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読んだ本の感想あれこれ。
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15bb5275.jpg発行年月:2009年9月


ラジオパ-ソナリティの真生のもとへ届いた、一通の手紙。それは絶縁し、仲直りをする前に他界した父が彼女に宛てて書いた手紙だった。大ベストセラ-『忘れ雪』の著者が贈る、最高の感動作!

10月映画公開。

                   
(河出書房新社HPより)


この内容紹介だけ読んでも何となく泣けそうな話だなぁ~。と予想できましたが・・・
これ、本当に泣けます!
予想以上に感動しました!

ラジオのパ-ソナリティの34歳の真生。
恋人もいるし、結婚も考えているのだけど、今は仕事に夢中。
ラジオ番組に寄せられるリスナ-からの便りを番組で紹介しながら、悩みに独特の語り口でズバリ答えていく。
そして、番組を聴くリスナ-たちの物語も真生の日常の出来事と平行して進む。

高校三年生で進路に悩む直樹。
美容師を目指していたが挫折し夜はキャバクラで働く水穂。

いろいろな日常に悩みを抱えながら、真生の番組を楽しみに聴いている人たち。
そして番組でリスナ-の悩みに答えながらも自身も父親との関係に重たい気持ちを抱えている主人公の真生。

それぞれの人たちの頑張りにエ-ルを送りながら、その悩みが良い方向に向かうといいなぁ~と思って読んでいました。


仲直りできずに他界してしまった父親からの手紙・・・・・これが泣けます。

人の心の中は、表面上の態度などからはわからないものなのですね・・・・。

面と向かってどうしても言えない気持ち、でも相手に伝えておかなければいけない言葉。
それを紙に向かって書く。
自分もそういう場面が来たら、手紙に書こう!(笑)


物語のラストは、ちょっと都合良くまとまり過ぎな気もしましたが、読めば皆が温かい気持ちになれる素敵な物語だと思います!

この著者の作品、過去にも読んだことあるかな?
過去の作品を見たけど。。。思い出せない。


取りあえず、紹介文にもある『忘れ雪』を次に読んでみようかな?

映画ももうすぐ公開ですね。f8990e16.jpg
主演は、常盤貴子さん。こちらも気になります。
映画館で見るときは、タオルハンカチは必須でしょう!






★★★★
 
PR
de4af080.jpg発行年月:2009年6月


自分は何のために、そして誰のために、生きているのか?
心の奥底から溢れ出す人間の讃歌!


            
                   (講談社HPより)



下巻もサクサク読みました(^^)

ビルの住居人を説き伏せて、立ち退きを完了させなければならない八木沢ですが、住居人の一番年配者である茂木を始め、かつてそこで茂木と亡き阿部に親同然の事をして育ててもらった者たちとの交流は、より一層、深まっていった。

上巻と同じく、そこでかつて生活していた者の、今の暮らしぶりと昔の出来事の語りが続く。

亡くなった、阿部轍正の言葉を思い出して語るところが印象的。

骸骨ビルの存在理由がわかった箇所でした。

自分の子どもでもないのに、何故、自分が食べていくだけでも精一杯のあの時代、30人もの孤児たちを匿い世話し続けたのか?
それには、戦地での壮絶な体験の中で得た事が関係していたんですね。

まだ青年だった阿部とその友人だった茂木の会話もなかなか深いものがありました。

子ども達を育てて行く事に少し疲れた阿部が茂木に
「俺らは、せんでもええ苦労をしてるなぁ」と話しかけると、茂木が
「自分のことを考えての苦労やから、苦労と感じるんやないのか?」という場面。

う~ん、考えちゃいました。

もしかしてこの物語の核心部分かな?なんて。

ここで、阿部は茂木の言葉に内心、腹を立てるのですが、その事を後からあの時、腹を立てたまま言い返さなく本当に良かったと思うところが、またスゴイ。

自分のなかで損得勘定をしたら駄目なんでしょうね。
相手の為になるからやるんだという考え方でないと。


上巻で謎だった、立ち退きを仕事にする八木沢の元に届いた脅迫文めいた手紙の出所や、夏美の阿部を貶めるような嘘の真意については、はっきりとは明かされませんでした。
(読み落としでしょうか?・・・・^^;)

しかし、そんな事は、別にはっきりあえて書かなくともいいのだと全体の流れで思いました。

脅迫も嘘も相手を貶めるものでは決してなかったとわたしは思います。

皆が骸骨ビルで過ごした時代を心の糧にして、成長してきた事がわかったから・・・・。

人の温かい気持ちを描いた物語でした。

★★★★
952c0db6.jpg発行年月:2009年6月


すべての日本人が忘れられない記憶。
荒廃したビルに青年と子供たちが起こした奇跡。
そこには生き抜こうとする命が美しく輝いている。


                                             
(講談社HPより)



長い話だから、読むのに時間がかかるかと思いましたが、面白くアッという間に上巻を読了しました。

上巻では、大手家電メ-カ-を自主退職した八木沢省三が、次に選んだ職場での最初の仕事が老朽化したビル内に未だ住んでいる者を立ち退かせるという任務。

家族と離れ、単身、ビルの一室に住みながら、その任務を果たす事が目的なのだが、強制的に立ち退かせることはしないらしい。
八木沢の性格上のものなのか、ある種の作戦なのかはわからないけれど・・・・。

そこに居る、住人とかつてそこに住んでいた住人たちは、そのビルに大きな思い入れがあった。

まだ子どもだった戦後まもなくの時代。
何らかの理由で孤児になった彼らを故人・阿部轍正と今も住人として残る茂木泰造が彼らを育てた過去があった。

かつてそこで育った者たちの生き様を聞く、八木沢。

戦後の混沌とした時代を振る返る彼らの話はリアルで重く苦しいものがありますが、ビルの中で、みなで協力して食料になる野菜を育てる様子などはのどかで明るい。

上巻では、ビルが存在した意味を知った。

かつての住人や今の住人たちとの関わりもナンともほのぼのした感じで楽しい。

ビルの側で「みなと食堂」を営む湊比呂子の作る料理は美味しそう(^^)


八木沢の元に届いた脅迫めいた手紙の出所は?
ビルのこの後は?

気になる部分もいろいろの上巻。
さて、下巻ではどういう展開が待っているのか?

続きを早く読もう!

★★★
c76427cc.jpg    発行年月:2009年8月


    日本文学界を撃つ、イランからの新しい才能

    イラン・イラク戦争下の恋を描き文學界新人賞を
    非漢字圏から初めて受賞した作者。
    留学生文学賞を受賞した「サラム」も注目作


                          
(文藝春秋HPより)

著者のシリン・ネザマフィさんはイラン生まれで日本には10年余り住んでいるそう。
神戸大学、同大学院で情報知能工学を学び、現在は大手電気メ-カ-でシステム・エンジニアとして勤めているそうです。

文學界新人賞を受賞した「白い紙」では、イランで戦争が緊迫した日常を脅かすなか、淡い恋心を抱く高校生の男女の話。
戦争さえなければ・・・・・
優秀な成績のハサンは将来は医師になるんだと希望する通りの道を進めたでしょう。
日本のような、本人の努力でどうにでも道が開ける国に生まれている若者たちは、こういう現実もあることを知るべきだ!と思います。

表題の「白い紙」は、文字通り、白い紙のことで物語の所々に出てきました。

「サラム」では、アフガニスタンからおじさんを頼って逃れてきた少女・レイラの話。
母親は惨殺され、父親もタリバンに狙われている身。
日本で難民許可が得られなければ強制送還になるという。
その審査の為、弁護士の田中先生と通訳である主人公が少女に面会し、いろいろな質疑応答をする様子を描いていました。

先の「白い紙」でも、感じた、なんとも虚しい感じになりました。

どうする事も出来ないこの現実。

でも、知らなかった現実。

知っただけでも意味があるのか?

でもこれからは、内戦のニュ-スを見る目も変わりそう。
ただ漠然と見るのではなく、そこで暮らしている人々の事を心から案ずることが出来そう。

だから、沢山の人にこういう本は読まれるべきだと思う!


そんなに長い文章ではないし、これは子ども達にも読ませよう!

★★★★★
a726fc02.jpg発行年月:2009年7月


その名はミハル。破棄された冷蔵庫から発見された。愛くるしい彼女がその寺に来た日から、集落は変わってゆく。そして猫の死、母の死。冥界に旅立ってゆく者を引き止めようと、ミハルは阿弥陀様に全身全霊でぶつかっていった。その夜、愛し愛された者たちが彼女に導かれて激しく交錯する。冷蔵庫から生まれたミハル、一体おまえは・・・・・!?

                          (新潮社HPより)


悠人は、不思議な耳鳴りのようなものに導かれるように、廃車置き場に辿り着き、そこで近所の寺の住職だという浄鑑と出会う。
二人で、どうやらこの中に何者かが居るらしいと、廃棄された冷蔵庫の扉を開けたところ、5歳の少女・ミハルが現れる。
浄鑑は、悠人にミハルの声に二度と惑わされる事があってはならない。遠くに離れているようにと忠告し、ミハルは浄鑑の寺で生活することになる。

物語は、その後、自分の日常に戻った悠人と寺に連れ帰ったミハルを自身の母親・千賀子と育てる日々を綴ったパ-トが交互に描かれる。

悠人は、ミハルに再び呼ばれる事をどこかで待っていながら、平穏に暮らす。が、ずっと昔、ある事件から絶縁状態であった祖父と偶然、会い、そこから何とも妙な人間関係が育ってゆく。

ミハルは、すくすく成長し、浄鑑と千賀子に可愛がられ平穏で明るい寺での日常を送るのだが、可愛がっていた猫のクマの死をキッカケに、何やら常軌を離れ闇のようなものに覆われてしまうようだった。
寺の中だけに留まらず、周辺の集落全体がその何か得体の知れない力によって、凶事が続く。
その様子は、なんだかわけがわからないけど、怖かった。
背筋のあたりが寒くなるような・・・・。
なんとな~く嫌なかんじが、暫く続き、この話の結末はどうなるんだろ?なんて思いながら読みました。

ミハルは、何者なのか?
この不思議ないや~な感じを引き出すのは、どんな力?
どんな意味があるのか?

ミハル自身は可愛く屈託がないだけに、逆にその辺も不気味でした。

で、結局・・・・・・。

正直、本当のところはよくわからなかった。(わたしだけ?^^;)

でも、わたしは、最後、なんとなく、これはハッピ-エンドって事だろうな・・・と解釈しました。

同じ本を読んだ人の感想を聞きたい!

なので、取りあえず、主人にも読んで貰って、その辺を確認してみようと思ってます。

でも、文章は引き込まれる物があり、夢中になりました。

★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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