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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2022年9月


美しい妻は、夫の殺害を依頼したのか。家族の間に疑心暗鬼が広がって
【第168回 直木賞候補作】
ベストセラー作家、雫井脩介による「究極のサスペンス」
この美しき妻は、夫の殺害を企んだのか。
息子を殺害した犯人は、嫁である想代子のかつての恋人。被告となった男は、裁判で「想代子から『夫殺し』を依頼された」と主張する。犯人の一言で、残された家族の間に、疑念が広がってしまう。
「息子を殺したのは、あの子よ」
「馬鹿を言うな。俺たちは家族じゃないか」
未亡人となった想代子を疑う母親と、信じたい父親。
家族にまつわる「疑心暗鬼の闇」を描く、静謐で濃密なサスペンスが誕生!


                   (文藝春秋HPより)



雫井さんの今までの作品とちょっと雰囲気違ったけれど、面白かった。

息子が殺され、その犯人が法廷で最後に叫んだ言葉に惑わされる母親の暁美。
以前、偶然に想代美の腕に痣をみつけ「どうしたの?」と尋ねたときに
それが、息子の康平によるものだと気づいていた暁美。
日ごろから妻に対して強い口調で物を言ったりしているのも見ていて
実際、息子にも注意している。

それを想代子のほうに声かけしていたらなぁ~とちょっと思った。

息子の死に妻の想代子が関わっているんじゃないか?の疑念をもちながら
同居を始めるのもよくないし・・・。
想代子も犯人の言ったことは偽りだと否定しているけど、一度、疑った目でみて
しまうとなかなか変えられないのかも。


そして家族、暁美の姉夫婦となんだかややこしいことがあれこれ。


結局、事件のあと、誰も平穏に暮らせていないのは本当に不幸なことだ。

最後、皆が亡くなり、陶磁店・土岐吉平は、想代子が若女将として切り盛りし
なんとかうまくやっている場面で終わっていて
想代子にしてみれば、DV夫から逃れられ、こうして幸せな日が来たのだから
ラッキーな人生だったのか?
最後まで想代子という人の本性だけがよくわからず、モヤモヤ。



面白かったけど、これ直木賞候補?
あまり好みじゃないな。



                        ★★★


発行年月:2022年1月


早期退職したキョウコは、相変わらず古いアパート「れんげ荘」で暮らしています。キョウコが愛してやまない近所の飼いネコ・ぶっちゃん。キョウコの兄夫婦のところに、突然やって来たおネコさま御一行。「れんげ荘」の住人・チユキさんの彼が飼いはじめたイヌのえんちゃん……。無職でひとり身のキョウコは、将来に少々不安を感じながらも、ネコやイヌ、鳥や花や隣人とのお茶の時間、図書館で借りた図鑑……などに気もちを和げてもらいながら、日常にささやかな喜びを見つけて生きていく――。大ロングセラー「れんげ荘物語」 シリーズ、熱望の第6弾

                    (角川春樹事務所HPより)




今回も楽しかった。

お兄さんの奥さんから同居を打診されながらも暫くは今のままの生活をしたいと
思っているキョウコ。
そんな兄夫婦のところに、猫の親子(親猫+仔猫2匹)が来て飼うことにしたという。
近所のぶっちゃん(本当はアンディという名)には。なかなか会えず
悶々としていたキョウコは兄宅に遊びにいく。


いいなぁ~
光景が浮かぶ。楽しそう。

アパートの隣人・チユキさんは事実婚の彼の元に時々出向くが
近隣の住民たちが追っかけのように自分たちの生活を見ているのが厄介だと
嘆く。
でも、そんな近隣住民の一人が生まれた仔犬を1匹持ってきて飼うことにしたと。
その仔犬を交えたチユキさんと彼とのやり取りもほのぼの。

犬と猫がいる生活は人間の生活を活性化するものだなぁ~


キョウコが同居したら入る予定だった部屋は、おネコさまたち専用の部屋に
なっていて、同居話は先延ばし。
キョウコは気楽に兄宅に遊びに行けそう・・・^m^


シリーズ最新作も早く読みたい!!



                      ★★★★



発行年月:2011年7月


日本人にとって信仰とは何か。著者渾身の大作
★著者の到達点たる圧巻の傑作!
絵を学びたい一心で
明治の世にロシアへ
芸術と信仰の狭間でもがき
辿り着いた境地――
日本初のイコン画家、山下りん
激動の生涯を力強く描いた渾身の大作
【あらすじ】
「絵師になります」
明治5年、そう宣言して故郷の笠間(茨城県)を飛び出した山下りん。
画業への一途さゆえに、たびたび周囲の人々と衝突するりんだったが、
やがて己に西洋画の素質があることを知る。
工部美術学校に入学を果たし、
西洋画をさらに究めんとするりんは
導かれるように神田駿河台のロシヤ正教の教会を訪れ、
宣教師ニコライと出会う――

                (文藝春秋HPより)




幕末に生まれて、16歳でそろそろ結婚をと周囲が思うなか

絵を学びたいと茨城から東京を徒歩で。
たどり着いたのも凄い!
でも兄に連れ戻され、自分の思いを説いて何とか兄と母親(父は病死している)を
説得して、今度は兄と一緒に東京へ。

弟子にしてほしいと頼んだ4人目の中丸精十郎の元で絵を学び始めたのが最初。

その後、中丸が後部美術学校の女性徒を今度募集するから応募したら?と
そこに入学。
そこで意気投合した山室政子、神中糸子とは、ずっと親交が続く。
政子がキリシタンだったことで教会に出向くようになったのも聖像画家になる
キッカケだった。
そしてそこのロシア人ニコライ師に出会えたことも重要。
りんにとって生涯、大切な存在になる。
ニコライ師の話す温かみのある日本語がすてき。
そしてニコライの勧めでロシアのサンクトペテブルクで本格的な絵の勉強を
することに。
ロシアに渡ることも勇気が要ることだと思うけれど、絵を学べるのなら
と突き進む。
この決断力は凄い。
けれど、ここでの生活はりんの思っていたのとは違って戸惑い悩み
挙句に体調を崩し帰国。
再びニコライ主教の元へ。
ニコライ主教が優しい。
りんのわがままに思える行動にも文句を言わずに静観してくれている。

本当に、りんにとっては大きな支えだったと思う。


明治から昭和のロシアと日本の史実も交えながら
最初から最後まで一気読みの面白さだった。


また知らなかった偉人を一人、まかてさんに教えて貰ったかんじ。


                    ★★★★★


発行年月:2021年10月


辛かった哀しかった寂しかった。痛みを理由にするのって、楽だった。でも……。千鶴が夫から逃げるために向かった「さざめきハイツ」には、自分を捨てた母・聖子がいた。他の同居人は、娘に捨てられた彩子と、聖子を「母」と呼び慕う恵真。「普通」の母娘の関係を築けなかった四人の共同生活は、思わぬ気づきと変化を迎え――。町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。

               (中央公論新社HPより)


主人公・千鶴の冒頭の暮らしぶりが壮絶でびっくり!
離婚した夫から金の無心と暴力を受けながら、その日に食べるものもないくらい
の困窮ぶり。

ラジオで募集していた「夏休みの思い出」を賞金欲しさに応募すると
準優勝の報せ。
その思い出とは小学生に上がってすぐの夏休みに母と二人だけで旅行した1か月のこと。
その旅行中に母が自分を捨てたということ。


千鶴は、ずっと母親を恨んでいたけれど、1か月も娘と楽しく旅行した人が
娘を捨てるには、きっと何か事情があったのだろうと思いながら読んだ。


成り行きで、母が住む「さざめきハイツ」で暮らすことになる千鶴。
母・聖子はまだ50代だったが若年性認知症を患っているということで
時に記憶が飛んでしまうことも。
千鶴のことを娘とわかっているようなわかっていないような・・・・。

さざめきハイツには、聖子に高校生の頃から親代わりして貰っているという
芹沢恵真と家事全般をしてくれる九十九彩子が住んでいる。

芹沢恵真は幼い時に両親を交通事故で亡くし、親戚宅で育ったがそこの姉妹に
虐められた過去がある。
九十九彩子は結婚し、娘がいたが、姑と母親が何かにつけて育児に干渉し
夫に3人で暮らしたいというが拒否され離婚して一人で家を出た。
娘・美保は姑に可愛がられ、懐いていて自分の元には来たがらなかった。

みんなそれぞれ家族のことでうまくいかず、さざめきハイツのなかで
寄り添っているかんじ。
その暮らしは平穏そうだったけど、彩子の娘・美保が来たり、
千鶴の居場所を美保のあげたインスタからばれて、終盤は修羅場に・・・( ゚Д゚)


どうなることかと思ったけれど、無事に色々なことが落ち着いたラストが
ホッとした。

これからは、それぞれが少し前を向いていけそう。

聖子が娘のことをホントは凄く考えていたとわかって良かった。

自分は施設に入りたいいう考え方も共感できる。


家族仲良く平凡に暮らせることが本当にありがたいことだと
つくづく思う内容だったな・・・・。



                     ★★★★

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