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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2000年4月

時は中世。公国の若き領主に仕えてきた老摂政が亡くなった。将来を案じた彼が遺していったとっておきの秘策、それが飼い猫ニフィのことだったとは! 賢い猫はやがて“摂政”として敏腕ぶりを発揮。領主の恋に政治的陰謀が絡まりだすとき、隠れ摂政ならどんな妙手を繰りだす? 『歌う船』や〈パーンの竜騎士〉で知られる現代SFの女王が贈る、猫ファンタジイの逸品。訳者あとがき=赤尾秀子

                  (東京創元社HPより)




図書館棚から表題に惹かれて借りて来ました!

表紙の絵も可愛いし・・・。


猫のニフィが大活躍のファンタジーでした!
時代は中世ということで、どこかおとぎ話の雰囲気。

黒猫・ニフィは、エスファニア公国のジェイマス五世の摂政・マンガンが可愛がっていた猫。
マンガン亡きあと、若き領主・ジェイマス五世の元で彼を助ける。
猫なのに、人間以上の献身ぶり。

表題は『だれも猫にはきづかない』 なのに、誰からも愛されているニフィ。

でもその表題の意味が最後にわかった!
なるほど。。。気づかないのは、悪者でしたね。


悪巧みのモーリティア王妃をニフイ1匹でアッと言う間に退治しちゃうんですから
凄いわ~。


著者の経歴で、猫を七匹と暮らしているとありました。
ああ、猫好きな著者だったんですね~。

偶然、手に取った本ですが、猫好きのわたしには、ツボでした!!


                          ★★★★★
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発行年月:2014年4月



 大洋新聞に連載されている「よろず相談室」には老若男女から様々な相談が寄せられている――。

「居候に悩んでいます」――自分たちの家に居候が住んでいて、あるとき主従が逆転してしまった。このままでは居候たちに追い出されてしまう!
「しつこいお客に困っています」――同僚に生理的に嫌なお客を押しつけられて困っているのだけれど……。
「隣の人がうるさくて、ノイローゼになりそうです」――25年住んでいる賃貸の部屋。今までは何もなかったのに、隣から急に壁をたたかれるようになり、生活もままならなくなってきたのですが……。
「セクハラに時効はありますか?」――14年前、残業後、8歳年下の後輩に思わず抱きつき、そのまま最後まで……。部長への昇進にあたっての、審査で、この点だけ気になっています。
「大金を拾いました。どうしたらいいでしょうか」――家の裏の雑木林で見つけたゴミ袋。その中には札束が! 持ち帰って1年そのままなのですがどうしたらよいのでしょうか。
「西城秀樹が好きでたまりません」――「傷だらけのローラ」は私のことを歌っているんです! 秀樹が呼んでいる! どうしたら秀樹に会えますでしょうか。秀樹に会わせてください!
「口座からお金を勝手に引き出されました」――1500万円ほどの蓄えがあったのですが、どうやら夫が勝手に引き出したようです。これって窃盗にあたりますか?
「占いは当たりますか?」――来年、結婚する予定です。祖父母が心酔している占い師に、この結婚は不吉だと言われたと告げられて。そのうち、私も不安になってきたのですが。 

一見、なんの連関性もない人生相談の数々。
ところがこの相談の裏には衝撃の事件が隠されていた!

                        (講談社HPより)




最初は、新聞の「よろず相談」コーナーに寄せられた読者からの相談の手紙を基に
した話を並べた短編集かな?
と軽く読んでいたのですが・・・・
そういう単純なものじゃなかった!

読書は、メモを片手にしているので、途中から
「あれ?この名前、前の話にも出てきた?」と気づき、そうするうちに
次々にバラバラだった前の話の登場人物たちがリンクして来て
最終的には、大金にまつわる殺人事件の真相に行きついてしまうという
凄いトリックが散りばめられた短編小説のかたちに見せかけた
長編ミステリーだったわけですね!!

いやはや、初読みの作家さんでしたが、この構成力には参りましたぁ~m(__)m。


面白かったなぁ~。

時間があったら読み返してみよう。


                          ★★★★★




発行年月:2014年8月


 

朝のラッシュ時に電車が停止! そのとき、大学生、フリーター、デザイナー、OL、引きこもり、駅員は? 突然のアクシデントに見舞われた若者6人のドラマを描く私鉄沿線・恋愛青春小説!


<大学生は、駅の前>
授業に向かおうとしていた町田だったがm電車が運航停止していた。
混雑する駅前で佇んでいると憧れの上原さんと遭遇。
一緒に歩いて大学に向かうことになった。
町田にはなんとなく付き合っている彼女・百合がいて、上原さんには
教授との噂がある・・・。


<フリーターは、ホームにいた>
久しぶりに充実した朝を迎えた永山だったが、バイトに向かうための電車が来ない。
ホームのベンチで休んでいるうちに眠ってしまい大遅刻。
バイト先の社員・柴崎と顔を合わせたくない・・・電車とバスに乗ってプチ逃避行へ!


<デザイナーは、電車の中>
停止した電車の中では強烈な尿意に襲われている高畑は、憧れのデザイン事務所の
面接に向かうはずだった。
いま勤めている事務所は小さく、やりたい仕事ではない。
でも居心地は悪くないし気の合う事務員・不動さんがいる。
自分の居場所はここでいいのか?


<OLは、電車の中>
恋人の家に泊まったゆえにいつもと違う沿線の電車に乗った立川。
運悪く停車してしまった電車の中で冴えない先輩社員・松本さんとばったり遭遇。
恋人の飯田さんにはあまり良い噂がなく、元彼は最低だし、本当は松本さん
みたいな人が良いのかも・・・。


<引きこもりは、線路の上>
引きこもって三年目になる神田。
彼女も友達もいたのに、ふとしたきっかけで外に出られなくなった。
仲の良かった妹には嫌われ、家族の荷物となっている。
本当は学校でもいじめられていた----久しぶりにすがすがしさを感じた朝、
死を決意して駅に向かう。


<駅員は、線路の上>
駅員・加奈の不注意でホームから落ちたお客さまが、線路上を走っていってしまった。
結果、1時間半も電車を停めてしまい、すっかり仕事への自信を失った加奈。
運転士になる夢、母となり家庭を築く夢、25歳のいま、今後どう生きて
いきたいのか悩む。

                  <実業之日本社HPより)



電車が止まってしまったことにより、予想外の出来事に巻き込まれれていく
人たちの姿が描かれていて、なかなか面白かった。

けれど、後ろ2つの話で電車を停める原因のひとつになった引きこもり青年の
苦悩は辛かったなぁ~。
親の立場で読んでいたので、どうすればいいんだろ?と思いながら読んだ。

些細な言動も人を傷つけてしまうということを皆が想像できる力があれば良かったのに
教師にもそういう想像力がない場では仕方ない。
そこから逃げて自分を守るしか青年には選択肢がなかったんだな。。。

死のうと思ったけれど、線路に落ちたのは、駅員さんがぶつかったからで
駅員さんもほかのお客さんからぶつけられたからだけど
変なキッカケではあったけれど、これが青年の何か良いキッカケになるといいなと
思った。
家族さえも敵に思えるってこのままじゃ辛すぎるから・・・。



                            ★★★



発行年月:2007年10月


怖いけれど哀しい、おぞましいけれど面白い。
中世の王国の物語と現代の恐怖譚のつづれ織り。

王妃に仕える侍女ツルと、小さな街に住む現代の老女の謎とは。

                   (本の帯文より/徳間書店)




12の嘘と12の真実は、交互に語られる中世の王国の話と

とある街に1人で暮らす老女・ツルの話。

中世の王国の后に仕えるツルが何とも悪い奴なのです。
無知な后にあることないこと告げて恐ろしい事態へと誘導していく。

現代の老女ツルもどこか怪しげで気味が悪い。
訪ねてくるお客に時には親切心で対応するけれど、本音にあるのは恐ろしい
悪巧みだったりする。


あさのさんのダークな部分が読めて興味深い話でした。

最後の話「崖の上」は、おまけ的にあった全く別の短編で、これがまた
怪しく哀しく恐ろしい。

いろんな話を書ける作家さんだなぁ~と感心しました!


                             ★★★★ 




発行年月:1955年12月


 世界の「MISHIMA」、この時29歳。純潔無垢でパーフェクトな恋物語。

文明から孤絶した、海青い南の小島――潮騒と磯の香りと明るい太陽の下に、海神の恩寵あつい若くたくましい漁夫と、美しい乙女が奏でる清純で官能的な恋の牧歌。人間生活と自然の神秘的な美との完全な一致をたもちえていた古代ギリシア的人間像に対する憧れが、著者を新たな冒険へと駆りたて、裸の肉体と肉体がぶつかり合う端整な美しさに輝く名作が生れた。

                       (新潮文庫HPより)




山口百恵さんと三浦友和さんで演じられた映画「潮騒」は見ました。

読んでいると自然に二人の俳優さんの顔が浮かんで来ちゃいましたが・・・^^;
とても綺麗な純愛ストーリーでした。

やはり三島由紀夫の文章は美しいな~。
美しい海辺の風景も目に浮かぶようで、若い二人が惹かれあう様子も
なんだかドキドキしました。
恋愛小説は、いくつも読んでいますが、なんだろ?凄い新鮮なかんじ。


「金閣寺」をこの前読んで、あちらは暗く影のある主人公の行き場のない運命を
切なく描いていて、胸が苦しくなりましたが、こちらは180度違う作品。
明るく希望に満ちた若い命が惹かれあい、これからひとつになって進んでいくだろうという物語で、爽やかな読後感でした!

三島由紀夫という人は、本当に素晴らしい作家だったんだな・・・・。
まだ2作品しか読んでないけれど、違う作品も読みたい。
さて、次は何を読もうかなぁ~?


                       ★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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