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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2008年4月

「戦争童話集」として、野坂昭如が綴る平和への願い。この物語に、アニメーション美術監督、挿絵家・男鹿和雄が新たな息吹をもたらす。書き下ろし30点以上のカラーイラストを掲載。また全編を完全英訳した英語版もあわせて収録。

                (徳間書店/発行)



沖縄戦のなかを生きたウミガメと一人の少年の物語。
絵が素晴らしい。
けれど、物語は、戦争の悲惨さを伝えていて、いろいろと考えさせられる。

ウミガメ目線と少年目線。
ウミガメはいつも通り、陸に上がって産卵する。
周りの様子が少し違うな・・・とは思いながら

そして、ガマの中で身を潜めている少年は、そんなウミガメの様子を
眺めている。

産卵を終えたウミガメは海に戻って行く。
そして少年は、ウミガメの卵を守るため、安全な自分の居るガマに袋に入れて
運ぶ。
けれど・・・・守るために運んだ卵を1つ割ってしまい、それを食す。
そして次々と卵を食べる。
そこに罪悪感は一切なく。

少年の行動を責める気にはなれない。
むしろ少しでも空腹が満たされたのなら、良かったとも感じた。

でもそんな少年の変化が戦争によってもたらされたことが何とも切なくなる。

今の平和がこの先ずっと続きますように・・・・と願わずにいられなくなる。


英訳文も載って居る。
イラストも違う物。
色々な国の人が読んでくれたらいいな。


                        ★★★★★
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発行年月:1965年12月

静かな田舎に,ちいさいおうちがたっていました.
まわりに工場がたち,にぎやかな町になるにつれて,
ちいさいおうちは,白いヒナギクの花が咲く田舎の景色を
なつかしく思うのでした.
美しい名作絵本. 

                   (岩波書店HPより)



たぶん、小学生のとき、読んだ以来。
中島京子さんの「小さいおうち」を読んで、映画を見て
そういえば・・・絵本があったなぁ~と思って居たところに主人が
図書館から借りて来たのをわたしも懐かしい思いで再読しました。

ああ、こんな深い話だったんだぁ~。

小さい頃は、ただこの表紙絵が可愛くて何度か開いて絵を中心に見ていた記憶。

ちいさいおうちが、段々と窮屈な環境のなかに居るのが可哀想になります。
が・・・最後は、またのびのびと自然のなかに居られるようになって
本当に良かった♪

人も同じかもね~。
都会に若い時は憧れるけれど、やっぱり自然がないところは窮屈。


やはり絵も素晴らしい!!
大人になってみても、何度もじっくり見たくなる絵です!

この著者の他の絵本も今度、借りてみよう!


                        ★★★★★



発行年月:2013年11月


 3.11の直後、東北に石油や灯油を届けるために、ディーゼル機関車が活躍したのをご存知ですか? 全国から集められたディーゼル機関車たちが、新潟から福島の郡山へと走ったのです。最初に出発したのが、デーデです。途中、雪でスリップし、立ち往生してしまいます。なんとか郡山に着いたときには、予定の時刻を、3時間過ぎていました。それでも、みんな待っていてくれ、とても喜んでくれました。
実話が元になった絵本です。

2011,3.11、東日本大震災で、東北本線、東北新幹線、東北自動車道ともに不通となり、東北への輸送が絶たれました。その時、中越地震を経験していた新潟のJR貨物の方たちを中心に、燃料を届ける取り組みが始まります。電気の通っていない磐越西線を使うため、全国からディーゼル機関車が集められます。また、燃料は横浜の根岸から新潟の貨物ターミナルに運ばれます。運転士さんも急遽ディーゼルを動かす研修をして、震災から2週間、3月26日にディーゼル機関車が10両のタンクをひいて出発したのです

                   (童心社HPより)



こんな風に頑張ったディーゼル機関車と、それに関わった人たちの奮闘ぶりに
胸が熱くなりました。
知らなかったなぁ~。

絵も素晴らしいです!
雪のなかを燃料を運ぶためにひたすら走り続ける機関車の雄姿が眩しい。

災害時、こんな風にいろいろな頑張りがあったんでしょうね。


                           ★★★★★




発行年月:2014年12月

彼の余分な指は自分のためにある、と女たちは信じた
貧民窟で母親の閨の相手をした 多指症の男娼が指を切り落とし、
釧路の夜の支配者へのしあがる――著者新境地の 傑作ノワール、誕生。

                  (文藝春秋HPより)




影山博人・・・不思議な人。

人当たりは礼儀正しく温厚なかんじだけど、行動が突飛。
生まれたときに6本ずつあった四肢の指の両手のそれぞれを失くし
その傷跡が瘤になっている。
容姿が整っているだけに、その瘤が目立ち女たちの記憶にも残る。

そんな博人と関わった8人の女たちの物語。

この表紙写真は、なんだかとても物語の雰囲気に合っている!!

最後の話<いきどまりのMoon>は、読み手によっていろんな解釈がされると
思うけれど、博人は死んだのかな?
でも茉莉との会話には、温かい人間らしい感情が現れていて
幸せになったのかな?と思えた。


                        ★★★★
 



発行年月:2008年11月

善と悪、生と死が交錯する『永遠の仔』以来の感動巨篇! 全国を放浪し、死者を悼む旅 を続ける坂築静人(さかつき・しずと)。彼を巡り、夫を殺した女、人間不信の雑誌記者、 末期癌の母らのドラマが繰り広げられる.

                 (文藝春秋HPより)



読みそびれていた本を図書棚で見つけ借りて来た。
坂築静人32歳は、全国を廻り、亡くなった人を悼み続けている。

最初から、何のためにしてるの?
何が彼をそんな風にさせたのか?
疑問だらけでした。


そして数々の死。
事故死あり殺人あり病死あり・・・・重苦しい話のなかで、唯一明るいのが
静人の家族たち。
でも静人の母・巡子は末期ガンで余命3か月の宣告を受けている身。
そんななかでも前向きで明るい巡子。
何処かにいる静人のことを気にかけている。
彼が悼む人と呼ばれ、マスコミに取り上げられたことを知る。
それを取り上げた記者の蒔野抗太郎とも後半、会う。
その場面は、良かった。
ちょっとヤサグレ感の強かった記者の蒔野が倖世の話から
静人の生い立ちやらを聞いて、今までの思いを変えるキッカケに
なったような場面。
 
 
静人は、旅の途中、夫殺しの罪で服役していた女性・奈義倖世と知り合い
倖世が勝手に付いていくという形で二人連れのかたちで世間からも認識される。
二人の関係はその後変化する?と期待したけれど・・・・。


静人という人が行う「悼み」は理解し難いけれど、死者が生きて居たこと
誰かに愛されていたことを忘れないでいるというのは、死者にとって
嬉しいことだろうなと感じた。


ラストの場面は、感動的で、ジ~ンと来た!

読んで良かった。


                          ★★★★



 
 
 
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