中央公論新社HPより)




バイトをしている高校生たちが皆、良い子達。

それを見守る大人たちも温かい。


菅田三四郎・・・私立蘭貫学院1年生、三公バッティングセンターでアルバイト
        父親の会社が倒産し父は長距離トラックドライバーに。
        母親は伯父の経営する石材店で事務をすることに。
        学費のかかる私立にはそのままでいいという両親のため小遣いくらいは
        自分でとアルバイトをする。中学までは野球をやっていた。


紺野夏生・・・・県立赤星高校3年生 カラオケdondonでバイト
        母子家庭で母親は保険のセールス。
        父親はヤクザらしいが、自分は一度も会った記憶はない。



渡邊みちか・・・県立赤星高校2年生 ロイヤルデッシュでアルバイト
        中学2年の時に両親が離婚し、母方の祖母と3人暮らし。


田村由希美・・・私立榛学園1年生 花の店マーガレットでアルバイト
        母親は美容関連の会社の社長。父親はそこで営業部長をしていたが
        父は会社を辞め、両親は離婚。
        由希美は父と暮らすことを選び、二人でアパートで暮らす。
        三四郎とは幼馴染。


坂城悟・・・・市立一ノ瀬高校2年生 アノス波坂SSガソリンスタンドでアルバイト
       店長と家が隣。母親の実家で祖父母と暮らしている。
       母親は銀座のどこかの店で働いていて年に数回、帰ってくる。


カラオケ店の店長夫婦は、夏生のように暮らしのためにバイトしている高校生たちの
ためにカラオケ店の1室を貸出している。
そこは<バイトクラブ>として5人の集まる場所に。
ほかにもそこに差し入れをしてくれる人だったり、それぞれのバイト先の大人たちも
彼らを見守っている。
三四郎の高校の担任もここが地元で、夏生の母親や父親の若い頃を知っていたり
なんだかみんな少しずつ繋がっていくのも面白かった。

途中、夏生のヤクザの父親・長坂康二の話になりショッキングな展開になるのは
ビックリだった!
どんな恨みを抱かれていたのか?わからなかったので少しモヤモヤしたけれど
夏生の身に降りかからず安心。

そして、それぞれの高校生たちが、未来ある終わり方で良かった。

小路さんの作品は、最後は丸く納まると思って読んでいるので今回も
その通りになり、ホッ。



                         ★★★★
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発行年月:2021年6月


昭和五十二年。元刑事・蓑島周平と元医者・花の夫婦の駐在生活も三年経ち、すっかり村の一員に。だが相変わらず雉子宮には、事件の種はつきないようで――。冬 木曜日の雪解けは、勘当者病気で倒れた村長さん。そこに勘当された娘が戻ってきた!春 土曜日の来訪者は、スキャンダル世間が芸能スキャンダルに沸く中、村に自称小説家の男が表れて……?夏 日曜日の幽霊は、放浪者山で度々起きるお化け騒ぎ。その悲しき真相は……?秋 木曜日の謎は、埋蔵金村に埋蔵金発掘のテレビが! でもそこにはとんでもないものが埋まっていた……。家族の絆と人の優しさが胸を打つ。「東京バンドワゴン」シリーズ著者による大好評短編シリーズ第三弾。

                     (中央公論新社HPより)


昭和の懐かしい話も出て来て、ほんわか。
村は平和だけど、なにから他所から来る人が、ちょっとした問題を持ち込んでくる。


最初の話は、村長の次女で勘当され暫く村に帰ってきていなかった貴子さんが
登場。
尊重の兄・剛とも和解。
村長と兄は、病で亡くなってしまうのだけど、貴子さんは、これからは、この村に
もっと頻繁に来ることになりそうだな。


二番目の話は、芸能界や政界のスキャンダルが村に持ち込まれる話。

三番目の話は、自殺しようと山に入った男が以前、そこに住んでいて
山のなかで亡くなった男の子(幽霊)に助けられるという話。

四番目は村の山に埋蔵金があるということでテレビの取材まで入るが
人骨(頭蓋骨)が出て、埋蔵金探しは中止になるという話。
これはちょっと切ない昔の村の秘密。
姥捨て山とか、昔は、本当にあったんだなぁ~と考えると今は幸せな時代だな
とつくづく思う。


大した事件は起きないけれど、なかなか面白い。

これは今から40年以上前のこと。
今の村はどうなっているのかなぁ~?



                         ★★★



発行年月:2021年1月


小田原を抜けてしばらく経った頃、国道沿いに元プロレスラーが営む「ルート517」という店が見えてくる。
ドライブインというより、大衆食堂というのにピッタリなため、「国道食堂」という名もある。
この店の食事は、どれも美味しいが、ちょっと変わっているのは、プロレスのリングがあること。
さまざまな人々が集うこの店には、偶然か運命のいたずらか、とんでもないことが起きることがあって……。
好調シリーズの続篇刊行!
CONTENTS
黒岩蘭子    三十三歳 トラックドライバー
加藤和美    三十八歳 保険外交員
池野美智    三十四歳 総合商社徳萬 アグリビジネス部一課マネージャー
高幡しずか   三十六歳 ネイチャーフォトグラファー
賀川みさ子   七十一歳 〈国道食堂〉従業員
賀川ふさ子   七十一歳 〈国道食堂〉従業員
鈴木みのり   二十四歳 株式会社日番印刷 インハウスデザイナー
桜川順子    三十六歳 巡査部長 武蔵野警察署大尽稲荷前駐在所 育休中
小村美也    十七歳  治畑市立東第一高校三年
久田亜由    二十七歳 株式会社ニッタ 機器オペレーター
夏川伊久美   六十九歳 元女優
有宮波乃    三十四歳 茶道講師
高幡しずか   三十六歳 ネイチャーフォトグラファー
黒岩蘭子    三十三歳 トラックドライバー
二方将二    二十九歳 マンキュラスホテル東京 料飲部企画課ディレクター
二方一(将一)  三十四歳 俳優
本橋十一    五十八歳 〈国道食堂〉店主(元プロレスラー)
黒岩蘭子    三十三歳 トラックドライバー

                      (徳間書店HPより)




前作のつづき。
読みながら登場人物たちの記憶が戻ってくる。
みんなここから新しい環境へ羽ばたいていく。
店主の本橋十一が魅力的。

十一の父親の時代から店で働いている71歳の双子の姉妹・ふさ子さんとみさ子さん
の話も良かった。
双子っていいな。


いろいろな人たちが店を訪れて新たな人間関係が出来ていく。


最後の場面、和美さんの元夫が店に来た場面は、ハラハラした。
でも、穏便に和やかな雰囲気で終わったのは、いつもの小路さんらしくていい。
きっとこんな終わり方になるだろうと、わかっていたけど
やはり本当にこうなると嬉しい。
小路作品は、これでいい(^^)


続きはあるのかな?
あれば楽しみだけど、これでおしまいでもいいかな?



                      ★★★



発行年月:2020年1月


賑やかな町を離れ、国道沿いにある通称「国道食堂」。
ドライブインというより、大衆食堂という感じだからか、そう呼ばれている。
おまけに、店の中には、リングがある。
そう、プロレスで使うヤツ。
なぜかというと、店主が元プロレスラーだからだ。
この店の食事は、どれも旨くて美味しい。
だからか、近隣だけでなく、遠くからも客が来る。
その中には、ちょっとワケありな客も……。
ちょっとドキドキわくわくな展開のハートフル小説。

                   (徳間書店HPより)



2冊目も発行してるんだ!
早く続きが読みたい!!


元プロレスラーが営む国道沿いにあるそのまんまの店名「国道食堂」。

最初の話の二方将一(33歳)は、配置薬の営業マンで独身。
優秀だったのに、父親の急死で大学進学をあきらめ、就職。
学生時代付き合っていた彼女は、東大進学。自ら別れを切り出した。
高校時代は演劇部で、今も芝居が好きで、国道食堂にあるリングで一人芝居の
練習をする。



ほかにもここを訪れるお客の話が続き、その人たちの人間関係が
繋がっていく様子が心地いい。

店主の本橋の父親は、店内での喧嘩の仲裁にはいったとき、運悪く、一人が持っていた
フォークが胸に刺さり死亡。
刺した本人は、逃げて逮捕されていないという。


母親も亡くなっているけれど、この刺した人を恨んでいない様子の話は
じ~んと来た。
恨んでもいいと思うけれど、逆にその人のことも気に掛ける優しさ。

本橋もそんな人柄を受け継いでいそう。


二方の俳優としての道も開けそうなかんじで、ウキウキ。




                         ★★★★


発行年月:2020年2月


港町を見下ろす高台にある高級料亭旅館〈銀の鰊亭〉。一年前の火事で当主とその妻は焼死。二人を助けようと燃え盛る炎の中に飛び込んだ娘の文(ふみ)は怪我を負い、記憶を失った。ところが、その火事の玄蕃には身元不明の焼死体があった――。あの火事は〈事故〉なのか〈事件〉なのか? 文の甥・光(ひかる)は刑事の磯貝とその真相を追うことになるのだが……。
「本当に光くんはできる子ですね。大学を卒業したら警察に来ませんか?」

                      (光文社HPより)




明るい料亭旅館の話かと想像していたら・・・なかなか重たい話でした。


漏電による出火とされた焼死者4名の事故だったが、
うち一人に刃物による腹部の外傷があったという事実から刑事・磯貝は、一人で
真相を追っていた。


それに協力する、大学生の桂沢 光。
父親は弁護士で、磯貝刑事とは親友であり、火事で亡くなったうちの二人は祖父母。
自身も真実を知りたいという気持ちが強く、刑事と連絡を取りながら真相を探る。



刑事の磯貝が、なぜ、そこまで真相を追うのか、最初は疑問だったが
読んでいくうちに、その理由がわかった。


事件の真相は、結果的には、ほぼ事実じゃないかというところまで来た推測で終わる。
でも、そこではっきりさせても、誰も幸せにならない。
このままの終わり方がよかったと思う。



光は、いい青年だな。
思いやりもあるし、機転も利く。
磯貝の言ったように、磯貝の相棒としていつか活躍してほしい。


磯貝も真相を追ったが、そこには代償もあった。
正義感が強いタフな人だな。

大学教授の宮島とのコンビ話、またいつか読みたい!



                              ★★★★
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