明治10年。根津遊廓に生きた人々を描く長編
ご一新から十年。御家人の次男坊だった定九郎は、出自を隠し根津遊郭で働いている。花魁、遣手、男衆たち…変わりゆく時代に翻弄されながら、谷底で生きる男と女を描く長編小説。
第144回直木賞受賞作品
(集英社HPより)
幕末から明治へと世の中が大きく変わった時代。
武士の家に生まれ、幼いときから父親から剣術を厳しく叩き込まれた定九郎。
兄・政右衛門と比較されるのもイヤで家を出て遊郭で働く身。
花魁たちの世話をする女性たち。
外回りの仕事をする男衆。
遊郭のなかの様子を垣間見ながら、そこで暮らす人たちの苦労なども知りました。
首を吊り損ねた芳里は木気の毒だった。
得体の知れない寄席芸人のポン太は、最後まで不思議な存在だったけど結構好きなキャラクタ-でもあった。
寄席で語られる噺も興味深かった。
花魁・小野菊の道中は最後、どうなるか?ハラハラしながら読んだ。
小野菊・・・・格好いいなぁ~。
華やかなイメ-ジの花魁だけど、やはり哀しいものも抱えている。
そしてラストが良かった!
置かれた状況から、逃げることばかり考える定九郎だったけど、考え方を変える事で、今までとは違う何か希望のようなものを持てたみたい。
しかし、この時代、武士だったものが一番、時代に翻弄されたのかも。
剣術を極めることが己の道だと信じていたのに、それが崩れた時代。
定九郎の兄の暮らしぶりもなんだか哀れでした。
この表題の意味も納得。
本の帯に紹介のあった著者の書いた新選組の小説も読んでみようかな?
★★★★
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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