小学2年の女の子ト-ベ。
いつも一緒にいた親友エンマが最近、ほかの子と仲良くしているのがちょっと気がかり。
内気な女の子がちょっぴり成長するさまを楽しく描いたスェ-デンの児童文学。
(本裏の解説文から抜粋)
いつも仲良しのエンマは、目立つ容姿で、みんなの人気者。
少し、内気なト-ベは、みなに注目される存在のエンマを複雑な思いで眺めている。
そして、ある日、エンマの誕生日パ-ティで、ちょっとした事から、笑われてしまい、こっそり抜け出し家に帰ろうとする。
エンマの家は少し離れているので、送迎はお父さんがしてくれることになっていた。
でも、途中でパ-ティを抜け出したト-ベは一人でバスに乗って帰ろうとする。
そして、迷子になって・・・・
ト-ベの気持ちになったら、どんなに心細かったでしょう。
楽しみにしていた親友の誕生日パ-ティだけど、他の友達たちに囲まれたエンマは自分の存在などは気にかけていないようだし・・・・・おまけにちょっとした事で、笑われちゃって・・・・
その辺の気持ちを想像すると胸が痛みました。
でも一人での帰り道の途中で、アクシデントが起こり、ハラハラしましたが、それがキッカケでト-ベ自身の気持ちも少し変化し、周りの友達との関係にも変化が起こります。
小学校低学年から楽しめるという文章なので、簡単な言葉で綴られていますが、短い話のなかに子どもの成長みたいな物を感じられた作品でした!
著者はスウェ-デンでの教師の経験がある作家さんだそうです。
文中には、スウェ-デンの小学校の様子が日本の小学校とは違うんだなぁ~とわかるところもありその辺も楽しかった(^^)
挿絵も沢山あって、物語をより楽しませてくれる楽しい絵でした。
★★★★
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ファンドマネ-ジャ-、42歳。
虚栄心を満たすためのインサイダ-行為が
すべての始まりだった。
不倫、脅迫、解雇、離婚。
勝ち組から滑り落ちた男は、未公開株詐欺に手を染め、保険金目的で殺されかけた、事故で片脚を切断される。
それでも、かすかな光が残っていた。
(本の帯文より)
『嫌われ松子の一生』男性版だそうです。
それを頭に置きながら、読みましたが、う~ん。
男性の転落のキッカケは、自業自得のものであり、最初は、あらあら~しょうがない男だわ!
なんて、半分面白く読んでいました^^;
「嫌われ松子・・」の松子の方は、同情したり、共感したりする部分もあったのだけど・・・・。
転落前は、外資系投資会社勤務で年収2000万ほど。
怖いものなしのような感じで、妻に高級マンションをねだられれば、一旦は躊躇しつつも承諾し・・
わたしなどの庶民感覚ではありえない日常を送っている。
けれど、転落はアッという間。
あまりにもマヌケなその様は、笑っちゃう。
考えると、そもそも、何でこんな男が年収2000万も稼げていたのかが疑問。
主人公に対して嫌悪感いっぱいなので、転落してくと残酷だけどちょっと笑えた。
でも、本当に全て失って、片脚まで失ったあたりからは少し、さすがに同情^^;
最後まで「松子」と比べちゃうけど、失うものばかりでも、主人公・貴志は生きている!
結構、逞しそうな精神力だし・・・その点は読みながら救われたかな?
ラストも運よく、最低限の暮らしは出来そうだったし
まあまあ楽しめたけど、「嫌われ松子・・・」に比べたら・・・・・
(どこまでも比べてしまう・・・・・笑)
男性が読めば、もう少し、違う感想かもしれませんけどね。
★★★
子どもなんて、すぐ出来ると思ってた。いつでも産めると思ってた。でも-----。
既婚で子なし。ネット新聞の中堅記者・由佳子は、妊娠と出産の現場を集中取材することに。けれど、人生で一番輝いているはずのカップルはみんな、誰にも言えない気持ちを抱えてその場にうずくまっていた----私たち、本当にもうすぐ、幸せになれるの?出産適齢期への焦りと戸惑い、そして尽きない願望の行方を描いた渾身の長編。
(新潮社HPより)
橋本さんの作品は「彩乃ちゃんのお告げ」 「九つの物語」と過去に読みました。
心がポッと温かくなるような優しいお話でしたが、これは、ちょっと違うかんじ。
リアルな出産にまつわるお話でした。
物語はネット新聞の記者・由佳子が、ある産婦人科医師の医療裁判を追跡取材しながら、同時にネットで、今の女性がどんな風に出産、あるいは子どもを持とうとしているかの特集を組み、そこに寄せられる体験談を通して、いろいろな女性の妊娠、出産に関する状況をリアルに伝えていく形で進みました。
裁判で被告となった医師は、業務過失致死に当たるのか?ほかの産婦人科医師にその意見を求める由佳子。
モンスタ-ペイシェントの可能性もある?
そして、ネットの方では
診察していた病院で、ある日、「ここでの出産は予約してないから出来ない」と言われる夫婦の話。
なかなか妊娠しない夫婦が、男性側に問題があるかどうかの検査を受ける話など。
自分自身は幸いなことに結婚後二人の娘を出産していますが、これは物語の中の女性たちと同年代の30台のまだ出産前の方が読むのは、少し辛いかも。
しかし、ある程度の取材をしての物語でしょうから、それが現実ということでしょうか?
ラストの方で主人公・由佳子の親友が出産するシ-ンは、なかなか感動的でした。
著者は男性ですが、ここまでリアルに産婦人科の話が書けるのには、驚きです。
女性の気持ちもよ~く表現できていたと思うし・・・。
もしかして、出産の立会い経験ありでしょうか?
なんて、余計なことを考えたりして・・・・・^^;
やや重たい内容でしたが、最後は明るく終えていて、読後感は良かったのでホッとしました。
★★★★
20XX年、東京・上海を舞台に繰り広げられる大人の純愛!
歳も国籍も立場も、何もかもがまるで違う2人の愛が共鳴し合ったとき、それは音もなく壊れ始めた・・・
(宝島社HPより)
物語は20XX年、東京でギャラリ-ショップのオ-ナ-になっている深沢真紅を最大手の都市開発企画会社の社員・南が社長と一緒に訪ねるところから始まる。
ジャラリ-には沢山の絵があったが、一枚とても気になる絵があり、帰りがけ南はショップのスタッフに誰の作品か尋ねる。そしてそれは深沢の私物で詳しくは教えてくれないのだと。
しかし、作品の背面に「#9」と書かれていたと教えてもらう。
そして、物語は、2001年真紅の過去の話へと移る。
真紅の父は若くして亡くなった画家。
そのためか、美術品などの一級品を見抜く洞察力がある。
田舎から東京に出てきた真紅が、先ず最初に始めた仕事は、ア-トとは名ばかりの作品を販売する仕事。ノルマが達成出来ず、上司からは叱責される。
そんな時、偶然に出会った中国人の王剣。
王剣は年商3億ドルの大企業のトップだった。
話の流れで・・・真紅と王剣とのラブスト-リ-が展開されるのか?と思うと、
そんな単純なものではなかった!
表題が#9。
物語の中に登場する#9は
真紅の部屋に飾られていた絵のタイトル(?)名前(?)、
上海の王剣のセカンドハウスの場所だったり、マッサ-ジ師だったり・・・。
真紅の上海での恋は、ちょっと切なかったけど、ステキ。
真紅の過去話が一段落したところで、最後、再び、20XX年に。
そして、隣にいるのは・・・
新たな恋がはじまるのかな?なんて想像させるラストがまたステキ!
原田さんの作品、やっぱり好きだな♪
★★★★
親友をいじめた。誰からも助けてもらえなかったあいつは、自殺を図り、学校を去った。残された僕たちは、それぞれの罪を背負い、罰を受けて、一人の年老いた「かあちゃん」に出会った------。
母が子どもに教えてくれたこと、子どもが母に伝えたかったことを描く、感動の最新長編!
(講談社HPより)
重松さん、母と子の物語は初めてだlったんですね!?
まあ、そういわれれば、母親が亡くなって父子家庭の父と子の話とか、多かったかな?
この物語は連作の8つの物語。
一番最初に書かれていたのは、夫を交通事故で亡くした女性の話。
夫が運転する車には、同じ会社の上司も乗っていて、共に即死だった。
事故の原因は夫だけが責められるものではないのだが、女性は、同乗していて亡くなった上司の家庭に対して申し訳ない気持ちから事故後20年以上、笑顔を捨て、優しい母であることすら捨て、一人でお墓参りを続けていた。
その自分に厳しく罪を償う女性が後々、登場してくる中学生たちの気持ちを大きく動かす事になる。
第2章からは、ある中学で起きたイジメ問題に関わった生徒たち。その親。担任の先生や他の教師の物語が順番に綴られていきます。
イジメはやった方が悪い!
当たり前の事ですが、どうしてイジメなんてしてしまったのか?を考えてあげないとやった子も気の毒なんだな~なんて思いながら読みました。
いじめてしまっている子たちの大半はやりたくない。でもいじめてしまう。
なんて情けない!自分の気持ちが弱いからだ!と責めるばかりでは大人としてはダメなんでしょうね。
そんな大人の態度の下では子ども達も本音の部分を言えないでいる。
頼りにならない先生として登場の担任・水原先生も最初は好感度低かったけど、彼なりに一生懸命、生徒達の気持ちを知ろうと頑張っていた。
「心の対話」ノ-トは優秀な教師だった母からの勧めで始めたものだけど、つくりものの日記につくりもののコメントの関係じゃいけない!と気づいている。
いじめの張本人の松山くんも根っからの悪い子じゃなかった。
本文中にあった「謝る」ことと「償う」ことの違いを生徒たちが理解して、本当の意味で自分のしたことを反省し自分はいじめをしていたという事を認める。
その事をずっと覚えていること。忘れないでいることが大事だと気づく。
その過程をうまく物語の中で描いていて、ジ~ンと胸にきました。
ほかにも産休あけで職場に復帰した女性教師とその母親の関係なども読んでいて目頭が熱くなったり・・・・
重松さんの物語はどれも感動させてくれますが、母親が主のこの物語はダントツで好き!
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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