神の手を持つ医者はいなくても
この病院では奇跡が起きる。
夏目漱石を敬愛し、ハルさんを愛する青年は、
信州にある「24時間、365日対応」の病院で、今日も勤務中!
(本の帯文より)
著者もこの物語の主人公・栗原一止と同じく、信州の一地方都市の病院で働く現役の医師。
物語は、著者の経験した事を基に、地域医療に携わることの必要性など、自身の置かれた立場からの考えなどを記しているのかな?
堅苦しくなく、病院の患者さんと接する場面を見てもとても温かいものを感じました。
最先端技術を駆使した医療機械を使い、高度医療を日々行う医師も勿論、必要ですが、ここではちょっと違う。
病気を治すのは勿論ですが、病気そのもの以上に患者さんを一人の人間として診ている医師の姿がありました。
末期癌の安曇清子さん(78歳)との関係は、ホント、医師と患者の理想の姿でした!
泣けます!
ここまで医師を信頼する患者さんと、ここまでその人の一番望むものは何か?と考えての治療をする医師の姿。
読む人に、「あ~こんなお医者さんに自分も最期を診て欲しい!」と思わせます。
主人公の医師の病院を離れた場所での人間関係も素敵で、可愛い奥さんと、同じアパ-ト内の住人たちとの関わりがユ-モラスで温かいのです。
ちょっと変なんだけど・・・それも含めていいかんじ♪
夏目漱石を敬愛する主人公の為、物語の文はクラッシック。
きっと著者本人がそうなのでしょう。
著者の名前からしてね・・・・(^^)
初投稿の本作品で第10回小学館文庫小説賞を受賞だそうです。
続編もありそうということで、今後が楽しみな、お医者さまの作家さんがもう一人誕生しました!
★★★★
PR
筑後川の堰梁工事が始まった。
村人たちが総出で水門造り、溝梁造りに励む。
しかし、工事に不都合が生じたら、5人の庄屋たちは見せしめの為、磔になる。
土手にはいつの間にか5つの磔柱も同時に立てられていた。
いよいよ、一大工事が始まり、現場は活気付く。
しかし・・・川の土手に立つ、磔柱は不気味である。
そんな十字の磔柱を、見方変えて、庄屋の5人があそこで見守ってくれていると考えればいいんだ!という声で、皆の気持ちが楽になる。
ここでは、上下関係にある庄屋と百姓が互いを信頼している。
庄屋たちは、莫大な工事費用を集めるのに苦労し、百姓たちは、懸命に働く。
工事は順調に進むが、やはり起こってしまった事故。
5人の庄屋たちは、覚悟を決めるが・・・・・
そのときは、読みながら・・・予想はしていたことですが、辛かった。
ここでもやはり、上に立つものが下を庇う行為があり・・・・その決断は、辛いけれど、素晴らしいものでした。
泣けます。
遺した長い手紙の一字一字に想いが込められていて、涙なくしては読めませんでした。
最後は、工事の完成を祝うもので、嬉しい出来事もあり、満足感いっぱいでした!
筑後川の治水工事の歴史はこの後も長くあるようですが、この物語はそれを最初に始めた昔の人たちを描いた史実に基づいた物語のようです。
昔の人のこういう苦労があっての自分たちの暮らしが、ここに限らず日本各地にはあるのでしょうね。
新潮社のHPで知ったのですが・・・
帚木さん、これを執筆中に、白血病の診断で、治療していたとか。
ビックリしました。
入院生活(無菌室での治療)をしながらも筆をとっていたんですね!
今はお元気だそうで、安心しましたが。
★★★★★
筑後川の水を一年中、折桶する伊八と元助。川には沢山の水があるが、そうしないと田畑は涸れる。一方、大雨による増水時には田畑は水浸し。この川に必要なのは堰だ!先代からの苦労をここでなんとしても止めなくては・・・・。その思いに賛同した5つの村の庄屋が立ち上がる。
自身の命を賭けても、成さねばならないという強い決心で・・・。
時代は・・・・島原の乱で家族を亡くした話が出て来るので・・・・江戸時代1640年以降~?
筑後川流域に生活している伊八と元助が川から汲んだ水を桶で田畑に続く溝に流す作業(これを打桶というらしい)に励む姿から始まる。
川からの水が途絶えれば、作物は枯れるが、逆に大雨の後の被害では、田畑が流される。大雨の被害で稲がダメになっても年貢は納めなければならず、百姓たちは、自分たちが食べていくのにギリギリの暮らし。食い扶ち減らしの為に、年寄りが生まれたばかりの赤ちゃんと共に山に向かいそこで亡くなったり・・・
ついに5つの村の庄屋たちが、立ち上がり、先ずは藩に嘆願書を提出し、自分たちの声悲痛な思いを伝える。5人の庄屋たちの気持ちが凄い。
村人の代表として、命を賭け、財産も全て投げ打つ覚悟。
藩の役人もそんな5人の意気込みに心を打たれたようで、上巻の終わりは、一大工事の始まりか?と明るい兆しが見えてホッとした。
でも、反対する者も・・・。
下巻はどうなるんだ!?
帚木さんの文章は綺麗。
ちょっと馴染みのない言い回しが多いのですが、物語の面白さがそんなことは気にさせない。
むしろ、現代とは違う時代のお話なんだと、その雰囲気に浸れます。
★★★★
「なぜ星は流れるの?」「なぜ人は夢を見るの?」
大人が泣き、子供が笑う。優しさが沁みる物語。
漫才コンビ「キングコング」の西野亮廣の絵本。
5年かけて生んだ渾身の一冊!
(幻冬舎HPより)
絵本なんですが結構、厚いです。
全て白と黒のペ-ジです。
この表紙の絵でわかるかもしれませんが、かなり細かいところまで丁寧に描かれた絵でした。
すごく沢山!
これはひとつの絵を描くだけでも相当な時間が必要でしょう。
それだけでも驚きでした!
絵の雰囲気は、ちょっとダ-クでグロテスクかも。
小さい子には、あまり受け入れられないかもしれませんが、わたしは結構、惹かれるものがありました。
物語は4つ。
「グッドモ-ニング・ジョ-」
「赤いはしご」
「ドンドコ山のバケモノ」
「Dr.インク」
3番目までは独立したお話ですが、最後の話でそれらが繋がって、なかなかの演出。
某所の読者レビュ-を見たら、賛否両論で、驚きましたが、わたしは、この本、とても好きです♪
なんとなく全体にこの本の暗くて寂しいかんじが漂うのですが、伝わるものはあるようです。
暗くて寂しいけど、温かくもなれる・・・・不思議なかんじ。
三番目の「ドンドコ山のバケモノ」は、特に切なくて泣けました(/_;)
カラ-だったら怖かったかもしれませんが・・・・^^;
最後のあとがきがまた良かった。
子供の頃、不思議だなぁ~と思っていたことを大人の自分なりに答えを出してみたとか。
よく知らない方ですが、テレビで見る印象がこれからはちょっと私の中で変わるかも。
(勿論、良い方です)
中1の次女も読んで、「へ~なかなか面白いね」と高評価でした。
これ1冊で終わらず、ほかにも素敵なお話を描いてほしいなぁ~。
出来れば、今度は、明るいかんじで・・・・^^;
★★★★
(単行本初版は1978年9月)
近畿商事に入社して十余年、壹岐正は、異例の昇進をしナンバ-・3となる。彼はエネルギ-資源のない日本の将来を考え、商社マンとしての最後の仕事に、イランのサルベスタン鉱区の石油開発に賭ける。戦後史の中で見過ごしてはならぬ《敗戦》とそれに続く《シベリア抑留の悲惨》と、日本経済を繁栄させ、支えてきた総合商社と政治家との国際商戦にともなう癒着を描いた社会派巨編。
(文庫本表紙裏の解説文より)
いよいよ最終巻。
石油事情開発に力を注ぐ壹岐。
石油を掘り当てることには、莫大な金がかかる。
掘るだけで、出なかったら、全ては損失。
博打のような事業に臨むには、どれだけの度胸がいるだろうか?
社長を説得し、国家へも再三、働きかける壹岐の意気込みは、凄い。
一企業の利潤のためでなく、国家の将来を見据え、成すべき事であるという思いが突き進む力となっているのでしょう。
商社の仕事って、今まで殆ど、知らなかったけど、凄いな~。
これは架空の物語である。過去、あるいは現在において、たまたま実在する人物、出来事と類似していても、それは偶然に過ぎない。
と冒頭にはありますが、この時代の人のこういう働きがあって、今日のわたしたちの平和な暮らしがあるのかなぁ~などとも思いました。
実際モデルになった人物がいらっしゃるのは有名みたいですが・・・・。
最終巻の中には、今まで「これはどうなる?」と思っていた事が、殆ど、良い方向で解決していて嬉しかった。
長い物語をず~っと読んできて、壹岐という一人の人間には尊敬しました。
物語中、いろいろな場面で哀しいこともあり、それについては思い出すと今も胸が痛いですが
それでも最後は、本当に清々しい。
過去に「大地の子」、「二つの祖国」を読みましたが、その読後感とは違うかんじ。
いわゆる戦争三部作をこれで全て読んだことになります。
そのなかではこの作品が一番好き!
ドラマを機に多くの人がこの原作を読んでくれたらいいなぁ~。
本当に素晴らしい作品でした!!
★★★★★
カレンダー
| 07 | 2026/08 | 09 |
| S | M | T | W | T | F | S |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 3 | 5 | 7 | 8 | |||
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | 31 |
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(08/06)
(08/04)
(08/02)
(07/31)
(07/29)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア
