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読んだ本の感想あれこれ。
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a5a632f0.jpg発行年月:2009年11月


まじめで、堅実なOLに展子にこの冬、何かが起きる!?

ひとりで過ごす年の瀬もすっかり板についた匂坂展子は29歳彼氏なし。いつもと変わらない新しい年をむかえようとしていた。そんなテンコの前に次々と現れる過去からの来訪者・・・・。
すねっかじりの元ヘビメタ男“根上くん”むっちり足のウェイトレス“そら豆さん”パン屋で働いていたはずの“ミヤコちゃん”デパ-トのカリスマ社員?“えぐっちゃん”・・・・・そして?
雪降る札幌の街を舞台に加速していく、この冬いちばんのロマンチックスト-リ-。


                      
          (マガジンワ-ルドHPより) 
 
朝倉さんの独特な世界が好きです(^^)
これは、まえに読んだ「田村はまだか」に似てるかんじ。
「田村は・・・」は、なかなか現れない同級生の田村を皆でかれの噂話をしながら待つという話でしたが、こちらは、リコという女性を探す話。

探す経緯がまた、おかしい。
日常を普通に過ごすテンコに偶然、出会った懐かしい顔。そこから次々、知った顔に遭遇していく展開がなんとも愉快。

出てくる人たちは、個性的。
ちょっと変?

そして、「タイム屋文庫」が登場するというこれを読んだ読者には嬉しいおまけがありました!
「タイム屋文庫」の柊子も物語にしっかり加わってリコ探しにヒントを与える。
けれど・・・

最後が、またなんともいい。

解説にはロマンチックとあるけれど・・・・どうだろ?
でも、クスッと微笑ましいお話ではありました(^^)

読む人によっては、「なにがおもしろいんだ?」と思われる作品かもですが・・・
わたしは、こういう話、結構好きです♪

次回作も期待します!


★★★★

 
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f0dedaa7.jpg発行年月:2009年11月


新しい才能による次世代ドキュメンタリ-誕生!
47カ国、約2年間にわたる旅を今までにない手法で描いた第7回開高健ノンフィクション賞受賞作。
アジア、中東、アフリカ・・・現地の生活に密着した旅をク-ル&詩情豊に活写!!


                     (集英社HPより)
 

26歳の春からスタ-トして約2年間、ユ-ラシア大陸~アフリカ大陸47カ国を巡る著者。
お写真を見ると、とても凛々しくて素敵な眼差し。
表紙のインパラの眼差しとどこか似てると思いました。

ケニアでインパラに出会った瞬間の描写が素敵!

以下文中をちょっと書き出してみます。
P154・・・・枯れ草に色づく草原がひっそりと朝日を待っていた。私はヴァンから頭を出して、ひんやりと澄んだ朝の空気を頬や額に受けながら、風の声を聴いていた。
すると、わたしの眼前に一頭のインパラが現れた。黄金の草地に足を着き、透き通る大気に首を立て、たった一頭でたたずんでいた。・・・・・・・・インパラの濡れた美しい目は周囲のすべてを吸収し、同時に遠い世界を見据え、遥か彼方を見渡していた。


旅の殆どは、結構、過酷で危険だったり不衛生だったりなのですが、ゆえにここの描写が際立って美しく印象的でした。

女性一人で旅をするだけで、結構、度胸があると思いますが、行く先々で起こる不測の事態にも実に冷静で、驚きます。
結構、淡々と書かれているけど、わたしには無理!
ま、一人で行こうとすら思いませんが・・・・・^^;

でも、すごく多くの事を学ばせてもらいました。
巡った国々の様子もそうですが、先進国の人間として今まで見てきた途上国に対する考え方に対する疑問。
本当に必要な援助とは?について、著者の疑問に思う気持ちを知り初めて自分自身も疑問に思う事が出来ました。
途上国に対する各国の援助の本当の意味は、国益も絡んでいる?
相互にメリットがあればいいけど、長い目でみればどうなんだろ?などなど。

著者の
「アフリカは貧しい大陸でなく、圧倒的な豊かさを秘めた愛されるべき大陸だった」
この言葉も印象的。


読み始めは・・・写真も一緒に載せてくれたらいいのに・・・・思いながら居ましたが
自然と言葉だけで自然とその情景が浮かんできて、途中ある地図を追いつつ想像力を働かせながら著者の旅の記録を堪能しました。


この本を教えてくれた、お友達に感謝!
★★★★★
36801e0a.jpg   発行年月:2009年12月


   この世に思いを残して死んだ人の姿が見える----
   
   医者の娘おいちを巡る不思議ばなしを
   『バッテリ-』のあさのあつこが江戸を舞台に描く。

 
                           (PHP HPより)

 

町医者の娘・おいちは16歳。
母親を早くに亡くしたが、父親を手伝い長屋周辺にその日暮らしの生活を送る貧しい人たちの怪我や病気の治療に毎日、明るく接し、その働きぶりの評判も上々。

おいちには人にはない能力があり、父の元治療にくる人の気配を予め感じたりする。
が・・・夢のなかに現れ苦痛の表情の女の人は幾ら待っても来ない。
夢には度々出て来て、なにかを訴えている様子。
誰なんだろう?何を苦しんでいるのだろ?気になりつつ過ごすおいち。


ある日、伯母により、おいちに縁談話が舞い込み、その相手である男性の周りに起こっている不可解な死があることがわかる。
その真相は・・・・?

読みやすく、ちょっとミステリ-の要素もあり、なかなか面白かった!

おいちの亡くなった母親の姉・おうたとおいちの父・松庵のやりとりは、漫才のようで楽しかったし・・・
登場する人物たちが個性的で好感が持てる人ばかり(^^)

不可解な死の真相は、なるほど~というかんじで、ラストもすっきり。
最後は、皆が幸せになれたかな?

シリ-ズ化もあるかな?
おいちのその後もまた読みたいなぁ~。

時代物はどうも・・・・と敬遠してる人にも昔の雰囲気を楽しみながら難なく入り込めるお話だと思います。
小学生高学年くらいからなら、理解できそう。


★★★★
40dd3c62.jpg  発行年月:2009年7月


  先駆者の栄光!
  日本発バチスタ手術・・・・・“神の手”の軌跡。
  医療エンタテイメントの人気作家が
  初めて取り組んだノンフィクション

 

                     

第1部 心臓外科医 須磨久善の旅
1章 未来への扉を開く-----公開手術[1992年 ベルギー・ブリュッセル 41歳]
2章 学会の熱風-----米国留学[1984年 ソルトレークシティ 33歳]
3章 回り道か抜け道か-----外科研修と胃大網動脈バイパス手術[1986年 36歳]
4章 ニュー・ライフラインの発見-----AHA(米国心臓協会)[1988年 38歳]
5章 外科医になろう-----少年時代から医学生時代
6章 ローマへの道-----ローマ・ジェメリ総合病院[1994年 44歳]
7章 バチスタ手術-----湘南鎌倉総合病院[1996年 46歳]
8章 スマ手術への進化-----バチスタ手術の完成形[1997年 47歳]
9章 医療の宝石を手に入れる-----葉山ハートセンター[2000年 50歳]
10章 須磨久善はどこへ行くのか-----心臓血管研究所へ[2008年 58歳]
第2部 解題 バラードを歌うように[2008年7月]


                                   (講談社HPより)

須磨先生の軌跡!
素晴らしいです!
こんな方が日本の心臓外科を支えているのだとわかって嬉しいです!

医師を志したのは、人に喜んでもらい、自分も幸せになれる手段としてベストだと思ったから・・・
親が医者だからとかじゃないんですね。
いろいろな選択肢があるなかで自分自身で考えて選んだ道。
その為に、並大抵でない努力をされたと想像できます。

幾つかの分岐点に立つたび、自分の信念を貫く選択をし、その全てが幸運にも後の成功につながっている。
正に神に選ばれているとしか思えない。
著者も文中で言ってたような気がするけど、これを小説にしたら、出来すぎでしょ?と思ってしまうくらいの軌跡。

医療界では、きっと知らない人は居ないくらいの人物なんでしょうけど、わたしはこの書を読むまで恥ずかしながら先生のお名前は全く知らなかった。

現役の医師である著者が、尊敬しているのがよ~くわかりました。
私も尊敬します!

知らないだけで日本の医療を先生のような方が支えてくれているんでしょうね。


最後の方に書かれていたエピソ-ドでは先生の人柄もわかるようで楽しかった♪

・映画「チ-ムバチスタの栄光」の医療監修を引き受けたなかでの話
・自身が造った「葉山ハ-トセンタ-」に子どもたちを招いての公開外科手術の話
などユ-モアもあって優しくて。
どこか欠点ないのかな?とちょっと思ってしまう^^;


 
★★★★★
f1403e4c.jpg   発行年月:2010年1月


   ここは、誰かにいじめられ逃げ込んできた人ばかり

   世間から見放され、朽ち果てた屋敷に集まった
   心よわいアウトロ-たちの再生の物語。

佐伯は中堅どころの印刷所に勤めていたが、会社からリストラされたことを家族に言い出せず、ある日家出をしてしまう。あてもなく歩き続け、辿り着いた崩壊寸前の洋館。そこには世を拗ねる変わり者たちが住みついていた。何故か彼らは庭で穴を掘っている。


                                       (本の帯文より)

佐伯の家族、特に奥さんの身になって読んでしまったので、なんだか怒りが湧いて来ました。
しかも、子どもが応援を楽しみにしていたサッカ-の試合の日の前に・・・・。
自分の気持ち優先で情けない男だ!(怒)

でも、ま・・・こういう状況に陥ったことないので、自分が同じ立場になったら・・・・と怒りを抑えながら読み続けました^^;


偶然みつけた、壊れそうな洋館に棲んでいる人びとが変な人たち。
人柄は悪くなさそうだけど・・・・不気味。

落ち目のプロサ-ファ-・遠野、大阪の借金とりから逃げてきた山岡夫妻、洋館の持ち主・倉持。
そしてホ-ムレスで度々、洋館に訪ねて来ては屋上の望遠鏡で覗きをする管。

屋敷の庭に埋まっているらしいお宝を探しながら穴を掘る(みんなじゃないけど)。
異様だよ。想像すると・・・。

高校生の真世には同情した。いじめに負けず、強く生きて欲しいと思った。
考えている事が変わり者の大人と違い、ちゃんとしてたし・・・。
佐伯を諭すように話す内容も素晴らしかったな。


話は、ちょっと現実離れしたかんじあったけど、まあまあ面白かった。

情けない佐伯だけど、奥さんと息子(小学生かな?)は再び受け入れてくれそうで良かったかな?
今度は、逃げないで男なら前を向いて歩いて欲しい!

そうじゃなきゃ、家族が気の毒だ!

★★★
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