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読んだ本の感想あれこれ。
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51sr1IzLmuL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年7月

何のために生きているの? 「カトン先生」がカントの道徳論を指南する。
のび太のままではいられない!?

そう、「よいこと」ってのは、自分が心の底からほんとうに望んでいることなんだ。でも、弱いと自分が望んでいることも言えなくなる。仲間外れにされるのがこわいから、全部他人の意見に合わせる。ぼく(わたし)はこれでいいんだ、と言い聞かせても、じっと自分自身の声を聞いてごらん。「これでいいわけない!」っていう小さな叫び声が聞こえてくるだろう? なぜなら、それはきみのほんとうに望んでいることではないからだ。


                                    (講談社HPより)



15歳の子どもたちを前に、カトン先生が道徳論を述べる。
途中、子どもたちからも質問があり、それにも丁寧に答えてくれる。

1章 なぜ、死んではいけないの?
2章 なぜ、ウソをついてはいけないの?
3章 なぜ、人に親切にしなければならないの?
4章 なぜ、勉強しなければならないの?
5章 なんのために、生きてるの?


もっもらしい回答なら出来るけど、改めて考えると難しい問題ばかり。
カトン先生の言葉
テツガクとは、ぼくたちの考える前提、生きる前提をかたちづくっている枠を完全にとっぱらって、ゼロから徹底的に考えること

あたりまえだと思うことを、ごまかさないで「なぜなんだろう?」と考えつづけること

だそうです。


わかりやすく書かれているけど、すごく深い内容で、何度も繰り返して読みたくなる。
勉強させていただきました!というかんじ。



★★★★★
 
 
PR
51cbsrMvAVL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年6月


なんだかまた、面白い人に会ったぞ! 技と熱(パッション)を持って働く16人の女性たち。著者初の人物探訪記。

「物語」を宿さぬ人はいない。聞いてみたい、それも仕事のことを。靴職人、ビール職人、漫画アシスタント、フィギュア企画開発、現場監督、活版技師、染織家……小説とエッセイ、そして妄想とツッコミの名手が、時におたく心を揺さぶられ、時にやみがたい物欲と戦い、「ふむふむ」と相槌を打ち、共感に震えた四年にわたるインタビュー集。

                                         (新潮社HPより)


しをんさんが4年に渡ってインタビュ-した16人の女性たちのお仕事のこと。

初対面の方が殆どらしいけど、女性同士だからか?すぐに友達のように打ち解けた会話が弾み読んでいて楽しかった!


本とか活字とか好きなので、気になったのは
活版技師と編集者。

面白かったのは、フィギュア企画開発。


仕事っていろいろあるんだなぁ~。
自分がもう一度、人生の選択をやり直すとしたら、このなかに出来そうな仕事はあるだろうか?
なんてふと考えたりしたけれど・・・・・・この中にはないなぁ~(笑)。



このインタビュ-をヒントに、何かまた新しい小説が生まれるのかな?
と考えると、楽しい。


★★★
 
79b97dd8.jpg発行年月:2010年2月


「津軽百年食堂」で注目を集めた新進作家・森沢明夫氏の最新書き下ろし長編小説。現代の青森を舞台に、いじめられっ子の中学生・宏海と、中途半端な不良の雄大。そしてトップを目指して氷上で闘うアスリート姉妹、柚香と陽香……。見た目もキャラもまったく違う凸凹な4人が、カーリングホールで巻き起こす、この上なく爽快で泣ける青春小説の決定版! 目に見えるもの、手に触れられるものが絶対と思われている世の中で、目に見えないものの大切さに気付いていく主人公たちの成長ぶりを読み進むうちに、一歩前に踏み出す勇気と希望が湧いてくる。この本を読んで流した涙は100%美しい


                                         (小学館HPより)

清清しい気持ちになれる青春小説でした♪

主人公の男子中校生・苗場宏海は、学校で辛いいじめにあっている。
そのいじめっ子グル-プには、以前は仲良しだった体格の良い工藤雄大もいる。
雄大とは、幼い頃よく一緒に遊び亡くなった大好きだった祖母ともよく話しをしていたのに・・・
いつからこんな関係になってしまったのだろう?と悩んでいる。

そんな宏海の絶望的な毎日に明るい転機となったのが、カ-リングとの出会い。
なんとなくカ-リングに興味を覚えて初心者を集めた教室に参加して、そこでいろいろな人と出会う。
そして、毎日に楽しみが出来てくる。
学校の地獄も、放課後、カ-リングの練習場に行ければ、耐えられる・・・・ちょっと切ない心理だけど。

宏海自身も明るくなり、いじめっ子に対して必死の抵抗をするまでに強くなる。
そして、雄大との友情も復活したときには、ジ~ンとした。


物語の最後には、高校生になった宏海が少し描かれていて、その後の様子も知りたいな。
続編が出ないかなぁ~なんて思った。

そして先に読んだ「津軽百年食堂」の人たちも登場したのは嬉しかった!!

表紙の絵が明るくていいなぁ~♪


★★★★

 
51yzVIoBl7L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2010年3月


すべての伏線がつながるこの快感! 伊坂エンタメの技の冴えを、とくとご覧あれ。

みんな、俺の話を聞いたら尊敬したくなるよ。なんたって我が家は、六人家族で大変なんだ。えっ、そんなの珍しくないって? まあ聞いてよ、母一人、子一人なのはいいとして、父親が四人もいるんだよ。しかも、飛びっきりアクの強いね。今回も、その一人と一緒に出かけたことから、とんでもない事件に巻き込まれて・・・。

                                           (新潮社HPより)



面白かったぁ~!!
高校生の由紀夫の4人の父親たちが最高~♪

4人の父親たち
・鷹・・・ギャンブラ-
・葵・・・居酒屋経営
・悟・・・大学教授
・勲・・・高校教師

4人の父親たちは、誰もが由紀夫のことを自分の子どもだと思っている。
そして、由紀夫の母親・知代のことも全員が大好き。


物語は最初、のんびりム-ドで進むけど、段々と事件の匂いがしてくる。
県知事選挙、不登校の同級生、鷹に連れられて行ったドッグレ-ス場で遭遇した事件。

それぞれは別々のことだったけど、ぜ~んぶ繋がっていた!

そして、由紀夫自身も危ない目に遭う。

父親たちの結束力で無事、由紀夫救出のラストは感動!

手旗信号・・・ちょっと覚えようかな?なんてふと思ってしまった(笑)。

父親4人の影に隠れて母親・知代の登場場面は少ないけど、自分と息子のことをこんなに愛してくれる男性(夫)が4人も居るなんて!
そして、好きなときに好きなように遠出して帰宅するというお気楽さが許されている環境!
羨まし過ぎるよ、知代さん(爆)。


余談だけど。。。。この本、1年以上順番待ちをしたうえ、取り置き期間中に図書館側のミスで次の予約者に渡されてしまったという、とんでもない不運を被った書でした。
予約してから1年半以上待たされたというわけ。

でも待った甲斐があったなぁ~(しみじみ・・・)


★★★★★
 
 
51XhQP3QmHL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年5月(文庫)


結婚を目前に控え、事故で失明した菜穂子は、人体実験であることを知りつつも、人工眼を埋め込む。視力を回復したかにみえたが、彼女の担当医の殺害事件をきっかけに、人工眼への信頼が揺らぎ……。
著者が最も得意とする、書き下ろし医療ミステリー。


                    (朝日新聞出版HPより)


ミステリ-の部分は、さほど驚くようなものはなく、読んでいるうちにおおよその予想がつく結末だった。
けれど・・・主人公の菜穂子の心理描写が素晴らしく、そちらの方に惹かれて始終読んでいた。

他者の非によって視力を失い、絶望のふちに立たされている主人公の心理。
父親や恋人の優しさに対しても、自分のために無理をさせているんだという気持ちから素直に感謝出来ず、恋人にもいつか見放されるんじゃないか?と不安感がいっぱい。

そんな菜穂子に、まだ臨床試験中であるので公に出来ない治療だがと持ちかけられる話に乗る。
その治療とは人工眼を埋め込むというもの。
鮮明に見えるわけれはないが、ぼんやりとした視力が再び戻り喜ぶ菜穂子。

少しよそよそしかった恋人も再び菜穂子との結婚を具体的に進めようと言ってくれる。

しかし。。。。。治療に携わってくれた小柴教授が菜穂子の目の前で転落死。
そして、同じくその治療に関わった医師・宮坂が教授殺害の容疑をかけられてしまう。

菜穂子自身も事件の場に居合わせた重要参考人として、事件当時の様子を何度も聞かれる。

事情聴取では人工眼については黙っているように言われていた菜穂子。
まだ試験段階の人工眼について知られたら、試験は中止され再び視力を失うことになるかもという不安から人工眼については警察にも黙っている。

ここで、黙っているようにと強く言った者が怪しいと思うのだけど・・・・それがドンピシャだった(笑)。


ミステリ-としては、結構単純なんだけど、人工眼を埋め込んだ菜穂子の心情がいろいろに変化する様子が良かった!
ある施設で出会った、全盲の青年とその恋人の関係もすごく良くて、二人と出会えた事が菜穂子を精神的に強くして行った。

婚約者の功の揺れる心情もよくわかる。
功も悩みながら、最後の決断を下したんだと思う。

ラストは、ハッピ-エンドでよかった♪


★★★
 
 
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