発行年月:2017年9月
若い女性が殺害された不可解な事件。警視庁に届いた一通の密告状。
犯人は、コルテシア東京のカウントダウンパーティに姿を現す!?
あのホテルウーマンと刑事のコンビ、再び――。
(集英社HPより)
ホテルのコンシュルジュ・山岸尚美と
刑事・新田のやり取りがいい。
事件の犯人が現れるという密告者の通報によって警察官がホテル内に。
新田は英会話が堪能で見た目も上品ということで、ホテル従業員に扮して
捜査にあたる。
ホテルが毎年12月31日に開催する仮面パーティの場に現れるという。
犯人逮捕、事件の真相も気にはなるけど、それより
コンシュルジュ・山岸のお客さんからの難しい要望に応えるため
奮闘する姿の方が楽しかった。
ホテルの話は面白いな。
これシリーズ3作目だったんだ!
1作目のマスカレード・ホテルは既読だけど、マスカレード・イブは
読んでない^^;
東野作品は漏れなく読んでいたつもりなのになぁ~。
事件の真相は、知れば、なるほど、そういうことか~というものでした。
よく、こんな入り組んだ人間関係を考えるものだ。
山岸と新田のコンビ、私生活でも何か進展あればいいのに~。
未読のマスカレード・イブも近いうち、読んでみよう。
★★★★★
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発行年月:2017年1月
2017年 第15回
『このミステリーがすごい! 』大賞
大賞受賞作
治るはずのないがんは、
なぜ消滅したのか――
余命半年の宣告を受けたがん患者が、
生命保険の生前給付金を受け取ると、その直後、
病巣がきれいに消え去ってしまう――。
連続して起きるがん消失事件は奇跡か、陰謀か。
医師・夏目とがん研究者・羽島が謎に挑む!
(宝島社HPより)
一気読みでした!
凄い話だなぁ~。
著者の経歴を見たら・・・なるほど・・・と思った。
国立がん研究センター、放射線医学総合研究所で研究に従事。
現在、医療系出版社に勤務。
主な人物は・・・
がんセンター医師・夏目と親友であり、同じ医師だが臨床経験なしで
研究室勤務の羽鳥。
夏目の恩師である西條。
その下で働く優秀な女性医師・宇垣。
治るはずのない末期がんが治った例が幾つか続き、その真相を追う話は
なるほど・・・そういうのは可能かも。と思えるリアリティさ。
医学用語が多いので、医療従事者じゃないとちょっと難解かも?
でも面白かった!
そういう発想が出来るのはやはり、元研究社の著者だからでしょうね。
自分の娘を奪った犯人を捜すと言っていた西條。
大学病院を去ったあと、彼がやりたかったことを進めていく。
恨みを果たすのだけど、そのやり方が医者ならでは。
そして、そんななか知る真実。
やっていることは犯罪っぽいけど、なんだか同情する。
辛い。
でも最後の最後に、この後の西條の生き方を変えそうな展開にビックリ
したけど、ちょっとホッとした。
ああ、面白かった!
これ、ドラマ化したのを本をまだ読んでなかったのでスルーしちゃったけど
録画しておけば良かったな~。
しかし、二作目、これを超えるもの書くのは大変そう。
でも次回作出たら、絶対、読みたい!!
★★★★
発行年月:2018年3月
囚われの身であるベル・エイドの青年Lは敵国ハラの兵士に語り聞かせる、かつてハラの友人ファルドと過ごした日々のことを──。少年が武官養成校を経て戦場に出るまでを描く物語。反響を呼んだ新聞連載の表題作に、対となる中編を加えた鮮烈な小説集。
(朝日新聞出版HPより)
表題から予測できる重い話。
この前まで一緒に学び、語り、親しくしていた者同士が、お互いを敵だとして
命を奪い合う。
敵方に囚われたエルシア(通称・L)が夜明けが来たら処刑されるという状況で
自分を射殺する役目を負わされた哨兵・ソームに知人・ファルドについて
語る。
ファルドは、ソームのことを知っていた。
エルシアの家で暫く一緒に暮らしたけれど、そうなった経緯も会話のなかで
わかる。
文中にあった言葉が印象的。
昨日と大差ない今日、今日と変わらぬ明日を過ごす暮らしの尊さに
気づかなかった。
2人で早く戦争が終わるといいな。どうしてこうなってしまったのか。と
語る。
処刑の日のことは書かれていないけれど、殺す方が辛いだろうな。
辛い話だったけど、なるほどね・・・と思うことが沢山あった。
★★★★
発行年月:2018年3月
文藝編集者として出版社に勤務し、定年を迎えたあとはカルチャースクールで小説を教えていた澤登志男。女性問題で離婚後は独り暮らしを続けているが、腎臓癌に侵され余命いくばくもないことを知る。
人生の終幕について準備を始める中、講師として彼を崇拝する若い女・樹里は自分の抱える闇を澤に伝えにきたが-―
激情に没入した恋愛、胸をえぐるような痛恨の思いを秘めて皮肉に笑い続けた日々。エネルギーにあふれた時代を過ぎて、独りで暮らし、独りで死ぬという生き方は、テレビで繰り返し言われるような「痛ましく、さびしい」ことなのか。
ろくでもない家族でも、いさえすれば、病院の付き添いや事務処理上の頼みごとができて便利なのだろうか。生きているうちから、人様に迷惑をかけないで孤独でない死を迎えるために必死に手を打ち備えることは、残り少ない時間を使ってするようなことだろうか。
プライド高く、理性的なひとりの男が、自分らしい「死」の道を選び取るまでの内面が、率直にリアルに描きつくされる。
人生の幕引きをどうするか。深い問いかけと衝撃を与えてくれる小池真理子の真骨頂。『沈黙のひと』と並ぶ感動作。
(文藝春秋HPより)
末期がんで余命短い、澤 登志夫(69歳)。
小説講座の講師を引退。
講座を受けていた宮島樹里(26歳)。
若い頃は、女性問題などあった澤だけど、樹里に対しては始終、理性的。
特殊な過去の体験を持つ樹里。
以前、提出し、澤から褒められた作品は、実話だという。
2人は変に親密になったら興ざめしたけど、良い感じの距離感を保ったままで
終わって、良かった。
澤が選んだ最期は、皆が出来る物じゃないから、これを読んでもすぐ真似する
人は居ないと思うけれど、自死はやはり誰かしらに迷惑かけるからなぁ~。
でも、こんな風に苦労して自分の望む死に方を演出しなくてもいいような
終わり方が誰にでも選べるようになったらいいのにな。
物語のなかで出て来る アルノルト・ベックリンの「死の島」。
検索して観てみた。
なるほど・・・暗くて寂しい絵だけど、ずっと見ていても飽きない
不思議な魅力のある絵だった。
この表紙の絵も、雰囲気あって悪くないけれど。
人の死を扱う物語だけれど、澤の淡々と自分の最期を演出していく姿は
なんだか哀しいけれど、心に響いた。
★★★★
発行年月:2018年1月
「大切な人の死」で知る悲しみとその悲しみの先にある未来
誰もが自分の人生を生きている
益田ミリ、新たな代表作! 珠玉のエッセイ20編を収録。
(毎日新聞出版HPより)
叔父さんの死と父親の死についてのエッセイ。
亡くなることを永遠のおでかけと例えたのは、巧いなぁ~と感心。
哀しみも少し和らぐ気がする。
親しくしていた人が亡くなったら哀しいのは当たり前だけど
ミリさんのご家族は、それを受け止めて明るく前を向いている。
哀しみの日々のなかにも、ちょっとしたことで笑ったり出来るのは
いいことだと思う。
亡くなったすぐ後でも明るい雰囲気で、亡くなった人の思い出話とかしたら、
きっと亡くなった人も嬉しいんじゃないかなぁ~。
なんだか、温かい気持ちになれる1冊だった。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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