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読んだ本の感想あれこれ。
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9d7eba61.jpeg発行年月:2009年11月


ばらばらのようで、つながっていた------
借金まみれのキャバクラ嬢。
猫の集会を探し求めるカメラマン。
夫が死んだ日のことをわすれられない未亡人・・・・
ひとりぼっちの人生がはじまった、
それぞれの分岐点。

安心できる場所って、探すものでなく、気づくもの

                                            (本の帯文より)
 
同じ団地に住む人たちが順番に主人公になって語る。
最初は、キャバクラで働いていたが、借金取りに追われ逃げている絵里が登場。
高校時代の同級生・朱美に偶然、出会い、家に居候させてもらっている。

絵里も朱美も、高校時代から再会するまでに、大きく暮らしぶりが変化している。
いろいろな事があり、一人ぼっちの暮らしをしていた。

他の登場人物たちも、皆、一人暮らし。
そこに至るまでの様子は、どれも波乱万丈。人生いろいろというかんじ。

一人一人の過去にはいろいろあったけど、借金取りに追われる絵里をなんとか皆の知恵で救おうと会を催し和気藹々と食べて語る様子は良かったな。
理想のご近所付き合い、理想の人間関係。

辛いことがあって、それを乗り越えるのは自分だけど、周りに語り合える隣人がいるって凄く大きな安らぎだろうな~。

自分がいつか一人暮らしするときになったら、こういうご近所付き合いが出来るといいな。
なんて思ってしまった。

表題作の「いつか響く足音」の宮前静子さんの話は、ちょっと同情出来ない部分もあったけどね^^;
これからも足音に怯えて生活するのかしら?

なかなか面白く読みました(^^)


★★★★
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5290ac9f.jpeg   発行年月:2009年10月


  御木元玲は著名なヴァイオリニストを母に持ち、声楽を志していたが、受かると思い込んでいた音大附属高校の受験に失敗、新設女子校の普通科に進む。挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。しかし、校内合唱コンクールを機に、頑なだった玲の心に変化が生まれる-------。あきらめ、孤独、嫉妬……見えない未来に惑う少女たちの願いが重なりあったときにあふれ出す希望の調べ。いま最も注目すべき作家が鮮烈に描く、青春小説の記念碑!

                                  (実業之日本社HPより)                                


新設の私立女子校に進学した御木本玲は、母親が有名なヴァイオリニスト。
音大附属高校に受験したが、失敗。
音楽科のない今の学校に何ら望むものはなく、友達も作ろうとせず過ごしていた。
誰からも自分が期待されずにいることに多少、ホッとする気持ちもあり、このまま3年間をやり過ごせばいい・・・・そんな風に思っていた。

が・・・・ある事を機にそんな気持ちが変化していく。

玲と同じように、この学校には望んで入学して来たわけではない生徒も多く・・・

本当はピアノが好きでその道に進むことが夢なのに、家庭の経済状況を考えるとそれは叶わない事と思っている千夏。

ソフトボ-ルで高校へ推薦入学を認められていたのに、怪我で自ら入学辞退した早希。

見てはいけない人、見えるはずのない人が幼い時から見える為、伝統のある学校、混雑した電車を避けて通える学校を選んで入学した史香。

ほかにも数人の生徒たちが登場し、それぞれがリレ-方式で自身の事を語る。

同じ学校の同じクラスなので、前で誰かが言った同じ出来事に対してのそれぞれの気持ちなども書かれていて、前に出て来た子がその後、どうなったか?も教えてくれたりで、なかなか楽しい展開でした。

それぞれ、心にわだかまりを持ちつつ、入学してきた彼女達ですが、友達と接しながら、自己を見つめ直し良い方向に向かって進む話で、読んでいてそれぞれの成長ぶりに拍手を贈りたくなりました。

多感なこの時期の友達関係ってすごく大切だなぁ~。
生き方まで変えてしまうんだから。


最初と最後は玲の語りですが、その違いには驚きます!
今後の彼女の成長も見てみたい!

音楽そのものは学べなくても、大きな物を手に入れられたはず!
それが今後の音楽にも活かされていくといいな。

物語だからこれでお終いなんだけど、この先もずっと何処かで成長し続けて行ってくれるかんじ。

清々しい青春物語でした(^^)

★★★★★




                                   

 

                  
MOMENT240_.jpeg発行年月:2002年8月


最後に一つだけ、必ず願いごとを叶えてくれる人物がいる。
そんな不思議な噂が、患者たちの間で囁かれていた。
アルバイト清掃員の学生が垣間見た、その病院の伝説とは・・・・


             (本の帯文より)
 

先に本書の続編と言われる『WILL』を読みました。
こちらの主人公は、大学生でアルバイトで病院の清掃員をしている神田。

その病院に患者同士の間で伝わる噂を耳にし、どうやらその願いを叶える人物は清掃員の格好をしているとか?
予後が悪く、死期もそう遠くない患者たちから、そんな話を聞き、どんな願いがあるのか聞く神田。

そして、自分のできる範囲のお願い事を引き受ける。
そのお願い事をする患者たちとの話が短編形式で進む。

願いを聞くと言っても、バイトの延長みたいに気安く。
そんなところが、かえって偽善ぽくなくて良かったな。

先に読んだ『WILL』の主人公である葬儀屋の幼なじみ・森野も度々、登場。
死期の迫った患者に「森野葬儀店をよろしく伝えろ」とか口は相変わらず悪いけど、根は優しいと知って読むので、二人のそんな会話も微笑ましい(^^)

喉頭がんの男性、心臓病の中学生、乳がん再発の女性などなど・・・いろいろな患者と接する神田。
最後はどの人も亡くなる・・・が、単純に悲しい、可哀相という話でもなく、かといって残りの人生光り輝くようなもので、残された人には希望の光・・・みたいな大袈裟なものでもなく・・・・全てが淡々と進んでいく。
そんな淡々とした話の中に、時に胸にグッとくる言葉があったり、ハッと気づかされる言葉があったりで、どの人の話も胸に沁みるものがありました。

そのなかでも乳がん患者の女性との話「FIREFLY」は素敵だったな。
泣けました。
神田の人柄にも惚れた!(笑)


あ~また『WILL』を読み返したくなったな~。

神田と奥野の『WILL』以降のその後も書いてくれないかなぁ~。


 
★★★★
b01cb20e.jpeg発行年月:2002年12月


ペンキやに生まれ、ペンキやとして生き、一生を終えた、ある職人の物語。
お客のもっとも望む色を探し出し、人々をしあわせにするのがペンキやの仕事・・・・。父の跡をついでペンキやとなった男の一生を鮮やかに、歌うように描く。

                  (理論社HPより)
 

梨木さんの絵本はこれで2冊目。
先に読んだ『蟹塚縁起』もすごくよかったけど、これもまた素敵な絵本です。

一人のペンキやの話だけど、その一生に関わる人たちにきっと多くのしあわせな気持ちを与えたんでしょう。
素晴らしいな。こんな一生が送れたら・・・。

父親を見たことがない、主人公のしんやだけど、きっと一番尊敬できる人だったんでしょう。
そして、しんやの息子・しんいち君も同じような道を辿るのかな?

絵も素敵でした。
色の使い方が素晴らしい。

物語の中でお客に頼まれ描いた色のイメ-ジがそのまま活きているかんじ!

「ユトリロの白」がすてきでした!!

梨木さんの絵本、もう1冊あるようなので、そちらもぜひ、見てみたくては!


★★★★★
948c13d0.jpeg発行年月:2009年8月


世界中のすべての人間が敵になっても。
弁護士は-----俺は、あなたの味方です。

意地と向こうっ気と情熱を胸に。
ひとりの青年が、弁護士になっていく。


                            (本の帯文より)

京都の弁護士事務所から、武者修行と称して、東京の弁護士事務所に移籍してきた主人公・成瀬歌義。
関西弁は、真剣さに欠けると相談者に言われたり・・・・ちょっと気の毒な最初でしたが、めげずに明るく仕事に励む姿に好印象!

先輩弁護士たちも個性的。
女弁護士・清洲真紀との会話も楽しい。


しかし、相談事には真摯に臨み、調査でわかる事実にはどれも、ちょっと切ない、けれど温かい感動がありました。

弁護士って、悪くないけど弱い立場の人を助けるのは、正義感を全面に出せばいいのだから理解できるけど、反対に被害者側で世間から叩かれる立場の人を弁護するときにこそ、その力量が問われるのかもなぁ~なんてふと思いました。

そういう意味で、最後の「白い彼岸花」は、ちょっと考えさせられたな。

この法律事務所の雰囲気が明るくてすごく楽しい♪
このメンバ-での続編が出るといいのになぁ~。


 
★★★★
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