音楽の才能は普通だが世渡り上手なワタルと、才能に恵まれるも、孤独に苦しみ続ける礼二。2人は中学最後の文化祭でバンドを組み、大成功を収めるが、礼二の突然の脱退宣言によりバンドは空中分解する。その後2人はお互いを意識しつつも相容れないまま別々の道へ。紆余曲折を経て、礼二がようやく巡り合った理想のバンドがある事件に巻き込まれてしまい……。武士道シリーズで女子を描いた著者が、今度はロックする2人の男を時代の変遷とともに描いた音楽青春小説
(文藝春秋HPより)
誉田さんの描く青春物はいいなぁ~。
音楽を題材にしたものは過去にもあったみたいだけど、わたしはこれが始めて。
中学時代にバンド結成した仲間がその後、大人になっていくまでの物語。
途中、疎遠になったりしても、学生時代に共に演奏したことが常に頭に残っている。
プロの世界に入った者。
音楽を忘れられないけれど、別の仕事を転々としている者。
題名がレイジなんだから・・・・礼二が再びスポットライトを浴びるんだろうなぁ~と予測はしつつもその過程がどういうふうになっていくのか楽しみに読んでいた。
ラストは、嬉しい結末で大満足♪
中学時代の彼らが話す洋楽のア-ティストやら楽曲が、知ってるものが多く、楽しかった♪♪
★★★
身長50センチのミトンさんは、アカネの秘密の同居人。
わがままで謎の深いミトンさんと、
そこに集うどこまでも優しく独創的な人々を描いた
ほの甘い長編小説
(毎日新聞社HPより)
またまた不可思議なお話でした。
でも、こういう雰囲気が好き♪
叔父のミキヒコから借りて住む事になった家の床下に居た身長50cmのミトンさん。
おばあさんの容姿なのに、言葉遣いはやや乱暴で、自分のことを「オレ」と言う。
赤い服を好んで着ていて、好物は冷えた果物。
果物をほお張る様子は、どこか動物的。
そんな不思議なミトンさんと主人公の茜。
茜の恋人・庄司、会社の元同僚・みほとの関わりも描きながら物語が進む。
ミトンさんに引き合わされたときの庄司とみほの様子も対照的で可笑しかった。
庄司は最初、拒否反応を示し、みほは自身の未熟児で生まれ病院に入院中のわが子とミトンさんの姿を重ねて優しく接していた。
後半、ミトンさんを実家のある海に連れて行き、母親とミトンさんの再会の場面で明かされるいろんなこと。
不思議な話だけど、どこか温かいかんじもあって良かった。
えっ、前の先生は失踪したんですか!?
突然、小学校三年生の担任をすることになった日野晃道(ひの・あきみち)。引き継ぎらしいものもないまま、いきなりの赴任。聞けば、晃道が受け持つ三年生は、前年に学級崩壊を起こし、問題視されている学年だった。そのときの先生は失踪したという。新人の晃道を手助けすると言ってくれた校長は、飄々(ひょうひょう)としていて、どこか頼りない。それでも、憧れの「教師」という職に就いた晃道は、まっすぐな気持ちを胸に児童たちとぶつかっていく。「てるてる先生」という愛称も子どもたちからもらい、教師になった悦びを実感する晃道。ところが、はじめはうまくいくように思えた学級も、徐々に乱れはじめてしまう。さらには、児童たちの親との問題も持ち上がってしまい……。
「学級の再生という物語」を通じて、学校の「いま」と家族、地域の「在り方」をリアルに描く。授業風景の描写にも注目の長編エンタテインメント。
(PHP研究所HPより)
教育現場の様子がリアルに描かれていました。
憧れの教師像を胸に小学校の教師になり3年2組を担当することになった日野晃道。
夢と希望に満ち溢れていた若い教師を段々と追い詰める事態が発覚!
学級崩壊。
授業を進めたくても授業にならない教室内。
こういった問題は、今ではさほど珍しくないみたい。
幸い自分の子どものクラスでは経験ないのですが、話にはよく聞きます。
教師の何かが悪いと決めつけてしまう保護者に一番、問題があるとわたし自身は思っていましたが、やはりそういうことが大きいのでは?と改めて思いました。
親が家庭で(子どもの前で)教師を批判すると、子どももその影響を受けてしまうのは当然。
そして、地域の人たちの影響力が強い場所では、そこからの目も厳しく、教師って本当に大変だと思う。
若い日野先生は、でも精神誠意、子どもたちに向き合っていた!
がんばれ!!と応援しながら読んでいた。
幸いなことに同僚や新しく変わったばかりの校長先生が若い先生を懸命にフォロ-してくれていたので救われた。
精神的に追い詰められた状況にまで陥ってどうなることか?と心配したけど、ちゃんと見ていてくれる人も居た!
そして、物語のラストには、日野先生の前任の教師・レイコ先生の失踪の真実も明かされ、再びレイコ先生が戻ってくるという嬉しい展開もあり、読後感は良かった!
子どもを学校に預けている親は、読むといろいろ考えさせられることが多い書だと思う。
★★★★★
この物語には、仲直りの方法がいっぱい詰まってる----家族の誕生を描く感動長編。

母を亡くした小学四年生のフミと、親の離婚で三度も苗字を変えなくてはならなかった六年生のマキ。それぞれの父母が再婚して「新米きょうだい」となったふたりの生活はトラブルばかり。でも、ケンカした回数と同じだけ、きっと仲直りができる……。少女たちが過ごした家族の始まりの日々をやさしく見つめる、姉妹小説の決定版。
(新潮社HPより)
フミとマキの心理がよ~く描かれていた。
再婚した夫婦のそれぞれの連れ子のフミとマキ。
妹のフミは本当の母親を病気で亡くしていて、姉のマキは両親の離婚で父親は別の場所で違う家庭を持つ。
新しい家族が生まれ、フミとマキも姉妹になった。
お互いが、何かを我慢し、新しい家族を大切にしていこうと思っている。
けれど、思い通りの行動が出来なかったり、ほかの家族を傷つけることになってしまったり・・・。
本当の家族なら、遠慮なく本音をぶつけることが出来るのに・・・・。
一見、ぶっきらぼうな姉のマキの本音の部分には、胸が切なくなるものがあった。
小学校6年生で、新しい父親が出来て・・・・という状況を自分がそうなったらと置き換えて考えると
マキの言うこと、行動、全て納得がいく。
そして、本当はとても優しい気持ちを持った子なんだということにも気づく。
家族で鍋を囲むシ-ンは、その状況を想像して特にジ~ンとした。
お父さんがちょっと気の毒だったけど
本当の家族でも年頃の娘は取り箸を使わないお父さんは嫌います(笑)
和気藹々と鍋を囲んで楽しい食事が出来る家族に、早くなれますように・・・・・なんて思ってしまった。
けれど、皆が思いやりを持っている家族なので、少しずつ本当の家族になっていくんだろうなぁ~。
表紙の絵が可愛い♪
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「2年間で劇団の収益から300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」――鉄血宰相・春川司が出した厳しい条件に向け、新メンバーで走り出した「シアターフラッグ」。社会的には駄目な人間の集まりだが、協力することで辛うじて乗り切る日々が続いていた。
しかし、借金返済のため団結しかけていたメンバーにまさかの亀裂が走る!? それぞれの悩みを発端として、数々の問題が勃発。嫉妬や羨望、不安、存在意義、恋愛問題、そして旧メンバーとの確執も加わり、新たな危機に直面する。そんな中、主宰・春川巧にも問題が発生して……。どうなる「シアターフラッグ」!?
(メディアワ-クス文庫HPより)
待ってました!!
シアタ-!の続編ですね!
メンバ-の個性が豊かで、時には衝突!
前作では、まだ遠慮があったシアタ-フラッグの新人女優・羽田千歳も自分の意見を言えるようになって、劇団内が活気溢れる場になったかんじ。
しかし、ハ-トマ-クがあちらこちらで炸裂してたなぁ~。
千歳と司 牧子と巧は、ちょっと前作から良い関係になりそうだと予測出来たけど、
え?この人がこの人を?ってかんじでどんどんカップル誕生の予感。
司から借りた300万は、なんとか返せそうなかんじになってホッとしたけど、この先の劇団も気になる!!
シアタ-3は、著者あとがきで出る様子なので、楽しみに待ちます!
★★★
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;