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自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
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発行年月:2001年12月


大学生の透は恋の極みにいた。年上の詩史と過ごす甘くゆるやかなひと時、世界はみちたりていた。恋はするものじゃなく、おちるものだ。透はそれを、詩史に教わった。一方、透の親友・耕二は、女子大生の恋人がいながらも、蠱惑的な喜美子に夢中だった。彼女との肉体関係に……。夫もいる年上の女性と大学生の少年。東京タワーが見守る街で、二組の対極的な恋人たちが繰り広げる長篇恋愛小説。

                   (発行/マガジンハウス)




ドラマが始まり見ていて・・・

江國さんの作品だから読んでいると思っていたけれど。。。「あれ?」と
思い、調べたら未読だった!
ドラマと原作は違うかもなぁ~と思いながら図書館で借りて読了。


20歳の透と母親の知り合いであった詩史(40歳)の出会い。
透の母親も詩史も自立した女性。
透の母親は詩史とのことを、薄々、気づきながら黙認している。
「ほどほどにしなさいよ」と忠告はするのだけど・・・。

そして、詩史の夫・浅野(広告会社)も妻と、透の関係を知っているよう
だけれど、夫婦の食事に誘ったり、二人で会っているところに迎えに
来たりしている。
内心はどう思っているのか?


透は、詩史のことだけに夢中で会えない日は悶々と過ごす。
少しの時間なら会えると言われれば、すぐに会いにいく。
翻弄されているかんじ。
それでも、途中、あれ?
あれ?詩史も冷静を装いながら、透のことを本気で好きなのかも。
と思わせる部分があり、最後は、まだまだ二人はこのまま続くのかな?と
思えるかんじで終わる。


透の親友・耕二の方が感情が激しい人妻・喜美子(35歳)と同年代の恋人・由利
との間で始終、あたふたしているかんじだったが、結果、二人ともに
振られるかたち。

登場人物、由利以外、誰とも共感できないんだけれど、
こういう恋愛もあっていいかもね~と他人事として楽しめる話。


ドラマはどうなるのかな?
その違いを楽しみにしよう。



                        ★★★

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発行年月:2024年1月


その女は愛する男を殺し、陰部を切り取り逃亡した──
脚本家の吉弥は、少年時代に昭和の猟奇殺人として知られる「阿部定事件」に遭遇。
以来、ゆえあって定の関係者を探し出し、証言を集め続けてきた。
定の幼なじみ、初恋の人、初めての男、芸妓屋に売った女衒、更生を促した学校長、被害者の妻、そして、事件から30年が経ち、小料理屋の女将となっていた阿部定自身……。
それぞれの証言が交錯する果てに、定の胸に宿る“真実”が溢れだす。
性愛の極致を、人間の業を、圧倒的な筆力で描き出す比類なき評伝小説。
作家デビュー30周年記念大作!

                (集英社HPより)



事件の背景にあるものが、よくわかる小説で猟奇的事件には違いはないけれど
阿部定という人が、どんな人なのかが少し分かったような気がする。


物語は、事件の被害者・石田吉蔵の妾の子・波多野吉弥(42歳)が
30年前の事件の真相を知ろうと、関係者に取材した記録を元に進む。

吉弥は、事件の起きる数日前、偶然にも母親と一緒にいて、定と吉蔵が
一緒に居るのを目撃している。
吉弥と定は、目が合い左目が義眼だということを覚えていて再会したときに
すぐに吉弥のことを思い出す。


阿部定は、結構、裕福な家庭の子だったというのに驚いた。
身体を売るような芸奴をしていたと知っていたので貧しい家庭で育ち
売られたのか?と思っていた。
が・・・・結構、性悪で親が半分、捨てるような仕打ちをしていた?
それも酷い話だけど・・・・


殺した吉蔵とは、吉蔵が婿養子の形で働いていた料亭「吉田屋」に定が
女中として働き始め知り合い、それから事件が起きるまで約3か月というのも
驚き。
そんな短時間で、深い仲になって、あんなことになるとは・・・・。

吉弥の取材を受けるという形で、事件前から事件後のことを淡々と語る定。
その話は、凄い濃厚。
信じられないのは途中で宿賃などを工面するため、お互いがお金を借りに行っている
こと。
定は、嘘をつき自分のことを大事に思ってくれている人から金を借り
吉蔵は、吉田屋に戻り妻から・・・

吉蔵を殺すことになって経緯も詳細に語る定。

理解できないけれど、二人の間では、自然な流れだったのかなぁ~?
吉蔵も定を恨んではいないような気がする。


逮捕された写真で微笑んでいるのは、何故か、前から気になっていた。
周りの警察関係者らしき人たちのにこやかな表情で、こんな事件で逮捕した
容疑者を囲んでいるのに・・・・


恩赦があり5年で刑期を終え、出所後は、普通に生活(結婚もして)いたのは
またまた驚き。
事件のことが取り上げられ本になったりで夫に阿部定だとばれて離縁することに
なったらしいけれど。

阿部定の没年は不明らしい。
けれど、この物語のように、命日には吉蔵のことを偲び墓参りし
静かに生活していたのかな?


阿部定事件の深いところを知れて、なかなか面白かった。



                      ★★★★★



発行年月:2023年10月


花実母娘のルーツとなる祖母の壮絶な人生譚
 花実は中学三年生となった。進路を考える年頃。そして、ほんのり初恋の気配も。そんなある日、花実の母・真千子がひったくりの被害に遭う。その事件から、花実は「金」に対しての意識がより強くなり、よりシビアな中3となる。事件の犯人が判明するが、それは予想外のほろ苦い結果に。
 そんなある日、見知らぬ女性から祖母タツヨの訃報が届く。以前「太陽はいつもひとりぼっちだ」と言い放ち去って行った祖母。そして、その女性からタツヨの日記を渡される。そこには、暗く辛い昭和を生き抜いてきたタツヨの長い長い凄惨な人生が刻まれていた。それを読んだ花実は・・・・・・。
 前半と後半ではまったく違う世界を味わえる作品。本当に二十歳の著者が書いたのだろうか、と驚く展開、描写。著者のまったく新しい一面を見ることが出来る渾身の長編小説です

                  (小学館HPより)





花実の亡くなった祖母のお話。

遺された日記を読む花実。
祖母・タツヨの壮絶な人生がそこには書かれていた。

幼い頃より、両親や兄弟にばかにされながら、両親には叩かれたり暴力・暴言の
数々が日常的に繰り返されたタツヨ。
両親が持ってきた縁談話を受け入れ、結婚した夫・田中正は
愚鈍な男で失敗ばかり。給料袋を落として来た時、我慢も限界で
お腹に子どももいるのにと
「死ねよ。生きていてもみんなに迷惑かけるだけだから死んでこいよ」と。
それに対して「わかった」と答える夫。

そして、本当に交通事故で亡くなってしまう。

ああ、こんなの一生後悔する・・・(ノД`)・゜・。

産まれた娘・真千子は可愛いく愛情も感じるのに、夫の死を責められているように
感じる幼い真千子の言葉に驚き、折檻するようになってしまう。

本当に読んでいて辛いタツヨの人生。

仕事場で知り合った吉澤さんが良い人でよかった。
タツヨの頼みをきいて死後事務委任契約を受けてくれて、タツヨの死後の
あれこれを引き受けて、全部捨てて欲しいと頼まれていたけれど
これは捨てられないと真千子と花実の元に届けてくれたことでタツヨの本心が
わかった。
日記をまだ読んでいない真千子もタツヨのことを赦せるといいな。


ああ、今回も凄い話でした。
まだ20歳の子がこんな話、よく書けるもんだと改めて感心。



シリーズはまだ続くのかな?
他の話も新しく書いて欲しいけれど・・・・。



                    ★★★★



発行年月:2003年9月



あなたの恋は、どんな色?出会いの予感、別れの兆し―― 
七人の作家が描き出す、贅沢でドラマチックな七つの恋模様。
書き下ろし6作+オリジナル1作で贈る恋愛小説アンソロジー

               (角川春樹事務所HPより)



<ドラジェ  江國香織>

結婚式の新郎と新婦をそれぞれ知っている。
新婦は高校時代の仲良しグループ6人のうちのひとり。
新郎とは、恋愛のような友達のような付き合い。
それぞれとずっと付き合い続けるのかな?

<そしてふたたび、私たちのこと   角田光代>
高校からの親友・ワカコとユリエの恋愛についてあれこれ考える。
二人とも不倫しているが過去にも色々。
特にワカコの恋愛遍歴がすごい。
それでも今は女性課長に昇進し、下田にリゾートマンション購入。
こんな友達いるといいな。

<帰れない猫   井上荒野>
恋人の元から離れて別の人の元へ行こうと思っていたら、大雨で身動きが
出来ず、仕方なくその晩も留まることに。
このあと、やっぱりずっと留まるってことになる?

<これっきり   谷村志穂>
マユミは、チアキに約束を放置され恋人と過ごすことを選んだことを後でしり
激怒。絶好する。暫くして、そろそろ仲直りしようかとチアキの電話に出たが
会話中、再び意見が衝突。
こんなの親友じゃないんじゃないか?

<ビルの中   藤野千夜>
同じビル内の同じフロアで働いている男性の話題で密かに同僚と盛り上がる。
実はちょっと惹かれている。
会話から謎が溶けて、ちょっと親しくなれるかも?
こういう感じはいいな。

<くらげ  ミーヨン>
契約恋愛が気楽だという女性の話だけど
よくわからなかった。
この作家さんも知らない。

<手のひらの雪のように   唯川 恵>
恋人が親友と浮気したことを知ったナオ。
親友の恋人・俊太郎に会って、許すつもりかどうか聞く。
何度もナオに謝りやり直したいという恋人に1年間の猶予を与え
1年後も変わらない気持ちなのか聞くことに。
その間、1か月に1度、俊太郎に会い、気持ちの確認をすることに。
予想通りの結末だったけど、自然なかんじでいいかな?



アンソロジーは、気楽に読めるけれど、ちょっと物足りなさがあるかな~。




                   ★★★



発行年月:2018年12月


コピー機が憎い! どうしてこんなに使えない機械を入れたんだ!? 
OLの日常のいらだちは思いもがけない方向に発展し……。
書き下し「地下鉄の叙事詩」も収録。

                 (筑摩書房HPより)

中編2つ。
最初は、表題作の<アレグリアとは仕事はできない>

アレグリアって、人の名前じゃなかった(笑)。
コビー機の商品名でした。
でも、擬人化して、度々、仕事を中断させるアレグリアに文句たらたらの
ミノベ(女性)。
自分と同じような仕事をしているトチノ先輩は、そんなミノベにイマイチ
共感してくれず・・・・
共感して二人で文句いうほうが、楽なのに・・・。
結局、先輩もミノベと同じ気持ちだったんだとわかるんだけど・・・

アレグリアを納品した会社からメンテナンスで来るアダシノ(男性?)
いつも定時以降に来るっていうのも嫌だわ~(-_-;)
で、不具合で呼んだけれどアダシノが来ると正常に作動するアレグリア。
全く、性悪だよ・・・。
社長が来た時も不具合は起きず、アレグリアは優秀だという認識は覆らない。

でも、結局、最後は、誰の前でも不具合を起こすようになり撤去。

ああ、よかった。


もうひとつの話は<地下鉄の叙事詩>
朝の通勤・通学の時間の混雑した地下鉄車内で起きること。
そこにいる色々な視点で順番に同じその時を語る。
・大学に通学途中のイチカワ。
 隣に立つOL風の女性が何やら険しい顔で
 いるけど、自分が原因か?少し揺れたとき触れたことで痴漢と勘違い
 されたのか?
・通勤途中のニノミヤ。
 今日は座れて運が良かったと思う。
 いつも席に座れる女性が今日は立っているのも嬉しい。
 隣の席の携帯画面が目に入る。「どんな内容を打っているのか気になりつつも
 目を閉じてうとうとしていると、人身事故で電車が止まる。
 皆と一緒に電車を降り、ホームを歩いていると何やら叫び声。振り向くと
 男がホームから転落しそうになっているので、思わずジャンパーを掴んで
 ホームに引き倒す。
・通勤途中のミカミ(女性) 
 車内を見ていて女子高校生の様子が変だと気づく。
 電車が停車したら、あの男を逃がしてはいけない
・女子高校生のシノハラ
 男が触っているのがわかるが身動きできず、声もあげられない状況。
 周りに人は沢山いるのに、孤独。
 電車が止まり、降りる。
 あの男を捕まえてくれている人がいる。
 ちゃんと見ていてくれた人がいた。
 OL風の女性は駅員に説明し、男の耳元で何かを囁き、男は力なく肩を落とし
 ホームの灰色のタイルに両手をついた。


こんな電車通勤は、嫌だな。
でも、こんな風に毎日、電車に乗らないといけない人たちがいるんだよね。
都会暮らしは絶対、無理だな。

しかし、ミカミは格好いい!!
男の耳元でなんて囁いたんだろ?


ふたつの話、それぞれ面白かった。
津村さんの物語にする題材は、興味深いものがおおい。



                      ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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