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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2018年4月

留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語〈パンスカ〉をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る――。

誰もが移民になりえる時代に、言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚

                      (講談社HPより)




面白い!
今までにない物語をいつも読ませてくれる。

留学中に故郷の国が消滅してしまったというHiruko。
テレビ出演したHirukoに興味を持った言語学科の院生・クヌートは彼女に面会を
申し出てお互い意気投合する。
そして、Hirukuと共に旅に出る。

消滅した列島とは、日本のことでしょうね。
日本の童謡とか、地名が会話に出て来るので・・・。

日本が消滅してしまうなんて、想像もしなかったけれど、海外に暮らしていたら
もう故郷に帰れないってどんな気持ちだろう。

著者の多和田さんはドイツ在住ゆえ、こんな物語を考えたんでしょうかね。


旅をしながら出会う人たち。
最初に二人を案内したインド人のアッシュ。
女装しているけれど、気のいい青年で、好き。

料理人のテンゾ、同じくすしを握るsusanoo
Hirukoと同じ母国語を持つ人たちとの出会いと、それぞれの経歴の紹介。

世界中にちらばった日本人。
異国の言葉で生活していても母国語は忘れず受け継いでいって欲しいな。
国がもしなくなっても日本語は残っていって欲しい。
なんて考えながら読んだ。


Susanooがフランス語は、「盆汁」と「胡麻んダレ」くらいしか知らなかった
という箇所で思わずクスッ^m^

他にも言葉って面白いと思わせてくれた箇所が多数。


みんなの旅はまだまだ続くそうで、続編読みたいくらい。


                          ★★★★
 

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発行年月:2018年3月


 過労自死———。決して、彼が弱かったのではない。では、なぜ、彼は死ななければならなかったのか? 答えを探して、大企業を相手にした戦いが始まる。 小さな人間が秘めている強さを描く、直木賞作家のノンストップ・エンターテインメント! 大手居酒屋チェーン「山背」に就職し、繁盛店の店長となり、張り切って働いていた健介が、突然自ら命を絶ってしまった。大手食品メーカー「銀のさじ」に務める恋人の千秋は、自分を責めた――なぜ、彼の辛さを分かってあげられなかったのか。なぜ、彼からの「最後」の電話に心ない言葉を言ってしまったのか。悲しみにくれながらも、健介の自殺は「労災」ではないのか、その真相を突き止めることが健介のために、自分ができることではないか、と千秋は気づく。そして、やはり、息子の死の真相を知りたいと願う健介の両親と共に、大企業を相手に戦うことを誓う。小さな人間が秘めている「強さ」を描く、社会派エンターテインメント。

                     (幻冬舎HPより)



過労自死・・・・重たいテーマ。

大学を卒業して就職した会社は、誰もが知っている有名企業。
しかし、働いてわかる過酷な労働体制。

自死に至った藤井健介の段々と追い詰められていく様子が辛かった。
こんな風に段々と疲れ切ってまともな判断も出来くなり、今の状況に
耐えられずに死を選んでしまった。

恋人の千秋の無念さも痛いほど伝わって来た。
最後にかけた言葉を後悔する千秋が本当に可哀想。


企業側の言い分には、本当に腹が立った。
本当にこんな人たちがトップにいる会社なんて最悪。


企業の対応に誠実さがないことに呆れ、怒り、両親と千秋は闘うことに。
すごくエネルギーのいることだけど、亡くなった健介の名誉を守るため。
責任感がつよく真面目。
自分が無理してでも他の従業員を気遣う姿が素晴らしいことだけれど
それがかえって最悪の決断をさせてしまうことに。

ああ辛いなぁ~。

こんな自死、子どもがしたら、親はたまらない。


最後は和解したけれど、健介は戻って来ない。
二度とこんな風に追い詰められる人が出ないで欲しい。


これ、ワタミのことだなと途中で気づく。
ニュースで少し知っていたけど、もう絶対、ワタミは利用したくないわ~。



                           ★★★



発行年月:2018年3月


 幸せのレシピ。隠し味は、誰かを大切に想う気持ち。
美しい高台の街の小さな洋菓子店で繰り広げられる、
愛に満ちた家族の物語。

                  (ポプラ社HPより)





短篇連作集。

洋菓子店「スイート・ホーム」を中心にして、幸せが連鎖していく。

スイートホームの長女・香田陽皆(ひな)
次女・晴日。

2人の恋バナから結婚して家庭を持って子どもが生まれての話も良かった。
陽皆の母親の妹・いっこ叔母さんがご主人を亡くして一人、北海道に暮らして
いるのを心配して香田家で暮らすことになって家族が一層賑やかで
明るくなったのも良かった。

陽皆と晴日は嫁いだけれど、スイート・ホームに度々、手伝いに来る。

スイート・ホームの常連客さんたちとの繋がりも温かい。

みんな親戚みたいなかんじ。


温かくてあま~いお話でした♪
今回は、美術の話は全く出てこなかったけれど、こういうのもたまにはいい。


                         ★★★★



発行年月:2018年2月

私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。

森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。
だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。
この著者にしか描けない優しい物語


                    (文藝春秋HPより)



高校生の優子には、父親が3人、母親が2人いる。
本当の母親は3歳になる直前に事故死。
本当の父親は仕事で海外赴任。


お父さんの海外赴任が決まって、お父さんの再婚相手8歳差の27歳の梨花
さんと日本でそのまま生活すると決めた優子。

お父さんと梨花は離婚したがそのまま梨花と暮らし、新しいお父さん・泉ケ原さんの
家へ引っ越す。
が・・・・梨花は家出。
暫くは泉ケ原さんの元で暮らしていた優子。
しかし、梨花が迎えにくる。
森宮さんと結婚すると。。。。
三人で暮らしていたけれど、またまた梨花が置手紙を残して姿を消す。

以後、森宮さんとの二人暮らし。


梨花の自由奔放さに振り回される優子だけれど、梨花が知り合う男性は、皆
優しいし経済力あるし、父親としても文句なしの対応力。

泉ケ原さんの寛容さには、驚いたけど。。。。
いきなり父親になって、またすぐ出て行ってしまう状況になっても
梨花を責めない。

森宮さんと優子の関係もすごく良かった。
東大卒で有名企業勤務の森宮さん、ちょっと変わっているけど、なんだか
お茶目でいい^m^


最後は成人した優子の結婚を前にした親たちの反応。
一番、すんなり認めてくれると思っていた森宮さんの反対ぶりが可笑しい。

次々、保護者が変わっても、それぞれの親に愛された優子は
なんて幸せなんだろう。
実際は、こんな話、ないだろうけどね~。

自由奔放過ぎた梨花さんだけど、え?そういうことだったのか?という
驚きも最後にあって、最初から最後まで、楽しかった♪



                          ★★★★


 




発行年月:2017年12月


 

老若男女よ、全力で着飾れ。退屈を吹き飛ばす、
曲者だらけの痛快エンタメ!

「自分の人生は、自分以外のだれにもゆだねるな」死にかけの商店街に突然飾られたコルセット“コール・バ 「自分の人生は、自分以外のだれにもゆだねるな」
死にかけの商店街に突然飾られたコルセット“コール・バレネ”。
それは、少年の人生を変える、色鮮やかな“革命”の始まりだった。

福島の保守的な田舎町で、ポルノ漫画家の母と暮らす男子高生・海色(アクアマリン)。
17歳にして半ば人生を諦めていたが、ある日、古びた紳士服仕立て屋「テーラー伊三郎」のウィンドウに現われた美しいコルセットに心奪われる。
頑固な老店主・伊三郎がなぜ女性下着を――騒然となる町内を尻目に、伊三郎に知識を買われたアクアは、共に「テーラー伊三郎」の新装開店を目指す。
活動はやがて、スチームパンク女子高生や町に埋れていた職人らを巻き込んでいき……。


                       (角川書店HPより)




最高~♪

紳士服専門店の店先に突如、飾られたコルセット。
正式には、コール・パレネと言うそうだけど・・・・

それを目にした高校生の津田海色(アクアマリン=通称アクア)。
母親が官能漫画家で、その漫画の舞台はフランス革命前後ということから
その頃の装飾には、詳しいアクアは、そのコルセットを作った伊三郎に
尊敬の念を抱く。
放課後は、テーラーに立ち寄り、伊三郎の作業を眺める日々。

そして、もう一人そのコルセットに魅了されたのがアクアの同級生・三木明日香。

アクアと明日香は、次第に友情を築き、商店街の高齢女性たちをも巻き込んで
大々的な町おこしへと進んでいく。


紳士服店の伊三郎氏がなぜ、女性用のしかもコルセット作りを始めたのか?

それは亡くなった愛妻への思いやりだった。


いいなぁ~。
みんな楽しそうで。

著者の作品は、初めて読んだけど、ほかのも読んでみたい!

洋服のこと、色々調べたのかな?と思ったら服飾の学校を卒業して
そういう仕事もしてきた人だった!
なるほど~。


                           ★★★★★

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