有栖川有栖氏や山田正紀氏をはじめ、選考委員の圧倒的支持を得て、日本推理作家協会賞短編部門を受賞。
巧妙な伏線に緊迫の展開、そして意外な真相。
ラストは切なく温かな想いが待ち受ける。
珠玉のミステリ-短編集
(双葉社HPより)
初めて読む作家さん。
読み終わったら、ファンになりました!!
4つの短編が収められています。
「迷い箱」・・・更正保護施設の所長、結子とそこで暮らしていた入所者の話
「899」・・・消防署勤務の諸上とそこで同じく仕事をする隊員と、ある火災事故での話
「傍聞き」・・・刑事課主任の啓子が関わる通り魔殺人事件と自宅近辺で起こった盗みに関わる話
「迷走」・・・救急隊員が要請で駆けつけた相手は隊長と、その娘の婚約者である隊員に関わりのある人物だった。
どの話も短かい話のなかに引き込まれるものを感じました。
それぞれ、人に密接に関わる職業のなかで、懸命に仕事に臨む人たち。
読んでいて、その真摯な姿には胸が熱くなりました。
「迷い箱」は、切なかったなぁ~。
更正保護施設:刑務所を出たあと、身寄りのない人に食事と住む場所を与え、社会復帰を手助けする施設。
そこで施設長として働く結子は60歳を迎え、そろそろこの仕事から引こうかとも考えている。
入所者のためにした事が徒労に過ぎないのでは?と思って。
しかし、一人の男の社会復帰に関わり、思い直す。
ラストは、泣けました。
「899」(要救助者)は、消防署のレスキュ-隊員の話。
ある火災現場で、目撃した事実を隠蔽する話なのですが・・・その理由が他人のことを思いやっての事。
この行為については、賛否が分かれそう。
幾ら考えても、これが正しかった行為か否か判断がつきませんでした。
「傍聞き」は、勉強になりました!
この言葉、初めての言葉。字から想像すると、傍らで聞く・・・聞き耳を立てて聞くことかな?なんて思ったら、違いました^^;
刑事さんではよく使うのかな?
漏れ聞き効果を狙って、どうしても信じさせたい情報を別の人に喋って、それを信じさせたい本人に聞かせることだとか。
これが物語のなかに活きている話。
最後になるほど!!と思いました。
さすが、表題作!傑作です!!
「迷走」は、救急車の要請があり、駆け付けた先には、何者かに刺された男。
意識はあるが、早く処置をしなくては!
あれこれ会話するうちに、隊長と、その娘の婚約者である隊員に関わりがある人物でありことが判明。
どうするの?どうなるの?とハラハラドキドキしながら読みました。
そして、これも、最後は、なるほどそういう事ね!と納得。
でも少し冷静に考えると隊員たちに話さず事を進めようとする隊長・・・・格好良いけど、チ-ムで動く仕事なので全てナイショじゃこの場合、かえって危険です。
実際には、ありえない事でしょう。
ま、そうしないとこの話は面白くないので、それは考えちゃダメな事かもしれませんが・・・^^;
初めて読んだ作家さんでしたが、わたしの中ではかなり良かった!
次は長編を読みたいな。
他にも短編はあるみたいですが、これだけ面白い短編が書けるのなら・・・と期待しちゃいます。
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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