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読んだ本の感想あれこれ。
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6e813a69.jpg発行年月:2009年7月

ともしびマ-ケット鳥居前店に集まる人々のそれぞれの日常を描いた連作短編集








9つの短編の主人公たちが、ともしびマ-ケットという共通の場所を介して、繋がっていく。
最初の「いい日」では、ネスカフェの大瓶をよく買う女性と遭遇する女性がある日を機に顔見知りになる話。
他にもマ-ケット内で働く人、マ-ケットの前の郵便ポストに寄りかかり、洋書を読んでいる男性、女子高校生などが登場するが、最初のお話のネスカフェをいつも買う女性と繋がっていたり、また違うお話の人同士が実は・・・みたいな関係だと明かされていく。

朝倉さんの独特の言い回しも、人と人の不思議な縁のようなものをより、可笑しいものにさせてくれるよう。
ひとつひとつは他愛もない話なのに、繋がっていくことで、どんどん面白くなる。

最後の話では偶然が偶然を生むかんじで、一同勢ぞろいとなるのがまた可笑しい。
少々、やり過ぎじゃない?と思いつつも、こういうのも愉快でいい。
わたしは好き♪

後ろのあとがきに、この本が出たのは最近だけど、新人賞を取って間もなく、ある編集者さんに勧められて掲載するあてもないが、トレ-ニングの意味で連作短編を書いたそうで、この本は、それらが元になっているのだとか。
だから、朝倉さんにとって、この本はすごく、すごく大事だそうです。

そして、フリ-の編集者になった、そのお世話になった編集者さんが担当でなきゃイヤだと言い講談社さんがその願いを聞き入れてくれたのだとか。

う~ん。いい話じゃない!
その部分だけでも物語になってる!
なんて、最後の最後でなんだか良い気分になりました(^^)

★★★★

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ff0029b9.jpg発行年月:2004年8月


失恋の痛手から立ち直れず、もう二度と人を好きになるまいと決めていたぼくだったが・・・・。鉱物を売る店で働く大学生の「ぼく」を主人公に、美しい石に託された人の心を描きだす。
青春純愛小説。


                     
(集英社HPより)


鉱物を売るお店って、ちょっと珍しいなぁ~なんて最初に思いました。
物語のなかに沢山の鉱物の名前が出てきて、それらは、わたしにとって全く知らない物でしたが、どんな石なんか実際に見てみたくなりました。

物語の主人公桜井君は、優しい青年。
失恋の顛末はあまりにも彼にとっては酷な状況。
相手の女の子はちょっと酷いよ(怒)!

そんな彼が惹かれたバイト先のお店にお客として来た雪衣。
初対面から雪衣は桜井君に不思議なまなざしを送り「?」と思うのですが、その理由は後で出てきました。
う~ん、桜井君、またしてもその優しさを利用されちゃうの?なんてハラハラ・・・。

お店のオ-ナ-と奥さんの思い出話がステキ。
お店を始めた経緯も。

そして、お店の先輩アルバイト類家さんも良い人だったなぁ~。

物語の男性陣がみんな良い。

新しいバイト人の安斉くんも最初は何やら危ないかんじの人かと思ったけど、結局、人の心を救っていた。

過去に傷ついても新しい出会いで、人はほかの人の癒しになったり癒されたりしていくんだなぁ~。
人との出会いって面白い。ステキ♪
そんな風に思わせてくれる物語でした!


★★★★
ed0568b5.jpg   発行年月:2009年4月

  
   運命の13秒。人々はどこへ消えたのか?

   13時13分、突如、想像を絶する過酷な世界が出現した。
   陥没する道路。炎を上げる車両。
   崩れ落ちるビルディング。崩壊されていく東京に
   残されたのはわずか13人。
   “奇跡”のラストまで1秒も目が離せない。
  
                       
(毎日新聞社HPより)


地球全体がP-13現象に飲み込まれる。
問題の時間から13秒間は、出来るだけ何もしない事・・・・関係各省庁に伝達される。

そして、その問題の時、日本時間の3月13日午後13時13分13秒。

その時間帯が過ぎたとき・・・・

生存者たちは、周りの人、動物たちが殆ど、消えている事に気づく。
そして、東京のとある場所でその生存者たちは、力を併せて生き抜く事に必死になる。

東野圭吾さんの最新刊。
人気作家さんなので、図書館では、かなり待ちました。

相変わらずのスト-リ-展開の巧みさで、スラスラ読みました。
でも、途中で、ラストが大体、予測できるものだったのが少々、残念。
もっと「え~そうだったのぉ~!?」という驚きの結末を期待していただけに、ラストがあまりにも
定番でした^^;

登場人物が、あまり多くなく、人の心理の深いところをず~っと掘り下げて書くような作品の方が
わたしは好きだな。

生き残りのサバイバル状態は、想像したら過酷なんだろうけど、あまり緊迫感が迫って来なかった。
リ-ダ-シップを取っていた、誠哉も頼り甲斐があってステキ!と思ったら途中の発言で嫌いになったし・・・・(女性ならみんな気分悪くなると思う!)

今回の作品は、やや期待はずれでした~
東野さんには、つい過度の期待をしちゃうのもいけないのかな?


この話は、あまり難しくないから、次女にも勧めてみよう。

★★★
825a0773.jpg発行年月:1993年5月


夏の日、偶然出会った片腕の少年とぼく達姉弟。
ジャズの名曲にのせて、友情、初恋、別れを切なく熱っぽく描いた青春文学の傑作!


                    (偕成社HPより)


長女が、国語の問題文にこの物語の一部があり、どんな話かちゃんと読みたいというので、図書館で借りて、わたしも読みました。

物語は物語の主人公・進が6年前、小学5年生の夏の日の出来事を振り返るかたちで始まります。
台風が近づく最悪な雨の日に市民プ-ルで出会った自分より少し年上の少年・広一は、不思議な泳ぎ方をしていた。
溺れているようなその泳ぎの原因は、左腕がなかったから。
プ-ルで泳ぐ人が誰も居なくなった場所で二人は自然と言葉を交わし、びしょ濡れで帰る途中、成り行きで広一の家に寄る事になる。

それから、二人の交流が始まり、進の1つ年上の佳奈も交えた付き合いに発展してゆく。
佳奈は広一のことがちょっと気になる存在になり、淡い恋心も芽生えたり、思春期に差し掛かる女の子の心理描写が見事。

文章がすごく綺麗。
佳奈が作ったゼリ-を食べる場面は最高!
ブル-ミントとグリ-ンのリキュ-ルの混ざったゼリ-。
上手くマ-ブル状にならず失敗作にようだけど、幻想的な色のゼリ-。

それを三人でスプ-ンでつつきながら食べる。
海を連想しながら・・・そしてそれを食べ終わったことによって、夏を食べてしまった
夏を終わりにしてしまったのだ。という部分。

こういう表現、ステキ!すごく文学的!

広一は3歳の時から、ジャズピアニストの母の影響でピアノを習っている。しかし、途中、事故で左腕と父親を同時に亡くしている。
右手だけのピアノの演奏で進に最初に会った日ジャズのスタンダ-ドナンバ-「サマ-タイム」を弾いてくれた。
母親もよく弾く曲なのだと。

「サマ-タイム」どんな曲だっけ?気になり主人に聞いたら、すぐCD出してくれて、
あ~この曲!!と思いました。
多分、聞けば多くの人が聞いた記憶のある曲でしょう。

物語は、最後の方、再び、現実に戻り、少し大人になった広一と進、佳奈が出てくる。
そして、新たな展開がありそうな終わり方。

続きを読みたい!(図書館に予約入れました)

この本は後ろに「五月の道しるべ」も収録されていて、そちらは、佳奈の目線で書かれています。
ピアノが家に届いた日からのこと。
まだ小学生になったばかりの事。
弟との出来事を読むと、わたしのも弟がいるので、子どもの頃を思い出しちゃいました。


読み終えたとき、なんともいえない、余韻が残る物語でした。

佐藤多佳子さん、お名前は知っていましたが、あまり読んだ記憶がなかった。
これからは、読もう!

こういう本、中学生くらいの子には特に読んで欲しいな~。
勿論、大人が読んでもすごく良いと思います!

★★★★★
1d0419f7.jpg発行年月:2004年9月


昭和30年、まだ日本が貧しかった時代、しかし、季節の手ざわりや家族のつながり、そして生や死を身近に感じながら子供が子供らしく成長できた時代-----失われた時代の命の豊かさを、魅力あふれた少女の目で描いた感動的な小説

大人子供も楽しめる日本版『赤毛のアン』

                   
(本の帯文より)

図書館の棚を眺めていて、「そうそう、これ読みたかったんだ!」と借りて来ました。

小学校中学年くらいなら読めるかな?
簡単な漢字以外は、ルビが付いています。

9歳の新子の周りの出来事が綴られた物語で、妹の光子、両親と祖父母の家族の様子、友だちのシゲルにタツヨシ、貴伊子などの付き合いが楽しく、また時には切なく・・・
昭和30年は自分が生まれた年以前ですが、自分の子供時代を思い出すような物もあったりして懐かしく読みました。

祖父の小太郎との関わり方が特にステキで、藤蔓で作ってくれたハンモックに気持ちよく揺られるのは想像しただけでステキな場面。

新子は正義感が強く、理不尽な目に合った友だちがいるとすぐに「カタキウチに行こう!」と、相手が大人であろうが、勇ましく向かっていく。
一方で、不良と言われる八郎と勝男に新家から預かったお酒を持ち帰る際に、奪い取られてしまったときは、家の人に本当の事を言わず、叱られるのに自分のせいで無くしたと二人を庇う。
これ以上、悪さをしたと知れたら、再び施設送りにされてしまうのが可哀相と思ったから。
なんて、優しい。健気。

そんな出来事がいろいろ。

今の時代の子供たちもこんな気持ちが理解出来るかな?


先日、この本がアニメで映画化されることを偶然、知りました。
なんだかあまりのタイミングの良さにビックリ!


映画は「マイマイ新子と千年の魔法」というそうです。

見てみたいな~。

★★★★

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