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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年1月


法律が裁けないのなら、他の誰かが始末する。
司法を超えた復讐の代行者――それが〈私刑執行人(ハングマン)〉
現代版〝必殺〟ここに誕生!
警視庁捜査一課の瑠衣は、中堅ゼネコン課長の父と暮らす。ある日、父の同僚が交通事故で死亡するが、事故ではなく殺人と思われた。さらに別の課長が駅構内で転落死、そして父も工事現場で亡くなる。追い打ちをかけるように瑠衣の許へやってきた地検特捜部は、死亡した3人に裏金作りの嫌疑がかかっているという。父は会社に利用された挙げ句、殺されたのではないか。だが証拠はない……。疑心に駆られる瑠衣の前に、私立探偵の鳥海(とかい)が現れる。彼の話を聞いた瑠衣の全身に、震えが走った――。

                   (文藝春秋HPより)




ささっと読了。

今までの中山作品に比べると、普通かなぁ~。
つい最後の大ドンデン返しを期待してしまうので・・・(^^ゞ


警察官の身を利用して、父親を殺害した者に復讐する話なんだけど、
自ら進んでこんな行動をするとは、ビックリ!

亡くなったお父さんは、瑠衣のこの行動は喜ばないと思うなぁ~。
自分が親だったらむしろ辛すぎる。
この後、瑠衣はどう生きるんだろう。

平然と警察官として生きてはいけないでしょう。
普通の神経ならば。


う~ん。
スラスラ読ませるけれど読後感がよくない話。



                         ★★☆
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発行年月:2005年11月


身長175センチ、22歳、処女。いや、「女の童貞」と呼んでほしい―
就職が決まった大学四年生のだるい日常の底に潜む、
うっすらとした、だが、すぐそこにある悪意。
そしてかすかな希望…?第21回太宰治賞受賞作。


                 (筑摩書房HPより)


著者の本は、結構、読んでいるけれど、こちらのデビュー作は知らなかった。

読み始めは・・・へ~こんな青春小説からデビューしたんだなぁ~と
自己評価の低いちょっと変わった女子大生の日常を、緩い気持ちで
「なんか、いいな。学生のころをちょっと思い出すなぁ~」なんて読んでいた。

が・・・そんな生半可な物語じゃなかった!!

主人公の女子大生・ホリガイの周りにいる大学生たち(辞めて社会人の人もいる)
の抱えているものが結構、ヘヴィだったりして「( ゚Д゚)!?」となること度々。
リストカットを繰り返す人、自死しちゃった人、過去に酷い暴力に遇った人
などなど・・・

ホリガイは、そんな人たちに普通に接して、そっと寄り添ったりしている。
でホリガイ自身も過去にそれに近い経験があったから、わかることもあったのかな?
放っておいても何ら責められないのに、きっと見過ごせないんだろうな。


大学卒業後の進路も決まっていて、地元の県職員になるという。
児童福祉に関わりたいと。
その動機が、なかなか凄い。
テレビで4歳の男の子が行方不明のままというのを18歳で知り、その子の
ことが気になっているという。


実際、偶然にも男の子を助ける。
その子は、間違いなく、ホリガイの行動がなかったら、助け出せなかった。
この場面は、泣けた。
そのことを知らせた自死した同級生のことも、助けてあげられたらな・・・と。


ホリガイが知り合った1つ下のイノギとの関係も、いい。
イノギは、ホリガイと出会ったことで救われたこと多いと思う。
二人の再会が近いうちにありそうなラストもよかった。


ホリガイは自分のことを低く評価しているけれど、大したもんだと思う。
凄いよ!と褒めてあげたいくらい。

どんな社会人になっているだろうか。


全部、読み終えて、表紙を見ると、なんだかジ~ンとする。
この表紙、いいな。
少年が穏やかな顔で微笑んでいて・・・
この表題もいい。 元の題は「マンイーター」だったそうだけど、
こちらの方がいい、断然、いいと思う。


映画化されているみたいなので、是非、観てみたい!!

                      ★★★★★

 


発行年月:2023年8月


つい重ねてしまった嘘の先に……
『鍵のない夢を見る』から10年、辻村深月が詐欺を描く。
幸せが欲しくて嘘にすがりついてしまう人間の哀しみが、心に迫る3篇。

                (文藝春秋HPより)


3つの詐欺話。

<2020年のロマンス詐欺>
山形から東京の大学に入学が決まり上京し一人暮らしが始まった耀太。
が・・・新型コロナウイルスの流行で緊急事態宣言。
大学の入学式もサークル活動もなく、バイトで生活費を自分で稼ぐ予定が
そのバイト先も決まらず・・・
そんなとき、幼馴染からすすめられたオンラインで出来るバイト。

一人の主婦とのメールで、なんとかお金を振り込ませなければならない
事態になるが・・・

コロナなんてなかったら、こんな詐欺に加担することもなかっただろう。
耀太は、優しくて良い子だと思う。
騙した相手だけど、窮地に居ると知って助けにいく行動力は凄い!
ラストは、ほっこり。


<五年目の受験詐欺>
これは、母親が悪い。
息子の中学受験の際に、お金(100万円)を渡して志望校に合格を橋渡し
して貰った。
が・・・五年後、それが詐欺だったと、当時同じような立場にいた
人から知らされる。
その人の息子は不合格だったのでお金は返金されたそうだけど・・・。
息子は自力で合格していたんだと喜ぶ気持ちもあったけれど
夫にも内緒でやったことを今更どうしよかと悩む母親


あ~、息子の実力を信じてあげられない母親はダメだ~。
仮にお金によって合格したって、後が大変なだけだと思うし。

でも、それを夫と息子に話し、ちゃんと理解して貰えてよかった。
良い家族だな。


<あの人のサロン詐欺>
憧れの漫画原作者・谷嵜レオになりきり、オンラインサロンのオフ会を
開く女性・紡(36歳)の話。
本物は、覆面作家として、SNSなどはしないすべてが謎の人物。

誰にもばれずに本人になりきる紡。
けれど、本人が下着の窃盗容疑で逮捕のニュース。

どうなる???と思ったら、谷嵜本人の元に会いにいく紡。

連載中止になり世間からも見放された感の谷嵜を救うことになって
本当のファンってこういう人だよねと思う。


3つの詐欺話。
それぞれの人の心理描写が巧みで面白かった。



                    ★★★★



発行年月:2019年9月


熱い涙なしでは読めない、北海道の離島を舞台に心の再生を描く青春成長小説
たったひとつの失敗で夢と居場所を失くし、ずっとうちひしがれていた。
強い風に海鳥舞う北海道の離島との出会いが、少年を救い新たな試練を与える。
中学二年生の頃、医師を目指していた川嶋有人は、重度のアレルギー発作を起こした転校生を助けようとするが失敗し、軽度の障がいを負わせてしまう。それ以来、夢も未来も失ったと引きこもっていた有人だったが、憧れの叔父・雅彦の勧めにより、彼が医師として勤める北海道の離島・照羽尻島の高校に入学することに。「海鳥の楽園」と呼ばれるその島の高校の全校生徒は、有人を含めてたったの5人。待っていたのは島男子の誠、可愛くて優しい涼先輩、ある事情により札幌を離れた桃花、鳥類学者を目指すハル先輩など個性ある級友たちだった。東京とは何もかもが違う離島での生活に戸惑いながらも、有人は少しずつ自信を取り戻し始める。しかし、突然の別れと残酷な真実が有人に降りかかり……。
熱い涙なしでは読めない、明日へ踏み出す勇気をくれる感動の物語!


                     (角川書店HPより)



有人が引きこもりになった原因が結構、重たい。

頑張って行動に出たことが、まず凄い勇気が要ることだっただろう。
結果、うまく助けられず、その子に軽い障害が残ることになってしまった。
それは有人が責任を負うことではないのに・・・・。
この時、有人に対して冷たい言葉を言った人たちは最低だと
強い怒りが沸いてきた。


引きこもってしまう気持ちも理解できる。

そんな有人を立ち直らせるために、働いたのは叔父さん。

医師として北海道の離島の診療所で働いている。
その島に有人を呼び寄せ、見守る。
強く学校に行けとかは言わず、少しずつ手伝いをさせたり、部屋の外に
出すことを試みながら・・・・

島の人たちは気さくで良い人たちだけれど、ちょっと人間関係が密な
かんじは、都会育ちの有人には慣れるまで大変そうだったな・・・。


結果、有人は学校にも通い、友人もでき、再び目標を持って
頑張ろうと前を向き始めた。


障害が少し残ってしまった元同級生にも再会して
彼女が有人の行動が有難かったと言ってくれてよかった。
そして、彼女もちゃんと目標を持ってそれに向かっていると知り
ホッとした。


叔父さんの死にはちょっとビックリだったけど、そのあと赴任してきた
ドクターが1か月で辞めてしまった話は、ちょっと残念だった。
こういう人間関係が密になっている環境に、溶け込める人でないと
キツイんだろうな。
読んでいて、ちょっとこのドクターが気の毒だった。


物語としては、まあまあかな?



                     ★★★




発行年月:2023年5月


なんでもない一日のような人だった。
だからこそ失って初めて、その愛おしさを知った
湘南のカフェ店員に一目惚れ、相手をふり向かせたくてサーフィンを始めた「ドーミー吉祥寺の南」の下宿人谷尻くん。その恋を応援する傍らで、最愛の人二千花と過ごした日々を幾度となく反芻する世之介だった。春から夏へ。相変わらずのんびりと季節が移ろうなか、後輩カメラマンのエバと咲子カップルが新しい命を授かり、世之介は「名付け親」に指名される。ところが咲子の容態が一転し......。やがて運命の日がやってくる。大切な人に、今すぐ「好き」と伝えたくなる、心ふるえる結末へ――。「横道世之介」シリーズ堂々完結!

                    (毎日新聞出版HPより)



世之介・・・・両親が世の中の人たちを助けてあげられるような
大きな人間になってほしい。

両親のそんな思いを込めて付けられた名前、そのものの人生を生きた。

何も大きなことが起きなくても、リラックスして日々過ごせたら、それが
本当に幸せなことなんだと、つくづく思う。


亡くなった元恋人・二千花との出会いから別れまでのことが詳しく描かれて
いて、素敵な二人だな・・・・・と思えた。
二千花と世之介の約束は、きっと果たされたんでしょう。
余命短い、二千花が、世之介が亡くなるときは、橇をひいて迎えにくるよと。

二人のクリスマスのボランティアの様子が微笑ましくて
トナカイとサンタの姿のまま交わした約束。


最後は15年後。
世之介が亡くなってから15年の時間が過ぎての元ドーミーの住人たちの
姿。引きこもりだった一歩は、人気絵本作家になっていたのが嬉しかった。
大福さんが店長になった本屋でのサイン会でにこやかに、お客さんと
会話する姿には、ほっこり(^^)。

大学生だった谷尻くんは、地元の山形で公務員になり、元ミス山形の奥さんと
子どもと暮らしているとか。

変わらないのは、あけみと、礼二(ドーミーの住人歴最高)。
そして世之介は、現在も在室している札のまま。


世之介の両親も息子を誇らしく思いながらいてくれてよかった。
最後まで諦めていなかったと思うと。うん、きっと世之介ならそうだろう。
最期の最期まで懸命に生きたんだと思う。


良い物語だったなぁ~。

またいつか、再読したい。



                    ★★★★★
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