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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年3月


 
心に傷を負った母と思春期のぼく。救ってくれたのは、勇気ある脱獄囚だった。
三人が共にした夏の終わり、鮮烈な六日間---


十三歳のヘンリーは、美しい母アデルとふたり静かに暮らしていた。母はめったに外出することもなければ、訪ねてくる友達もいない。
そんなふたりの生活はショッピングモールで出会った男、フランクの出現で一変する。パイ作りが上手で、キャッチボールの相手をし、家じゅうの電球を付け替えてくれたフランクはしかし、三人もの殺人罪で服役していた脱獄囚だった。
町はなかなか捕まらない彼の噂でもちきりになり、警察は賞金をかける。
惹かれあう母とフランクの計画を知ったヘンリーの心は揺れて……。
夏の終わりの六日間を感受性の強い少年の視点から鮮やかに描いた感動作!

           (イースト・プレスHPより)






映画が公開されて、原作があると知り読んでみました。

物語は、13歳の少年・ヘンリーの語りで進む。
思春期の男の子らしい性に関する話も盛り込まれた
青春小説風。

ヘンリーは母親・アデルと二人暮らし。
週末には別れて別の家庭を持った父親が迎えに来て父親の家族と過ごす。


アデルは、滅多に外出はしない。
赤ちゃんと胎児ばかりに遭う外の世界が怖いという。
心にどんな闇を抱えているのか?気になっていたが
途中で、その理由がわかった。


そして、そんな母親を大事に思い母親のうんざりするような
話にも相槌をうちながら聞いてあげるヘンリー。
ああ、優しい子だなぁ~。
そんな健気さに泣ける(/_;)


そして、そんな二人のところに脱獄囚のフランクが現れ
一緒に暮らすことになる。
フランクは殺人の罪で収監されていた凶悪庵としてニュースでも脱獄が伝えられ、警察が報奨金を提示し探していると。

それを知ってもアデルはそのままクランクを匿う。
ヘンリーもフランクと暮らすうち、彼が悪い人には思えず
むしろ心を病んだ母親を明るくさせてくれたことで
彼の存在を受け入れる。



普通じゃないアデルだから、そしてそんなアデルを見守ってきたヘンリーだから、フランクが加わった生活が何か希望の
光のように思えたのかな?
でもだんだん、ヘンリーは母親とフランクは2人だけの
世界に浸ることを望んでいて、自分は邪魔ものかも?と
悩む。
そして、そんな気持ちを偶然、図書館で出会ったエレナーに話す。
そのことが、後に3人の暮らしを壊すことになるんだけれど・・。

でもラストはハッピーエンドで終わってよかった。


映画もいつか見てみたいなぁ~。


                       ★★★★


              

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発行年月:2013年11月

どうしようもない、わからない、取り戻せない、もういないー。
なかったことにできない、色とりどりの記憶が降り注ぐ。
最大注目新鋭作家、書き下ろし。

               (BOOKデータベースより/幻冬舎)





5つの短編ですが、連作の部分が多いので、これは全体を通しての

1つのお話と言ってもいいかも。
表題の「骨を彩る」の意味を考えると・・・・う~ん深いかも。


<指のたより>
10年前に妻を病気で亡くした津村。
不動産業を営み中学生になった娘・小春と二人暮らし。
最近、夢で見る妻の指が少しずつ欠損していく。
よく買いに行く弁当屋の光恵との付き合いが始まった。
光恵の趣味の千代紙細工の品が何故か好きになれない。



<古生代のバームロール>
恩師・柿崎の葬儀に出席する光恵。
柿崎には4年前に亡くなった母親のほか、身内がなかった。
同級生たちで葬儀を営むことにする。
埋葬して欲しいと書かれた遺書は柿崎の墓ではなくほかの場所。



<ばらばら>
実家の墓参りに行くため仙台駅行きの高速バスに乗っている玲子。
隣に座っている東京の薬科大生のサクラコと言葉を交わす。
サクラコは閉所恐怖症だと打ち掛ける。
そんな話を聞きながら思い出す自分の生い立ちについて。
今の夫の姓になる前に3度も姓が変わった過去のこと。
そして考える今の状況。これからのこと。


<ハライソ>
槌田浩太郎は浪人時代、ヨシノという不登校の中学2年生とネットのゲームを通じて
知り合った。
以後、ゲーム対戦したりチャットをしてお互いの近況を報告し合っている。
今は、浩太郎は不動産会社に就職(1話の津村の元)ヨシノは薬科大生になった。
お互いの恋の進展具合を喜び合う。



<やわらかい骨>
津村小春は中学生。
クラスに転校してきた葵は、キリスト教の信者なのか?お弁当を食べる前に
十字を切るような動作をする。そんなことがあってかクラスからは浮いたかんじ。
誰も葵に近づかない。
けれど、小春と同じバスケ部に入部してきた。
バスケがうまい葵から絶妙なタイミングでパスしてもらい、今までで一番の
シュートが出来た。
それを機に親しくなっていくが、親友だった夕花とは逆に距離が出来てしまう。



日常のなかにあるちょっとした話であるけれど、登場人物たちの気持ちが
よく伝わってくる。
最後の話の主人公・津村小春は、最初の話にもちょっと登場の中学生の女の子。
幼い時に母親を亡くし、父親と暮らしている。
母親が居なかった生活は小春にとっては普通だったが、母親が居る友達の
何気ない言葉や言動に戸惑ったり・・・。
でも凄くいい子だなぁ~。
小春はこの先、どんな人生を送るんだろ?
ラストにあった温かい情景みたいなものをこれからも作って行ける女性に
きっとなっていけるんでしょう。


                         ★★★★



発行年月:2014年3月


 母は失踪。女の出入りが激しい「たらしの家」で祖父と父に育てられた庭師の雅雪は、両親を失った少年、遼平の世話をしてきた。
しかし遼平の祖母は雅雪に冷たく当たり続ける。雅雪も、その理不尽な振る舞いに耐える。
いったい何故なのか? そして14年前、雅雪が巻き込まれた事件の真相は?
耐え続ける男と少年の交流を軸に「償いと報い」を正面からとらえたサスペンス。

                      (光文社HPより)





なんて、辛く切ない話なんだろう。

祖父、父ともに女性の出入りが激しい「たらしの家」と幼いときから陰口を言われて
大人になって、祖父と共に造園業を営む曽我雅雪。
14年前の事件によって全身火傷を負った雅雪。
そして、恋人は、服役中。

そんな雅雪は、一人の少年・遼平をずっと見守り続けている。
幼い時には、雅雪に懐いていたのに、最近は自分が遼平の両親を死に追いやった者の
関係者だとわかり心を閉ざしている。


14年前の事件の真相が明かされるのは後半なので、それまでは
登場人物たちがどう関係しているのか、明かされないまま読み進む。
そして、真相を知って・・・
雅雪が気の毒過ぎると感じた。
罪の意識を感じる必要あるのか?
雅雪の誠実さにはなんと言っていいのやら・・・。
理不尽過ぎる目に遭いながらも、遼平のことを気にかけ拒まれても離れず居るって
凄いな。

終盤は、それが、報われて、良かったぁ~。
二人で野宿することになり、お互いの気持ちをさらけ出して語る場面は感動的!!


凄く読み応えのある話でした。

雅雪、遼平二人ともこれからの未来はきっと幸せが待っている!と
信じたいなぁ~。
少し幸せに近づいていけそうなラストだったのが救い。



                         ★★★★★




発行年月:2014年4月



私は、出会ってしまった。
誇り高き画家たちと。
太陽の、息子たちと-----。



終戦直後の沖縄。ひとりの青年米軍軍医が迷い込んだのは、
光に満ちた若き画家たちの「美術の楽園」だった。


奇跡の邂逅がもたらす、二枚の肖像画を巡る感動の物語。
              
 

                  (本の帯文より/文藝春秋)





終戦直後の沖縄が舞台。

悲惨なことばかりの沖縄だったけれど、こんな心温まる実話があったとは!
キュレーターの仕事をしていた経歴の持ち主の著者だからこそ書けた物語ですね。
実際に話を聞いて、それを基に書かれたお話なのですが
ほぼ実話と言っていいんでしょうね。


終戦後の沖縄に造られたという「ニシムイ・ヴィレッジ」。
画家たちがそこに集まり、作品づくりをして、作品は、米軍人に売られ
そのお金を生活の糧にしていた。

そんなところに、沖縄に赴任したばかりの青年軍医が仲間と車で島を廻っていて
辿り着く。
青年軍医のエドも画家になりたいと思った時期があり、そのヴィレッジの住人
セイキチ・タイラと出会い意気投合する。

物語を読み終えると、表紙と裏表紙の2つの肖像画 が一更に素敵に見える。

ニシムイの画家たちが書いた作品、ほかにも見てみたい!


                         ★★★★★




発行年月:2013年11月


 知的すぎる無期懲役囚から教わった、
99.99%の人がやらない成功法則

私の先生は、
刑務所にいるんだ。
きょうも手紙が届いたよ。
絶対、医学部に受かってみせるから。

ちょっと不思議な真実のストーリー

                    (プレジデント社HPより)





普通の主婦が、人を殺めて服役中の無期懲役囚と文通をする。

しかも、高校生の娘や中学生の息子にも文通を勧めて、
その無期懲役囚から勉強方法を教わる---。
一般には考えられないことを私たちは4年以上も続けています。
今でも、主人を含めて家族みんなが、刑務所からの手紙を
楽しみに待つようになりました。
              「はじめに」より




無期懲役囚の美達大和。
2人の人を殺めて無期懲役。
一生刑務所から出ないと決めているという。

そんな無期懲役囚と手紙で交流を深めていく親子の話。
これが実話と言うのが興味深く、読みました。

大きな罪を犯した人とは信じられない丁寧な言葉と相手を思いやる気持ちがこもっている手紙の内容。
勉強の仕方に悩んだり、疑問に思っていることをぶつけるサヤカと大和に対して
親身になって答えを返す美達。

その答えに、いちいち納得して、なるほど~と感心。
中高生が読んだら、この言葉は響きそう。
塀の中にずっと居るのは惜しい人。

でも自らが犯した罪を一生塀の中で背負っていく覚悟をしている。


読んでいくうちに、美達大和という人に対しての興味がどんどん湧いてくる。

他にも書物を書いているようなので、ぜひ、ほかの書も手に取ってみたい!
と強く思った。

特にこんなにしっかりした考え方の出来る頭の良い人が人を殺めて
人生を棒に振るような行為に及んだのかが気になる。

                         
   

                            ★★★★

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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