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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2019年1月


まだ肌寒い春の、とある結婚式場。美しく若い花嫁とカバのような花婿という、年の差婚カップルの披露宴に集った客たちはそれぞれ、偽装、詐欺、婚前不貞という闇を抱えていた。そして一見、幸せの絶頂にいるように見える新郎新婦には、2人だけの秘密の約束があった……。恋人、夫婦、家族の新しい関係を提案する連作短編集。

                    (新潮社HPより)



タレントとしての中江さんという認識だった。
作家としても活躍されているのは知っていたが・・・・

先日、某ラジオ番組で新刊の話をしていて、ああ、今まで読んでなかったけど
先ずは過去本から読んでみようと図書館で借りてみた本書。


面白かった!
こんなに素敵な小説を書かれるんだぁ~と。


冒頭は1組のカップルの披露宴会場。
新婦側のレンタル友達として祝辞を述べる女性の話から。
その女性の感じたように、読みながらこの夫婦は本当にお互いが好きで
結婚するのかなぁ~とやや不安になった。

けれど、披露宴会場にいた色々な人の話を順番に読むうち、新郎新婦の人柄や
それぞれの過去を知り、この二人ならきっと温かい素敵な家庭を
築いていけるんじゃないかなぁ~と思うようになった。


読む終えて、なんだか嬉しい気持ちになる素敵な物語でした!


ラジオで紹介していた新作も読むのが楽しみに。



                     ★★★★★
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発行年月:2020年11月

殆どの人が訪れたことのない平凡で小さな町。寂れた観光地。
ようやく射した希望の光をコロナが奪い、さらに殺人事件が……。


                   (光文社HPより)



誰からも慕われていた元教師・神尾英一が何者かに殺された。

娘の真世は、父親も含め、近く開催される中学の同窓会に呼ばれていた。
父の元・教え子(真世の同級生)たちも同窓会の打ち合わせで何度か
英一とも連絡をしていた。



突然、現れた、英一の弟で真世の叔父・武史が犯人探しに奔走する。
アメリカに渡り、名の知れたマジシャンとして活躍していた過去がある
武史に振り回されつつも、どんどん真相に近づいていく姿は、警察官たちより
優秀かもと思わせてくれる。


同級生たちの周りにも色々な問題が出てくる。
不倫だったり、仕事絡みのお金の話だったり・・・・

しかし、犯人は、そういうのとは違うところで、英一に世間には知られたくない
ことを知られていると思った人だった。

殺すつもりはなかったのだと思う。


真世が犯人を知ったあとで言っていたけれど、正直に話していれば
きっと生涯、秘密を守り続けてくれたと思う。

なんとも哀しい真実だったなぁ~。


東野さんの話としては、ありきたりかな?



                        ★★★




発行年月:2021年9月


死に場所を求め、生きる女が、裏切りの果てに辿り着いた終焉の地とは。
ブルースに続く、『新たなダークヒロイン』の誕生!
釧路の街を、裏社会から牛耳る影山莉菜。
亡父・博人の血をひく青年を後継者として育て、官僚から代議士への道を歩ませようとしていた。
「男と違って、女のワルには、できないことがない」
亡き父の言葉を胸に、重い十字架を背負った女が、幾度もの裏切りの果てに――。
『ホテルローヤル』『家族じまい』を経てデビュー20年目の桜木 紫乃が放つ最高傑作!

                      (文藝春秋HPより)



ブルースは既読だけれど、そんなに覚えていない。
ブルースの主人公・影山博人の娘として裏社会を牛耳る影山莉菜が主人公の本書。


博人の用心棒だった弥伊知が莉菜の元でも用心棒として働いている。

莉菜の野望は、博人の愛人の子・松浦武博をゆくゆくは政界に押し上げること。
同じような野望を持つ外科医の儀俄内あすみと知り合い、あすみが先ず、政界へ。
そして武博は、衆議院議員に初出馬で初当選。


巧く行ったなぁ~と思っていたけど・・・

ああ、女は怖いね。
え?と思う人がまさかの裏切り。

それでも武博を遠くから見守ろうと決める莉菜は潔い!


北海道から離れるが、そこで手助けしてくれた人もまさかの裏切った女の
指示でのことだった!
あぁ~、そこまでして邪魔者にしなくても・・・(;O;)
怖すぎる。
気づいた莉菜も凄かったけど。


北海道から瀬戸内に住処を変えたのは良かったと思う。
温暖な気候でこの先は静かに暮らしていけるのか?


続編で、また武博と再会するような話があるのか?
それはそれで楽しみだけど。


莉菜は強くて人情が厚くて、魅力的な女性だった!



                       ★★★★★



発行年月:2021年10月

誰かの言葉に傷ついたり、わけもなく心細くなったり…。
そんな眠れない夜を過ごすあなたに、森の中からのお届けするエッセイ集です。

                (出版芸術社HPより)



薄い本なので、アッと言う間に読み終わってしまった。

傷ついた人へのアドバイス的なお話があったり、ご自身の話だったり
薄い本だけれど、内容は濃かった。


アメリカの郊外(森のなか)の暮らしを楽しんでいらっしゃるのは知っていた。
自然のなかで、自然とともに暮らすって想像できないけれど、
人付き合いで疲れることは減りそうだな。


ご主人が2年前に亡くなっていたのは、本書で知った。
寂しいだろうな・・・。
寂しいけれど、共に今も生きていると思える瞬間があるのは素敵だなとも。



色々な人の悩みにこたえる部分で、なるほど・・・と思ったのが
もしも、友人から不倫相談を受けたらという話。

友人になんと言えばいいか?との問いに
「あなたは不倫している自分自身がすきなの?」と問う。

友人の答えが YESなら、祝福を。
NOなら「一刻も早く卒業してね。不倫という名の嘘つき学校を」と。


ああ、こんな相談してくる友人はいないけれど、恰好いい受け答えだな。


不倫によって親友が幸せだけを感じるなら、一緒に喜べばいいのか~。
そのことによって、どうなるかはわからないけど、それは友人自身の
問題だもんね。


大好きな作家のひとり、小池真理子さんとの親交が深いんだとわかる話も
素敵だった。

小池さんの文庫「贅肉」是非、読んでみたい!!



                      ★★★★



発行年月:2020年12月


明石家は夫婦あわせて、もうすぐ180歳。一家の主、新平は散歩が趣味の健啖家。妻はそんな夫の浮気をしつこく疑っている。長男は高校中退後、ずっと引きこもり。次男は自称・長女のしっかり者。末っ子は事業に失敗して借金まみれ。……いろいろあるけど、「家族」である日々は続いてゆく。飄々としたユーモアと温かさがじんわりと胸に響く、現代家族小説の傑作!

                     (双葉社HPより)



90歳の新平さん。元大工で明石建設会社社長だった。
同居の長男(孝史)は定職に就いたことがなく、引きこもり。
次男の健二は、フラワーアーティストで、女性として生活。
三男の雄三は、グラビアアイドルの撮影会を主催する会社を興しているが
いつもお金を貸してくれと新平を頼る。


三人の息子たちは独身。


妻の英子が認知症になり、放っておけない。

若い頃は愛人も何人かいたが、今はいない。
けれど、英子は新平が外出の度に、浮気相手と会ってきたと疑う。


はたから見てもなかなか大変そうな家族だけれど、淡々とユーモア混じりに
描かれているので深刻さは薄め。
それでも、実際問題、これはなかなか大変だと思う。

90歳で妻の介護をしている男性。

実家の両親もまさにコレだから、いろいろ考えながら読んだ。


英子が倒れて、このまま家で看取ると言った新平の気持ち、尊重しても
いいかもと思った。
子ども(次男)に叱られて救急車を呼んだけれど。

入院して意識が戻って、遺漏を作って、栄養補給してリハビリして・・・・
英子はその後、回復して会話もまた出来るようになった。

子どもたちは、ホッとしたかもしれないけれど、新平のことを考えたら
なんだか切ない気持ちにもなってしまった。


老人用、ホスピスみたいな延命治療はしない看取りの施設が沢山、欲しいかも。
なんて考えてしまった。



                       ★★★★
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