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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年5月


26歳までにプロになれなければ退会――苛烈な競争が繰り広げられる棋士の養成機関・奨励会。リーグ戦最終日前夜、岩城啓一の元に対局相手が訪ねてきて……。追い詰められた男が将棋人生を賭けたアリバイ作りに挑む表題作ほか、運命に翻弄されながらも前に進もうとする人々の葛藤を、驚きの着想でミステリに昇華させた傑作短篇集。
羽生善治氏推薦!! 「棋は対話なり」を連想させる作品集です。凪良ゆう氏悶絶!! 腹が立つほどの傑作。勝負に生きる苛烈さと、その果てにのみ生まれる光に胸が搔き毟られた。

                   (新潮社HPより)




短編集だったのかぁ~。

将棋の話だったのかぁ~。
とやや期待外れではあったけど、結構、面白かった。

最初の<弱い者>は、ちょっと重たいけど、印象的だった。
被災地での話で、プロの棋士・北上八段が対局した少女・塩原涼。
見た目は少年だったので、自分の弟子にしようと思ったのだが、女の子だったと
知る。
なぜ、少年のように振舞っているのか、対局中、明らかなミスをしたのはなぜか?
理由がわかると切なくなった。
この後の彼女の身が心配。

彼女の話がそのあとも続くのかと思ったら、肩透かしの短編集で次は
全く別の話だったぁ~(^^ゞ



悪手って言葉も今回初めて知った。
将棋とか囲碁で使われる言葉なんですね~。
知らなかったら<あくしゅ>って読まない。


しかし、将棋のプロとして活躍されている方たちは、本当に凄い人たちなんだと
改めて感じたお話ばかり。


最後の駒師の話も良かった。

将棋を知っている人ならもっともっと面白く読めるんだろうな。



                      ★★★
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発行年月:2021年7月


『火の粉』で裁判官の葛藤を、『検察側の罪人』で検事の正義を描いた
雫井脩介が問う、弁護士の信念とは? 作家デビュー20周年を迎えた著者の渾身作!
病院で起きた点滴死傷事件。
入院中の4人の幼い子どもたちにインスリンが混入され、2人が殺された。
逮捕されたのは、生き残った女児の母親。
人権派の大物弁護士らと共に、若手弁護士の伊豆原は勝算のない裁判に挑む!

                       (発行/幻冬舎)



今回は、弁護士の話。

被告人として逮捕されたのは小南野々花。
自身の次女も事件の被害者の一人。


病院勤務したことある、わたしからしたら、野々花が犯行するのは無理だよ~と
思ったけれど、もしかたら、やったの?と思われてしまうキャラクター。
そのキャラクターづくりが巧い!


母子家庭で、長女は、母親を疑っていたくらいなので・・・。
自分の子どもにも疑われるって辛いことだな。


担当弁護士になるのは、伊豆原。
最初は、ちょっと頼りなくないかな?と思ったけれど、自分でいろいろ調べて
無実を確信してからは、なんだか頼もしくなった。
野々花の娘たちのことも気にかけながら支えて、結果的にこの母子を救うことに
なり良かったぁ~と思った。


そして、真犯人は、看護師だったわけだけど、動機がちょっとよくわからない。
その点はちょっとがっかりだったな。


まあ、でも十分、面白かった。


もう一つの満員電車内での痴漢行為で罪を問われた男性も無実が認められて
良かった。
でも証言者がいなかったら、そのまま罪人扱い?
恐ろし過ぎるぅ~。


やってないものは、やってないって言い続けることが一度、逮捕されてしまうと
難しいっていうのも嫌だな。
強制的に罪を認めさせる手法は実際、今もあるのか?
今は、そんなこと出来ない警察であってほしい。




                     ★★★



発行年月:2021年8月


播州高砂の漁師から身を起こし、豪胆な船乗りとして名を揚げ、時代を先取りする海商となった松右衛門。やがて千石船の弱点だった帆の改良に自ら取り組み、苦難の末に画期的な「松右衛門帆」を完成させて、江戸海運に一大革命をもたらすこととなる。あの高田屋嘉兵衛が憧れた、知られざる快男児を活写する長編歴史小説。
目次
第一章 金比羅船 播州高砂浦の巻
第二章 唐船 兵庫津の巻
第三章 千石船 浪華の巻
第四章 北前船 越後出雲崎の巻
第五章 異国船 恵土呂府の巻
第六章 蒸気船 鞆ノ浦の巻

                   (新潮社HPより)



名前は知らなかったけれど、凄い人だな。
ふつうの漁師から大きな船の船頭になるだけでも凄いと思うのに
どんどんと上を目指していく。

船をいかに早く正確に進めるかを考えて帆の改良に成功し、冬には無理だった
航海を成し遂げ北海道の先の地まで船を走らせ荷を運ぶ。


そんな男・松右衛門を支えた女たちも皆、魅力的だった。

最初の章では、まだ少年の松右衛門で牛頭丸と呼ばれていた。
体が大きく力持ちで、優しい。
蔵元の娘・千鳥との初恋。

その後船乗りになり湯屋で知り合った女中の小浪。
浪華(大阪)で知り合った鍛冶屋の娘・津弥(一回り以上年下)とは夫婦に。
そして越後出雲埼で知り合った八知とは仕事仲間に。


小浪、津弥、八知は、松右衛門を助けるためのチームみたいな関係だった。


帆に使われた布は、今もバッグなどになって残っている。
帆布のバッグは色々あるけど、ここが元祖なんだぁ~!

すごいな。こういう発明みたいなこともやって、大掛かりな港を造ることにも
尽力して、幕府から工楽(くらく)の姓を貰うのも納得!


知られていない(わたしが無知なだけ?)人の偉業を知れて
楽しかった!



                     ★★★★




発行年月:2021年3月


第5回カクヨムコン〈恋愛部門〉受賞!心をえぐる、新世代のラブストーリー
第5回カクヨムWeb小説コンテスト〈恋愛部門〉特別賞受賞作!
心のままに、軽やかに。自由に生きたいと思う、すべての人へ。
9年付き合っている同棲中の恋人とは、結婚秒読みのはずだった。
「もうひとり、彼女ができたんだ」
恋人の突然の告白。そして、もうひとりの彼女に引き合わされ、わたしの感情はばらばらになってゆくが――。
WEBで話題。心をえぐる、新世代の等身大ラブストーリー!

                  (角川書店HPより)




少し前に読んだ「アパートたまゆら」が面白かったので、こちらも読んでみた。

う~ん。こちらの話は、ちょっと・・・


恋人の和佐みたいな男、無理です・・・。
同棲して4年、付き合って9年の由麻に「もうひとり彼女が出来た」と
告白して、どちらも好きだからそれを認めて欲しいって・・・

はぁ~??


その後の行動も・・・

でも由麻がどういう結論を出すのか気になり読み進め
プロポーズされて結婚まですると決めたところで、またまた・・・。



今度こそ、別れると決めたか?と納得したけど、弟くんが実はずっと由麻を
好きだったと気づいたから???


由麻という女性もちょっと・・・・


まあ、でも考えようによっては、みんな平和に次の生き方を決められて
良かったのかな?

面白かったけれど、なんだか疲れたな(^^ゞ




                   ★★★



発行年月:2021年8月


地球の裏側で遭遇する“日常の謎”
未知の世界へ一歩踏み出す勇気がわいてくる物語
念願かなって、海外旅行の添乗員になった遥。
アイスランドを皮切りに、スロベニア、パリ、西安で、
ツアー参加客それぞれの特別な瞬間に寄り添い、ときに悩みながらも旅を続ける

                  (実業之日本社HPより)




排外旅行添乗員の堀田 遥。


はじめての海外旅行添乗員の話はアイスランド。

添乗員になるキッカケになった女性・宮城さんと偶然、会い
ピンチを手助けして貰う。

アクシデントに遇った時、一人で判断して対処しなきゃならないのは
ホント、大変だろうな。
それが海外でなんて、考えただけで自分には絶対無理な仕事だなぁ~と思う。
会話がまず、出来ないし・・・(^^ゞ



その後の旅でも、色々起きる。

誰のせいでもないのに起きてしまったことに、対しては不満のはけ口に
なっちゃうし・・・(;O;)

北京旅行のときの70代の男性・角田には、腹が立った!(怒)。
わたしがその場にいたら、一言言ってやりたい!!
「添乗員さんのせいではないですよ!」って。
周りの空気も悪くしちゃう、こういう人ってホント最低だ。

最後は、少し反省の言葉(?)も言っていたけれど・・・。


最後の話は、コロナ禍の今を反映している。
旅行関係のお仕事も大打撃だったでしょうね~。


世の中が、コロナ禍から少しずつ、元に戻っていけるように
予防対策を続けなきゃいけないな。




                       ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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